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あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

西暦2019年睦月蝶人花鳥風月狂歌三昧

2019-01-31 09:19:27 | Weblog


ある晴れた日に 第548回


24時間全自動忖度機が稼働している1億総白痴社会ニッポン

セクハラで共に楽壇を追われたがレヴァインはデュトワより遥に優れた指揮者

セクハラでレヴァインもデュトワも追放されたがトランプだけは今なお居直る

「金槐集」読めばたちまち蘇る鎌倉右大臣実朝のこころ 

「恋なんてこんな簡単なものだった」と一生に一度だけでも言うてみたい

ヒト科ゆえチンパンジーを「匹」でなく「ひとり」と数える松沢教授 

神戸牛で年寄りを釣るオリックス生命

ふきのとう舎のボーナスは368円耕君今年も頑張ったね

数名の巡査だけが立っている東京のまん中にある空虚な場所に

AIのドローンちゃんの命令一下空母いずもは撃沈されたり
 
我こそは天孫選民と宣る人に真偽のほどを告ぐる人なし

三菱でいいのは鉛筆で車もヒコーキもいまいちである

今朝は4時半に電話してきた息子よ耕君お母さんを寝かせてあげてね

美女奏者がいるから許すけどゲルギエフ指揮ベルリンフィルのプロコフィエフ詰まらん

黒柳徹子は死んでも「徹子の部屋」で自らを悼むだろう黒柳徹子

平成とは「痩せたソクラテス」後を絶ち「太りし豚」のみ栄えゆく日々

文語体は階級区別がないけれど口語体にはですますだの区別が必要になる

1袋700円で夜のやる気が漲ると協和発酵「シトルリン」囁く

東京で殺したはずのふるさとの言葉を拾い口にしている

その昔七冠独占の羽生選手いまはただ裸一貫となる

左手の致命傷から立ち直り準優勝したペトラ・クビトバ

平成皇族トランププーチン安倍蚤糞非吾事

全国民をハラハラドキドキさせるためキセノサトは土俵に上がった

「世界中を毎日びっくりさせてやる」ただそれだけがトランプはんの生甲斐

陰嚢に溜まりし邪悪かき集め夜来の雨に残らず吐き出す

歌という漢字を見れば何事か欠けるをもちて歌というらし

「無断駐車するな!」と背なにタンカを貼り付けて赤いベンツは怒っているぞ


朝ドラのヒロインたちは元気よくマーチに合わせて楽しく歩く 蝶人

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西暦2018年蝶人花鳥風月狂歌三昧 在庫処分その5 

2019-01-30 11:52:55 | Weblog


ある晴れた日に 第547回

真綿のように我らの首を絞めるのはいま流行のやわらかなファシズム
沖縄よ断乎独立するべきだ日米の食いものにならずに  
この街はいったい誰のものなるやわがもの顔にのし歩く観光客のもの 
らちもなくらちがらちがと繰り返す安倍内閣よしっかりしろよ
その一瞬四年の辛苦を解き放ち選手らはみな潔く去る
アカシジミ車に轢かれた胃が痛いとりあえず県道が君の墓標か
アゲハ蝶トベラに寄るなサツキに来い
この花は長実雛罌粟(ながみひなげし)つまりケシ栽培は禁止されていない
脳漿の最深部から浮かび来る奇想あまさず掬い取りたし
夕食にスイカをたくさん食べたので夜中に何度もトイレに起きる
病院から履いてきたスリッパがあまり履きやすいのでずっと履いてる
藤袴は桜餅のように匂うとテレビで言うたが我が家の藤袴は匂わざりき
筒先に2つの穴があるためにバラバラ飛び出し便器が汚れる
プロパンガスを我が家に届けて半年後彼縊りたり郷里の家で
ボーカルの弱いバンドを率いてし甥は自らも唄わんとす
米国の第七艦隊の殆どは韓国方面に出航せり
ある時は自閉症また近頃は発達障害などと呼ばれる耕君
亡くなりてまた亡くなれど次々に現れ出るなり最高齢者
難病で寝た切りになった君のため念力を送ることしか僕はできない
人のため忖度できない奴のため忖度するのは下々のゲジゲジ
海外では絶対にお辞儀をしなようにしていても帰国すれば安心して平気でお辞儀する
トランプの子分にくせに安倍蚤糞日本に戻ると偉そうにする
安倍蚤糞が穢した伊勢靖国恐らく2度と行かんやろな
人間よりも犬猫を愛する人が増えてきた平成末期のアジアの孤島

