あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

自由律詩歌その50

2020-01-31 11:39:23 | Weblog
自由律詩歌その50

ある晴れた日に 第596回

わくわくわく

わけわけわけ

わこわこわこ

わさわさわさ

わしわしわし

わすわすわす

わせわせわせ

わそわそわそ

わたわたわた

わちわちわち

わつわつわつ

わてわてわて

わとわとわと

わなわなわな

わにわにわに

わぬわぬわぬ

わねわねわね

わのわのわの

わはわはわは

わひわひわひ

わふわふわふ

わへわへわへ

わほわほわほ

わまわまわま

わみわみわみ

わむわむわむ

わめわめわめ

わもわもわも

わやわやわや

わゆわゆわゆ

わよわよわよ

わらわらわら

わりわりわり

わるわるわる

われわれわれ

わろわろわろ

わやわやわや

わゆわゆわゆ

わよわよわよ

わんわんわん

  アベトランププーチン金習みな消えて喜ばしき世界のはじまり 蝶人
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都築響一著「独居老人スタイル」を読んで

2020-01-30 13:43:21 | Weblog


照る日曇る日 第1347回

2013年の本だから、中には既に物故された方もおられるだろうが、有名無名の美術家やパフォーマーや、漫画家や道化師、舞踏家、三味線奏者、スナックママ、流し、輸入雑貨店経営者、劇場主など総勢16名の独居老人を取材し、その生き方を多数の写真入りで紹介した書籍なり。

巻頭の秋山祐徳太子の名は知っていたが、そのほかは知らない人ばかり。しかし2018年に亡くなられたアクショニストの首くくり栲象、早稲田松竹のお掃除担当だった荻野ユキ子、同じく福島県の本宮映画劇場館主の田村修司諸氏の生き方には、いたく感銘を受けたことを記銘しておきたい。

著者が「どうすれば絵描きになれるのか?」と尋ねると、画家、美濃瓢吾曰く
「毎日家に居ればいい。そして畳の目ひとつひとつをしつこく描いたり、古いジンボトルのラベルをしつこく写してみるとか、ともかくへたでもいいからしつこくやれ。そうしてそこに祈りのようなものが出てきたらそれでいいんだ」

この「祈りのようなもの」というのは何となく私にもわかるような気がします。

  ウイルスがあるか無いかはいざ知らず鎌倉に溢れる観光客たち 蝶人

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蝶人睦月面白映画劇場その2

2020-01-29 13:17:21 | Weblog


闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2015~19

1)ロン・ハワード監督の「遥かなる大地へ」
ハイソで金持ちお嬢さんのミコール・キッドマンと貧乏百姓のトム・クルーズのラブストーリ。早い者勝ちで土地を勝ち取る19世紀オクラホマのランドレースが興味深い。

2)マーク・サンドリッチ監督の「スイングホテル」
ビング・クロスビー、フレッド・アステア競演の素敵な1942年製アメリカ映画。あの名曲「ホワイトクリスマス」はこの映画から生まれたが、1年の祭日だけ営業するホテルとは面白いずら。

3)ハワード・ホークス監督ほかによる「人生模様」
O・ヘンリーの5つの短編をヘンリー・コスター、ヘンリー・ハサウエイ、ジーン・ネグレスコ、ハワード・ホークス、ヘンリー・キングの5人がそれぞれ映画化し、案内役をなんとジョン・スタインベックが努めるという1952年製作の素晴らしい好企画映画。ホークスは「赤い酋長の身代金」を演出しているが、やはりアン・バクスターが出演してジーン・ネグレスコが担当した「最後の一葉」がいいな。

4)アンドリュー・V・マクラグレン監督の「ビッグ・ケイヒル」
子育てを顧みなかった西部の荒くれ男ジョン・ウェインが、その子供たちのせいで巻き込まれるひと騒動を描く。ただそれだけの作品ずら。

