闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.3501~18
1)ガイ・ハミルトン監督の「007死ぬのは奴らだ」
1973年のシリーズ第8作。鮫に食われそうになるロジャー・ムーアだが予定調和的に黒人をやっつけるずら。
2)ガイ・ハミルトン監督の「黄金銃を持つ男」
1974年のシリーズ第9弾。これまでで一番きれいなボンドガール、モード・アダムズ登場。
3)ルイス・ギルバート監督の「私を愛したスパイ」
1977年のシリーズ第10弾。奇妙なことに英ソが連合して海洋学者に対抗するが、ボンドガールが今一、今二。
4)ルイス・ギルバード監督の「ムーンレイカー」
1979年のシリーズ第11弾。ヴェネチア、リオを経てなんと舞台は宇宙へ!本作でボンドと銀歯大男は味方同士になる。
5)ジョン・グレン監督の「ユア・アイズ・オンリー」
1981年のシリーズ第12弾だが、詰まらない出来栄え。救いはキャロル・ブーケの美貌くらいか。
6)ジョン・グレン監督の「オクトパシー」
1983年のシリーズ第13弾。謎の蛸女オクトパシーとアマゾネス軍団がインドを舞台に大活躍。
7)ジョン・グレン監督の「美しき獲物たち」
1985年のシリーズ第14弾。ロジャー・ムーアは本作でお役御免となったが、グレース・ジョーンズの起用が異色だった。
8)ジョン・グレン監督の「リビング・デイライツ」
4代目ボンド、ティモシー・ダルトン初登場の1987年のシリーズ15弾。なぜかチェコのチェリストとのラブストーリーを展開。
9)ジョン・グレン監督の「消されたライセンス」
ライセンスを奪われたボンドが亡き友の復讐に立ち上がる1989年のシリーズ16弾。
10)マーチン・キャンベル監督の「ゴールデンアイ」
5代目ボンド、ピアース・ブロスナンがかつての親友006と戦う1995年のシリーズ17弾でなかなか面白い。
11)マイケル・ウィルソン監督の「トゥモロー・ネバー・ダイ」
英国と中国を戦争させようとする奴らをやっつける正義の味方ボンド!
1997年のシリーズ18弾。
12)マイケル・アプテッド監督の「007/ワールド・イズ・ノット・イナフ」
1999年のシリーズ19弾。はじめはおぼこ娘と思ったソフィーマルソーが、突如悪女の本性をむき出しにして5代目ボンド、ピアース・ブロスナンの首を中世の拷問器具で締めあげる。女は怖いなあ。
13)リー・タマホリ監督の「ダイ・アナザー・デイ」
2002年のシリーズ20弾。ピアース・ブロスナンの最終作だが、この5代目ボンドがいちばんヒューマンなボンドかも知れない。
14)マーチン・キャンベル監督の「カジノ・ロワイヤル」
2006年のシリーズ21弾。冒頭のモノクロ画面の中で最新版ボンドのダニエル・クレイグが初めて人を殺すが、この瞬間もはや誰も人を信じられない文字通りの暗黒時代に突入するのである。カジノの対決を見ていると狭心症の発作に襲われた。
15)マーク・フォスター監督の「007/慰めの報酬」
2008年のシリーズ22弾。恋人を殺されたジェームズ・ボンドが報復に走ろうとして、英国紳士とはとても思えない乱暴な活劇を繰り返す異色の2008年度作品ずら。主役のダニエル・クレイグはかつてのボンド役とは似ても似つかない風貌で、英国人だがどこかプーチン大統領に似ていて個人的には好きくないずら。なんでジョージ・クルーニーなんかを起用しないんだろうね。
イタリアのシエーナでのカーチエースから始まりナッソー、アフリカ、また欧州と世界各地を目まぐるしく移動して観客の目を楽しませてくれるが、「トスカ」が上演されているオーストリアのブレゲンツ音楽祭で悪者たちが連絡を取り合うというめちゃくちゃな設定には驚いた。しかし心中の孤独と苦しみに耐えつつ群がる敵をどんどん殺し、上司のMを演じるジュディ・デンチをはらはらさせるボンドもまあ悪くはなかったずら。
16)サム・メンデス監督の「007/スカイフォール」
2012年のシリーズ23弾。この節の007はただただ悲惨な現実に弄ばれるだけで、夢も希望もない。まことに現在の英国とその諜報部のありようを正直に反映している映画といえようか。
だいたいジュディ・デンチのMとプーチンそっくりのダニエル・クレイグなんて誰が喜んでみるものか。ひたすら初代のショーン・コネリーが懐かしい。
17)サム・メンデス監督の「007/スペクター」
2015年のシリーズ24弾。紆余曲折ありながら「ボンドはついにスペクターの親玉を殺さずに逮捕してメデタシめでたしとなる。
18)キャリー・ジョージ・フクナガ監督の「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」
ご存知007の2021年の最新作。私が大嫌いなプーチンそっくりのダニエル・クレイグ最後の主演作だが、映画のラストでは猛烈なミサイルの爆発を総身に浴びて絶命する。しかし「今は死ぬ時ではない」ので、奇跡的に蘇えるのかしら。
歴代のジェームズ・ボンドを見比べるコネリー・ボンドは極楽トンボ 蝶人