「無断駐車するな!」と背なにタンカを貼り付けて赤いベンツは怒っているぞ 蝶人



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西暦2018年蝶人花鳥風月狂歌三昧 在庫処分その4

2019-01-29 17:40:04 | Weblog


ある晴れた日に 第546回

なにゆえにいつも最前列が売れ残るあまりにも高すぎるS席
またしてもプレミアム席はガラガラで遥か彼方のオーケストラを聴く
怪我をして幕下にまで落ちながら平幕栃ノ心が優勝するまで
聖夜祭を間近に控え隣家焼け黒焦げのリースひとつ残れり
上流からは大根の切れ端しか流れてこないわれこそは所謂下流老人
あ夢を見たなと思えばすぐに起きだして手帳に記すわれ夢探偵
ウェバーすら読んだことのない人々が「職業としての政治家」めざす
猫じゃ猫じゃと世界中を旅してるちょっとおかしなテレビ番組
しののめの空に浮かんだ雲ひとつ母を思わせやがて消えたり
ひいひいと悲鳴上げつつ本日のノルマをこなすわが洗濯機
森ゆけば風もないのに木の葉散るこれはなにかの前兆なるやか
あれを見よ病んだ狂犬が病んだ子犬を馬鹿にするなり
自らを天才と言いさて問題「頭が良くて天才だ」と自分から言う男はだあれ?
黒板にかつおぶしをかつぶし卵を玉子と書く君が好きだ
「ブラビーダ、非武装中立こそ最大の武器」とコスタリカ人語る
戦地から戻れた人は言うべきだった自分がした事された事ども
昔から「無用の用」ちゅうもんがありまして障害者がそれとちゃいます?
4枚が別々に動く翅をもつトンボに劣るオスプレイ
牛タンを生まれてはじめて食べました健ちゃんが試してみなよというもんで
よりによって舌まで喰われてしまうとはげに牛こそは可哀想な動物
幼稚園で僕だけスキップできなかった人生の最初のつまずき
アルルなる黄色い部屋に盤踞するシングルベッドの独白を聞け
描けども描けども買い手現れずフィンセント斃れテオも斃れる
わが捨てしプラを喰らいし魚をば何の因果かまたわれが喰う
団栗をぶすぶす踏みて歩みゆく
頭上げ翅を伏せたりアカタテハ
知恵遅れ発達障害自閉症いろいろレッテル貼られし息子
愚かなりああ愚かなり愚かなりわが帝国の愚かなる臣民
ダル田中日本選手みな絶頂を過ぎての後に大リーグへ行く
ダイソン式はダイソンよりも吸引力弱しやはり分家は本家に敵わぬないのか
オデットは白いパンツをオディールは黒いパンツを穿いて踊れり
自分では開けられなくなった母君の瞼を開きて見つめる息子
我を見てワンワンキャンキャン鳴く犬を飼い主もろともぶち殺したくなる
選挙中も選挙の後も政党のポスターはいたるところに貼ってある
立憲の早稲田は自民山本を10票の差で破りたり 
わが家にて投じた3票が早稲田の勝利に直結す
東京ドーム10杯分とかよく言うが東京ドームなんて見たこともない
わたくしが嘘をついている訳でもないのにホント?ホント?と相槌打つ人