5)ビクター・サビル監督の「間諜」
1937年の英国映画で、ヒロインにはヴィヴィアン・リーが扮いているが、2年後のハリウッド大愚作「風と共に去りぬ」と違って伸び伸びと演技している。

「人世なんてあっという間ですね」と書きありし妻のハガキをポストに入れたり 蝶人
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家族の肖像~家族の対話その54 

2020-01-28 10:38:18 | Weblog


ある晴れた日に 第595回


ええとお、お母さん、「巣だちの歌」印刷して。
分かりましたあ。

お母さん、シャッターチャンスって、なに?
ちょうどいいときよ。

同窓会って、なに?
同じ学校出た人が集る会よ。
ドウソウカイ、ドウソウカイ。

蓮の花、見るだけにするの?
どうしたいの?
見るだけにしますよ。

停電、怖かったですお。
そう。どうしてたの?
懐中電灯ついてたお。
そうなんだ。

二人乗り禁止だよ、と言ったよ。
誰が?
ヒロシさんが。
いつ? 
むかし。

ヤブコウジ、お正月でしょう?
そうだね。

お母さん、たかみねの花って、なに?
どんな字を書くの? あ、それは高嶺の花。手が届かない所に咲く花よ。

お父さん、停留所は止まるところでしょ?
そうだよ。

電車は、ホームの中ほどで待つんでしょう?
お父さんは、いつも端っこで待つんだけど、誰が言ったの?
駅のおじさんが。放送で。
あ、そうなんだ。

―小林散髪屋でトイレを借りて
おばさん、ネコいますお?
うちのネコだよ。
うちの息子は犬とか猫が怖いんです。
そうなの。

さて問題です。耕君がジュースを買いに玄関を出たとき、まずどこを見るべきでしょう?1番まんなか、2番右、3番左。
1番!
ブブー。
2番!
ブブー。
3番。
ピンポン。左からやってくる車を見ないと轢き殺されちゃうよ。
分かりましたあ。

お母さん、もうすぐ「なつぞら」終わりますよ。
そうね。今度何をやるのかしら?
「スカーレット」ですお。
そうなんだ。

ハスは、水張ればいいでしょ?
そうね。
どうやって張るの?
水を入れればいいのよ。
じゃああ、と入れるの?
そうよ。お水をじゃああ、と入れるのよ。

お父さん、日光、東照宮でしょ?
そうだね。

解消って、なに?
元に戻すことよ。
停電解消だってよ。
そう、良かったね。

途中下車って、なあに?
途中で降りることよ。

お母さん、ぼくムクゲ好きですお。
お母さんもよ。
うちにムクゲある?
ありますよ。庭に咲いてますよ。

クイズタイムショック、好きでしたお。前。
そうなんだ。

お父さん、「しかし」の英語は?
Butだよ。

ぼく、薔薇の花、好きですよ。
お父さんも。

お母さん、疑うって、なに?
ほんとのことかなあ?よ。

  描いても描いてもてんで売れない絵画家が悪いか世間が悪いか 蝶人

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佐藤賢二著「ナポレオン1 台頭篇」を読んで

2020-01-27 10:54:13 | Weblog


照る日曇る日 第1346回

コルシカ島の寒村でやっさもっさ試行錯誤していたナポレオンが、さまざまな僥倖に恵まれて大革命時代のフランスの軍事勝利に大貢献するまでをダイナミックに描き尽くす。

3巻完結の第1巻であるが、ホップ、ステップ、ジャンプの第一躍がやはり一等興味深く、書物としての完成度も高いようだが、もっと多くの図版を付けて欲しかったなあ。

  消費税値上げに伴うレジ設備投資出来ず車屋商店ひそと幕閉ず 蝶人
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岡野玲子著「陰陽師13 太陽」を読んで