  歌という漢字を見れば何事か欠けるをもちて歌というらし 蝶人


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ズビズバー パパパヤー

2019-01-28 14:04:40 | Weblog


音楽千夜一夜第424回&これでも詩かよ第252回




カツオ「ねえねえ、NHKってまた偽ニュース流したんだって?」

のび太「へええ、ほんとかなあ。誰が言ってるの?」

しずかちゃん「トランプさんよ」

くまモン「でもあのひと、偽大統領なんだよ。知らなかった?」

シャイアン「へえー、そうなんだ」

トト子ちゃん「安倍さんも偽総理大臣なのよ」

おそ松「へえー、そうなんだ。知らなかったなあ」

ワカメ「ISって、偽イスラム国のことでしょ?」

サザエさん「そうよ。満洲国も偽満洲国なのよ」

イクラ「バブー」

イヤミ「ところで、あんた、誰?」

チコちゃん「あらま、わたしのことを知らないの。ボーっと生きてんじゃないよ」

ガチャピン&ムック「こいつ、偽チコちゃんさ」

チコちゃん「平成が終わったら、あんたらは死ぬといい。あんたらの死は近いぞ」

伴淳「アジャパー!」

アチャコ「滅茶苦茶でごじゃりまするがな」

黒柳徹子「チコちゃん、あーた、そんなひどいこと言うと、死んでも『徹子の部屋』で追悼してあげないわよ」

左ト伝「ズビズバー、パパパヤー、やめてケーレ、ゲバゲバ」*


 *『老人と子供のポルカ』     
 https://www.youtube.com/watch?v=LZZk0tP49H8
 作詞作曲/早川博二 歌/左ト伝とひまわりキティーズ




 ヒト科ゆえチンパンジーを「匹」でなく「ひとり」と数える松沢教授 蝶人


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半蔵門国立劇場で「通し狂言姫路城音菊礎石」を見物する 

2019-01-27 11:11:03 | Weblog


蝶人物見遊山記第302回



並木五瓶の若書き「袖簿播州廻」に基づく姫路城を舞台にしたお家騒動を国立劇場が改編した新春恒例のスペクタクルを高みから見物してきました。

久しぶりに尾上菊五郎が登場、正義の味方のご家老役、実は姫路城の元の城主赤松則宗の子という主役を張りますが、やはりこの人の存在感は当代随一。さすがの人気者の菊之助もかすみますが、子役(寺嶋和史、眞秀)が出てくると、その2人を差し置いて場内が沸きに沸く。まあ笑っていいともという心境になってしまいますなあ。

大詰めではいよいよ敵味方が最後の決戦か、というところで、本日はおめでたい日なんだから、戦いは今度日を改めて、というてお正月を言祝いで幕が下りますが、いつもながらこの終わり方がいいですなあ。世界の紛争や戦乱もこのような形で矛を収めることになればいいなあ、と思わずにはいられません。

このとき毎回恒例の手拭撒きが行われるのですが、私の定席の3階席は遙か遠いので、今年も手にすることことができなかったのが心残りでありました。

それから五瓶の「袖簿播州廻」は、以前この劇場で公演されたこともあるので、次回はぜひ原作通りの通しでお願いしたいと思います。




  左手の致命傷から立ち直り準優勝したペトラ・クビトバ 蝶人
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ウラジミール・ナボコフ著「ルージン・ディフェンス 密偵」を読んで

2019-01-26 10:33:36 | Weblog


照る日曇る日 第1193回



本巻におさめられたのは「ルージン・ディフェンス」と「密偵」の2作ですが、前者はチェスの名人の多難な足跡を描いて秀逸です。

著者自身による「あとがき」を読むと、チェスについて造詣の深い著者は、この小説にゲームの特性や定理を取り込んだ手法をちりばめたそうですが、んなこたあまんずどうでもよろし。

チェス以外には、才覚も、社会性も、生きるすべもなき、脳たりんのお人好しのボンクラが、一人の女性に深く愛され、そして死んでいくまでの純真な道行が、読む者の心を揺り動かします。

その感動に比べたら後者の面白さは、ほとんど題名だけというてもよろしいでしょう。



     神戸牛で年寄りを釣るオリックス生命 蝶人


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新潮日本古典集成新装版・山下宏明校注「太平記四」を読んで 

2019-01-25 21:51:19 | Weblog


照る日曇る日 第1193回


本巻でも南北朝を支える武士たちの消耗戦が果てしなく続く。

前半では尊氏直義側が優勢で、高師直、師泰兄弟の攻撃を受けた楠正成の子、正行、正時兄弟は四条畷の合戦で弓の名人須々木四郎に全身を射られて哀れ刺し違えて自刃。勝ちに乗じた師泰は吉野朝の館を焼き払う。

しかし尊氏兄弟と高兄弟の軋轢は増大し、追い詰められた直義はなんと吉野朝に降服。安倍蚤糞とトランプを二乗したような高漫独裁政治を独断専行していた高師直、師泰兄弟が殺害され、一時は南北の形勢が逆転するかのような様相を呈するが、相対的には尊氏&北朝優位のうちに政治的社会的混迷の世が続いていくのである。

太平とは裏腹のそんな大戦乱の渦中にあって、本巻の作者は、頻繁に中国の故事来歴などを韜晦するがごとくに引用しながら、南北左右双方に距離を置いて、さながら定家張の紅旗征戎非吾事流の醒めた視線で歴史的戦争の推移を記録していくんであるんである。


   平成皇族トランププーチン安倍蚤糞非吾事 蝶人
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冬を歩けば~鶴岡八幡宮ぼたん園、伝北条時房邸跡、鏑木清方記念美術館「佳人をゑがく」展、鎌倉歴史文化交流館「災害と復興」展などなど

2019-01-24 13:33:33 | Weblog


蝶人物見遊山記第301回&鎌倉ちょっと不思議な物語第408回


穏やかな快晴の日、連れ合いと連れ立って冬の半日を歩きました。まずは八幡様の源氏池の周りに咲いているぼたんの見物です。画眉鳥と同様、牡丹はどうも中国の過剰さが鼻につく植物であまり好きではないのですが、たまたま無料の券があったので、散歩がてらに見物しました。花そのものよりも花を風と寒さから防ぐための白川郷の合掌造りのような藁囲いに目が行きました。

若宮大路を右折するところは連日観光客で大混雑するのですが、今日はまだ早いのですいすい歩けます。小町通りの入口では今月いっぱい伝北条時房邸跡の発掘が行われていて、大量の土が積みあがっています。鎌倉では近年の開発で市内の到る所で発掘調査が行われていますが、若宮大路の東側では2米も掘ればすぐに鎌倉時代の地層にぶち当たるのに、ここ西側では震災後の盛り土があるので、7米以上掘らなければ到達しないそうです。

私は子供の頃から考古学に興味があったので、リーマンをリストラされた直後に遺跡掘掘業に従事したいと先輩を訪ねたのですが、「あんた、何考えてんの!この仕事は土方ですよ、体力勝負の土方!」とチコちゃんに説教され、虚弱体質の私は諦めてフリーライターに転身したのですが、今でも発掘現場を見ると血が騒ぐのです。

ここ「伝北条時房邸跡」には子供用の下駄が出土していましたが、丹波の下駄屋の三代目たる私は恐らく時房の家人か使用人の子供が履いたであろう小さな可愛い下駄をいとしく眺めたことでした。

お馴染みの「鏑木清方記念美術館」ではいつ行っても同じような作品を飽きもせず展示していますが、2月24日までの「佳人をゑがく」展では、カルメンや北朝鮮から来日した女優の美人画などを展示していて目新しいところをみせていました。

げんざい「災害と復興」展(来る5月18日まで)を開催中の「鎌倉歴史文化交流館」は、銭洗い弁天の近所にありますが、地元民もましてや観光客も殆ど訪れない空虚なたてものです。鎌倉時代の無量寺跡にノーマン・フォスターが設計した洋館を、ユネスコ世界遺産獲得運動に狂奔する鎌倉市が、莫大な税金を投じて転用しているなくもがなの施設です。

「災害と復興」展ではさきほど紹介した膨大な埋蔵文化財コレクションの中から、中世の火事、地震の痕跡を探り当て、その証拠写真や破壊された瓦等の現物が陳列されていますが、そんな遠い時代の胡乱な物件よりも関東大震災で全滅した数々の寺社仏閣の記録写真のほうが生々しい。その教訓から公共施設では対宸工事を急いでいますが、何の備えもない我が家などは、まもなく鎌倉を襲うであろう次期大震災では全滅の憂き目に遭うことでしょうが、それもまた700年前と変わることなき運命の悪戯ということやろねえ。

   扇ガ谷の無量寺跡の崖下に見る人もなく白梅咲きおり 蝶人
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西暦2018年蝶人花鳥風月狂歌三昧 在庫処分その3