2020-01-26 10:25:12 | Weblog


照る日曇る日 第1345回

占い師が密閉された箱の中身を透視して言い当てる「射覆」という技術は、当然ながらかのギボさんもエバラヤキニクノタレなんかにも出来なかった至難の業だろう。

本巻ではこの難題に難渋する主人公安倍晴明の生命の危機を、都の建造設計ミスや安寧秩序の回復や、なぜか古代エジプトの占星術との相関関係を引き合いに出しながら、例によって高踏的かつ神智学理論を駆使した超絶的美的表現の世界が、燦然と繰り広げられて無知で愚かな我々読者を圧倒する。

さいわいにして我らがヒーローは我らがヒロイン真葛チャンの助けを借りて九死に一生を拾い、時空を超えた平安を獲得し、その後も藤原氏の擁護のもとで寛弘2(1005)年京の都に85歳で没するまでしぶとく生き続けたのである。

   ひれかつを断固退けロースかつをさっさと選ぶ息子四十六 蝶人

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ギュスターヴ・フローベール著・菅谷憲興訳「ブヴァールとペキュシェ」を読んで

2020-01-25 10:34:04 | Weblog


照る日曇る日 第1344回

著者の死後の1881年に未完のままで刊行された本書は、2人の悲喜劇的な主人公が狂言回しとなって繰り広げられる所謂「笑劇的百科事典」で、そこでは19世紀現在における社会、思想、宗教の相関関係が徹底的に総括されていて興味深い。

「笑劇的百科事典」というても「笑劇的」なのは、フ氏が本書の付録として添付した「紋切型辞典」にみられる機知に富んだ皮肉な揚言形式を指すのであって、「衝撃的」な小説形態を模索せんとする氏の真摯な研鑽努力を指すものではありませぬ。

ちなみにこの文字通り画期的なエンサイクロペディアを立ち上げるために、氏が本書で論及したカテゴリーは、「農学から造園術、化学、医学、地質学、考古学、歴史学、文学、政治学、恋愛、体操、オカルト科学、哲学、宗教、教育学」(解説より)などなどの殆ど森羅万象に及んでいますが、そのために氏は、なんと1500冊以上の著作、文献、参考資料を渉猟し、それらを読み込みつつ膨大なメモを作成し、その成果を「百学連環」とでも称すべき本書に取り込んだのです。

思想とは何か?という大問題を、古今東西の始原から当代にまで東奔西走して、考究し尽くそうとする哲学者ならぬ小説家の野望、ゲーテやマルクス、南方熊楠に比すべきこの知的冒険の一大事業は、マラルメの「肉体は哀し。万巻の書は読まれたり」という諦観、ポール・ヴァレリーの「思考は極端なるものによってのみ進むが、中庸なるものによってのみ存続する」という認識に到達し、「すべての知は虚しい」とする相対的な悟達のうちに幕を閉じるのです。

  ジャッキーのチェンがいた頃の香港はポリスは弱きを挫かなかった 蝶人

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冬の花火~第4発

2020-01-24 14:10:46 | Weblog
これでも詩かよ 第275回


小さな旗を立てること


私は公園の隅っこにある砂場の砂の上に、小さな旗を立てた。
青い色をしたその旗は、ハタハタハタハタ、しばらく風に鳴っていた。
それが、まるで私が生きているあかしであるかのように。

夕方、私がまた公園を訪れると、あの小さな旗は、まだそこに立っていた。
あの綺麗な青は暗くて見えないが、
まるで私の墓標のように、少し傾いて。

ふと思い立って、
ときどき砂の上に小さな旗を立てること。
それが、私のささやかな祝祭だ。

   平幕と似たる強さの関取が横綱・大関を名乗るは奇っ怪 蝶人
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冬の花火~第3発 