2019-01-23 14:54:59 | Weblog


ある晴れた日に 第545回



「膵臓脾臓、胆管胆嚢、十二指腸、五つの臓器を取りし安藤忠雄

ああ確かに世の中はこのようなものと得心させる奥村晃作「ただごと」の歌

世界中の指導者の大半がジコチュウの気違いばかり

右奥歯の歯茎の下が膿なので穴をあけて掃除するとか

健君のバースデイケーキの蝋燭を自分で吹き消そうとする佐々木耕君

薬品を薬品が入ったチュウブから取り出す時はお薬の蓋の裏の突起を使って

どこを撮っても空が広く映ります地方に住む人の風景写真は

道端に「大抜擢」という焼酎酒瓶が捨ててある買うのも飲むのも勇気がいりそう

今は亡き有名人と会うために今日もお昼に「徹子の部屋」みる

なにゆえにいつも断言できるのか「私絶対失敗しないので」

5年間さんざん悪さをした男このたびは平和憲法を殺そうとする

ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」最終幕歌いに歌いしカルロス・クライバー

雑草という名前の草は世にあらずすべての草に名前あるなり

ひさかたの光のどけき春の日に魑魅魍魎が蠢く政界

夏のツバメはじゅじゅうと鳴くあやしゅうこそものぐるほしげに

テレビでは誰もが「ウマイ!」と叫んでる「マズイ」と言えない訳でもあるのか

嘉風も勢も負けましたあとはどうでいい大相撲初場所

お日柄もよく全国的に晴天でみな元気なれど政治だけが悪いなり

「完全かつ最終的に解決する」そんなことなど誰にも出来ない

苦虫を噛み潰したような顔である車体番号8888の男 

我らには見えぬ金銀銅のメダル胸に4年間の精進

めくるたびジョーカーだけが出てくるの世にも不思議なトランプのトランプ



 その昔七冠独占の羽生選手いまはただ裸一貫となる 蝶人

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西暦2018年蝶人花鳥風月狂歌三昧 在庫処分その2 

2019-01-22 13:28:17 | Weblog


ある晴れた日に 第544回



くやしそうでもうれしそう藤井六段に敗れた師匠
掌に栗の実3個を握りしめ神無き月を歩み尽せり
打ち上げの花火の100年の歴史を伝えて早大前三朝庵昨日
指一本で世界中の人々を一喜一憂させる快楽
身も蓋もなきわたくしが歌う身も蓋もなき歌
10本の木に促されて10通りの新しい生き方を提案す
4Kとか8Kだのが始まった新たなテレビを買えとごとくに
楽しみは11時に大船の「とんでん」に行く日曜日
行き合えばバウバウバウと吠える犬私に恨みがあるのだろうか
朝夕に行きかうあまたの犬の中必ずおいらに吠える犬あり
おーいお茶の缶の蓋のバイ菌気にせずぐいぐいと飲む
ノンアルのビールの蓋のバイ菌を少し気にしてグイグイと呑む
もしかしてバイ菌が付いているのでは そう思いつつ切手を舐める

夏来れば腋の下の毛を見せよ
太陽に腋窩唇からナイフ 
口臭の強き女の接吻長し
真夜中にミンミン鳴くので眠れない
人世は読み書きそろばん絵空事
喜びもはた悲しみもニルアドミラリ
風強き日には胡蝶も翅休め
健在を新作で知る秋の朝哉
生き恥を晒して生きん七十四
万感を4文字に込める年賀状
改元より廃元の声列島に聞こえず
圧力をまだ掛けていいか問い合わせ

その夕べ2万枚のCD腐り果て大聖堂の空に鳴る音楽
「9時半に出れば充分間に合うよ。栄プールは10時に開くから」
SNSの有名人の友達にしてもらうオラッチは小有名人になったのココロ
労働者のやる気を殺いではいけないと所得を少なめに公表したゴーンさんの優しい心
ゴーン、ゴーン、ゴーン、カネが命のゴーンさん カネと共に去りぬ

 黒柳徹子が死んでも「徹子の部屋」で自らを悼むだろう黒柳徹子 蝶人

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西暦2018年蝶人花鳥風月狂歌三昧 在庫処分その1

2019-01-21 14:24:49 | Weblog


ある晴れた日に 第543回

スジャータのテレビコマーシャルを朗々と歌い上げしは藤山一郎

げに懐かしきは「音羽ゆりかご会」川田正子よ「みかんの花咲く丘」を歌え

横浜駅のスピーカーから流れる鳥の声雑音となり耳に痛し

なにゆえに横浜駅でキビタキが鳴く「見えない人よ、ここから階段!」

受付が1か所所しかないロッカーは最新式だがいたって不便だ

精神を鑑定せずに指導者になれる! 日米万歳自由の国よ!

首領様に迷惑を掛けるのはけしからんシリアなんぞに行くなと罵る男

何一つ変哲もなきバスなれど3日も乗れば愛着も湧く

みるはじから忘れ去りゆく映画たちサヨナラサヨナラさようなら

読むはじまら忘れ去りゆく小説よサヨナラサヨナラさようなら

AIが4時39分に電話したミエコさんが「ハイ」と答えて切れました

妹がステージ4のガンなのにプールで泳ぐ兄のわたくし

ブルックナーはどんな版でも構わないいちばん長いのでやっとくれ

日本と日本人が急速に瓦解しつつありガラガラガラッポン

とりあえず謝ってしまえばなんとかなる世の中なんてそんなもんさ

世の中で信じられるものはどこにある神も仏も信じられぬ我

全艦が軍事演習に駆けつけて横須賀基地はがらんどうなり

黒髪と茶髪を足して二で割った若い頭が目の前に四つ

君知るや白井貴子作詞作曲横浜市倉田小学校校歌
 https://www.youtube.com/watch?v=3y7sCE4yJEM


文語体は階級区別がないけれど口語体にはですますだの区別が必要になる 蝶人


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ドナルド・キーン著作集第15巻「正岡子規 石川啄木」を読んで 

2019-01-20 14:32:15 | Weblog


照る日曇る日 第1192回


ともかくキーン翁の伝記シリーズは読み応えがあって退屈なはずの明治天皇の2巻だってクイクイと読ませてくれました。この2作はいずれも以前に読んで感銘を受けた本ですが、全集に採録されたので再読してみました。

子規と啄木の共通点は、2人がいずれも結核で夭折した文学者であることと、小説家を目指して挫折した思いを短詩敬文学に振り向けて後世に大をなしたこと、にあると思いますが、それほど時代がずれていないにもかかわらず、著者が指摘するように、子規は「近代」に、啄木は「現代」に軸足が置かれていたような気がします。

啄木は、その短すぎた晩年に、大逆事件を経てアナーキズムと社会主義に傾斜しましたが、、もし子規が健康で、本来の志望であった政治家になったとすれば、ともどもに左傾して手を携え、日本政治史の流れを大きく変えていたかもしれません(その代わりにわが文芸史もそのあおりを蒙ったことでしょうが)ね。

それにしても上司に恵まれ、朝日歌壇の選者に抜擢されて経済的にも安定し、机に向かえばたちどころに短歌が迸り、苦手の小説すら連載、単行本化が相次いでいた文学界の若き旗手に、妻の不倫騒動とかの死病なかりせば、どのような珠玉の作物が後世に遺されたかと、長嘆息せずにはいられません。


 全国民をハラハラドキドキさせるためキセノサトは土俵に上がった 蝶人

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高良留美子著「高良留美子詩集」を読んで 

2019-01-19 14:35:25 | Weblog


照る日曇る日 第1191回



高良留美子というのは、むかし綾部の波多野書店で、いちど見かけたことのある印象的な名前の詩人だった。

けれどもそれ以来、一度も読んだことはなかったので、半世紀ぶりに読んでみたら、とても良かった。

この人は、いつでも心の中に言いたいことがちゃんとあって、そのことを平易な言葉で素直に書いていて、読んでいても、読んだ後も、すがすがしい。啄木の「詩人は一にも二にも三にも「人」でなければならない」という言葉を思い出す。

さいきん詩の朗読会がはやっていて、(私はああいう恥ずかしいことは死んでもしたくないが)、たまにライブ映像なんかを恐る恐る視聴してみると、字で読んでもよく分からないような内容の、それもかなりつまらない詩文を、役者でもないのにカッコつけて独白しているので、けたくそ悪くて耳目をそむけてしまったが、高良さんのこういう柿本人麿みたいな詩なら、いくら長くても、私も抵抗なく聞けそうだ。

少しく長いが、そして著作権の侵害になりそうだが、「戦争の死者」という作品を朗読してみよう。

 戦争の死者を 国家で祀るという
 靖国神社を 国家で祀るとかれらはいう
 いったいなにを祀るというのだろう
 死者たちは そこにはいないのに
 そこでは空の木箱だけが からからと
 冬の風に吹かれて
 鳴っているだけなのに
 死者たちが戻ってきているのは
 ふるさとの 峠や川のほとり
 家々の戸口や 路地や 街角の
 かれらを想う人びとの近くなのだ
 国家は かれらのために
 帰りの船も ガソリンも
 支給しなかったのだから
 国家は かれらを
 泥と血と 南の海の果てに
 棄てたのだから 