2020-01-23 10:32:59 | Weblog


これでも詩かよ 第274回



逃れの町

モーセはヨルダン川の向こう、東側に3つの町を取り分けた。
それは以前から憎んでいたのでもないのに、
誤って隣人を殺した者をそこに逃がすためである。

そのような者は、
そのいずれかの町に逃れて、
生き延びることができる。*

さあ行こう!
いつかどこかで、どんなにかして、人を殺した覚えのあるものは、
乳と蜜の流れる、うましこの町、逃れの町へ。

見よ、人よ。野の鳥よ。滑川のウナゴロウよ。
この国は、地球は、もう終わりだ。
この国に生きる人も、自然も社会も、もう終わってしまった。

なにもかもが行き詰まり、万策尽きたにもかかわらず、
それを最初に口に出すのが恐ろしいので、
「万事休す!」と告白しない。

さあ行こう!
悪と汚れに塗れ、腐敗し堕落しきったこの国を限りなく疎ましく思うものは、
黄金も武器も無い、この永世中立の郷へ

ふと辺りを見回せば、幼馴染のノブイッチャンも、ヒトハルチャンも、
タカヤマコウヘイ君も、タカギのケンチャンも、
ヒョウタンでナマズを、のんびり釣っているではないか。

さあ行こう!
いつかどこかで、どんなにかして、人を殺した覚えのあるものは、
乳と蜜の流れる、うましこの町、逃れの町へ。


*旧約聖書「申命記」4章41-42節。2018年聖書協会共同訳による。



  これ以上観光客は要らざるに鎌倉特集をやる公凶放送 蝶人

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冬の花火~第2発 

2020-01-22 09:17:30 | Weblog


これでも詩かよ 第273回



津久井やまゆり園


第1景

俺様は宇宙から来た植松だ。

こいつはしゃべれるのか?

「しゃべれません」

こんな野郎生きている価値がない。


第2景

あいつは殺さないとな。

「しゃべれます」

しゃべれないじゃん。

「しゃべれます、しゃべれます、みんなしゃべれます」

ん。しゃべれないじゃん。

こいつら生きていてもしょうがない。


第3景

俺様は宇宙から来た植松だ。

「やめてください。どうしてこんなことするの」

こいつら生きていてもしょうがない。


第4景

『聖おにいさん、もしあなたにしゃべれない子供がいたら、それでも殺しますか?』


―この詩の会話は「津久井やまゆり事件」公判についての報道記事から引用し、第4景は中村光「聖☆おにいんさん」を参考にしました。


    横綱を破りし者が己より下なる者に連敗する日々 蝶人

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冬の花火~第1発 

2020-01-21 09:22:47 | Weblog


これでも詩かよ 第272回


それゆけポエム 
ぼくらを、一陣のそよ風に乗せて

それゆけポエム
喜びも悲しみも、まるごと包んで

それゆけポエム
あの青い空、白い雲の果てまでも


ぼくが歩く
ぼくが走る
すると、そのあとがポエムになる

ぼくが笑う
ぼくが泣く
それがポエムなんだ

ぼくが叫ぶ
カワカワノムク、カワカワノコウチャン、ケンチャン、ミエコサン
それがポエムさ

ぼくが食べる
ぼくがウンコする
それがポエムやねん

ぼくはポエムだ 
ポエムはぼくだ


それゆけポエム
大胆に大胆に、どこどこまでも進んで行け

それゆけポエム
この星の人々が、見たことも無い、遠い遠い所まで

それゆけポエム 
悠久の天地を、いついつまでもさすらいながら


―2020年1月15日は私にとって特別な日となった。長らく療養中の鈴木志郎康さんが、およそ1年半ぶりに詩を発表されたからだ。「詩」と題されたとても短い詩だが、その最後に「それゆけ、ポエム。」というリフレインがあって、寝床に縛り付けられてはいない自分が、かえってとても励まされたような気がしたのである。この拙い詩は、そんな高揚した気分の「落とし前」として生まれました。

  どうでもよい「市からのお知らせ」を大声で放送するな病人が驚く 蝶人
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蝶人睦月面白映画劇場その1