新春早々、声に出して気持のよい詩に出会ったなあ。

   東京で殺したはずのふるさとの言葉を拾い口にしている 蝶人

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ロストロポーヴィッチ指揮ロンドン・フィルの「チャイコフスキー交響曲全集他」を聴いて 

2019-01-18 20:38:34 | Weblog


音楽千夜一夜 第423回



これは旧EMI現ワーナーからぬあんと6枚組990円で叩き売られていたCDです。

残念ながら私はロストロ選手のチェロはあんまり好きクないのだが、彼の指揮したロシア物、たとえばショスタコ交響曲全集などは意外と良かったので、ダメモトで聴いてみたら、なかなか良かったので驚きました。

4番、5番、6番の交響曲の定番はもちろん、マンフレッド交響曲なども熱情的な演奏を繰り広げていて、ムラビンスキーには及ばないものの、アバドの全集に優に匹敵する出来栄えではないでしょうか。

誰が演奏しても駄作が顕わになってしまう序曲1812年もそれほど下品ではないところをみると、ロストロ選手の指揮は余技どころか本職のチェロを上回るほどの実力だったのではないでしょうか。

その証拠に全曲中いちばん詰まらないのが小澤指揮ボストン響の伴奏で録れた「ロココの主題による変奏曲」でしたあ。



 ふきのとう舎のボーナスは368円耕君今年も頑張ったね 蝶人
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大江健三郎著「大江健三郎全小説2」を読んで 

2019-01-17 15:10:37 | Weblog


照る日曇る日 第1190回



本巻に収められたのは、「ここより他の場所」、「共同生活」、「上機嫌」「報復する青年」「勇敢な兵士の弟」「後退青年研究所」「孤独な青年の休暇」「下降生活者」「遅れてきた青年」の9作品である。

これらはいずれも1959年から62年までに相次いで発表されたが、最後に置かれた「遅れてきた青年」こそが、それら初期小説群を代表する著者の代表的な傑作といえるだろう。

「ここより他の場所」では、愛人とホテルに入ろうとした主人公に、奇妙な老人が「新たな出発」を示唆するが、彼は旅立たない。1

「共同生活」はカフカを思わせるシュールな味わいの短編で、猿と共生する、していると信じている青年の物語。2

「上機嫌」は、愛人の映画女優が突如若い素っ頓狂なオートバイの若者と心中してしまい、途方に暮れるお噺。1

「報復する青年」は、大学で不法監禁され屈辱的な拷問をされた青年の噺で、このテーマは他の作品でも頻出する。大江は学生時代に実際にそういう体験があったのではないだろうか。1

「勇敢な兵士の弟」は、童貞のまま特攻で死んだ兄への罪障感ゆえに性的不能に陥った青年の物語。1

「後退青年研究所」は、学生運動で挫折した「後退青年」をインタビューする奇妙なアメリカ人の噺。1

「孤独な青年の休暇」は、下宿の賄い人の娘を妊娠させ、階級的上昇を断ち切られた商社員の噺である。25歳の誕生日の夜に男色家の浮浪者から刺殺されたと誤報された主人公は、それを好機に関西へ逃亡し、右翼の青年行動隊長に先導されて左翼の政治家を暗殺しようとするが、夢見た「自由」はついに訪れない。4

「下降生活者」は、大学の研究者として上昇過程にあった主人公が男色の道に踏み入れ、すべてを捨てて下降していく。1

「遅れてきた青年」は、著者のそれまでの全作品の総決算である。
第一部では、1945年夏の地方を舞台に、山奥の少年時代の大自然との共鳴、朝鮮人の親友との交情、同士の対決と軋轢、米軍との最終決戦をもくろんだ天皇愛少年の挫折を描く。

第二部では、1950年代の東京が舞台となる。教護院での苦闘を経て東大に進学した主人公は、恋人育子を通じてその父親の保守政治家沢田豊比古の庇護を受けるようになる。

学内で左翼グループに接近した主人公は、沢田との関係が元で監禁・拷問され浮浪者に強姦されるが、沢田は主人公の報復心を逆手に取って国会の文教委員会で追及し、左翼全体を制圧しようとする。

物語の終幕では、そんな沢田の陰謀に気付いた主人公が沢田を破滅させ、かの少年時代と同様にもう一度全世界にノーを言おうとするが、その大それた野望を果たすことなく、哀しく自閉してゆくのである。



  平成とは「痩せたソクラテス」後を絶ち「太りし豚」のみ栄えゆく日々 蝶人

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