2020-01-20 09:26:37 | Weblog

闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2010~14


1)ジョン・カーペンター監督の「エスケープ・フロム・L.A.」
1996年に製作された近未来SFで1998年現在のL.Aを想定しているが、どうみてもリアリテイに欠ける身勝手な映画だ。主演のカート・ラッセルの顔を見るとうんざりする。

2)ロバート・ゼメキス監督の「フライト」
デンゼル・ワシントン機長が故障機を駆って奇跡の生還を遂げるが、最後に自分がアル中でコカイン常習者であることを告白して肩の荷を下ろす。その阿修羅のごとき操縦ぶりが最大の見どころ。あとナディーン・ベラスケスの素っ裸がいいね。

3)アスガー・ファルハディ監督の「セールスマン」
2016年製作のイラン・フランス合作映画。「セールスマンの死」を演じる夫婦に突然訪れた危機をリアルに描くが、イラン社会の実情が遠く近くに反映されているのが興味深い。

4)クリント・イーストウッド監督主演の「ファイヤー・フォックス」
ソ連が開発した最新鋭機をめぐる1982年製作の米ソ対決映画であるが、時代と事情が激変した現在、ほとんどリアリテイはないずら。

5)トッド・ヘインズ監督の「キャロル」
1950年代のアメリカで愛を貫こうとする2人の女。それは現代よりも遥かに苦難多き道のりであった。ケイト・ブランシェットって美人だが、アップになるとそうでもなく映るときがある。


  途轍もない凄ンげえ短歌を度忘れし切歯扼腕したりけるかな 蝶人
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岡野玲子著「コーリング3」を読んで

2020-01-19 11:45:39 | Weblog


照る日曇る日 第1344回

氷の女サイドルのドルードへの憎悪は炎のように燃えたぎり、恋人コーレンや味方のサール王と息子たちを犠牲にしてでもおのが復讐を遂げようとするのだが、このへんはどういにもついていけないヒロインの自己中、感情の嵐ではある。

しかしとにもかくにも物語がハピーエンディングの首尾となるのは慶賀の至りである。

めでたし、めでたし。

  自民党の子分になるのは即止めよ「小さな声を聞く」気があるなら 蝶人
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マックス・ベルジュイス文と絵・清水奈緒子訳「かえるくんととりのうた」を読んで

2020-01-18 13:35:04 | Weblog


照る日曇る日 第1343回

かえる君や動物たちがすべての生き物に訪れる死、そしてそれあるがゆえに激しく燃える生の輝きについて直視した真情溢れる絵本なり。

幼い時にこういう1冊に触れることの大切さについて、こんな時代だからこそ、しみじみ思うのである。


    初雪が冷雨混じりに舞い落ちて観光客も少なき土曜日 蝶人
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マリーズ・コンデ著「生命の樹」を読んで

2020-01-17 10:11:43 | Weblog


照る日曇る日 第1342回


一度ジャマイカに行ったことがあるが、その強烈な光と影、物凄い貧富の差に驚き、世界にはこういう場所もあるのだといたく身にしみ、ほうほうのていで逃げ帰った。

2018年のニュー・アカデミー賞を受賞した著者による本書は、そんな激烈な場所のひとつで生を享けて命をつむいだ著者による「あるカリブの家系の物語」であるが、それこそ生命力に満ち溢れた、生まれも育ちも貧富も思想もイデオロギーも相反する老若男女の人物が次々に登場し、さながら異界曼荼羅図の中の群像のように、生き生きては死に死に、新旧世界を股にかけておどろおどろしく点滅するのに驚かされる。

「あるカリブの家系」とは言いながら、その壮大な景観と様相は、石器時代から現代までを貫く全人類史の原像と系譜と称してもよろしいのではないでしょうか。「生命の樹」とはようも名づけたもんだ。


   阿呆莫迦が選んだ阿呆莫迦議員共が次々しでかす阿呆莫迦の莫迦 蝶人
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