闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2227~36
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1)パブロ・ベルヘル監督の「ブランカニエベス」
スペインの闘牛と「白雪姫」と「カルメン」と小人サーカスを足して4で割った2002年製作の白黒映画。継母役の女優の顔が大嫌いずら。
2)ジョン・フォード監督の「コレヒドール戦線」
ジョン・ウエインが配属された米軍魚雷艇の活躍を第2次大戦のフィリピン、南大洋戦戦の日米軍の死闘を背景に描くが、かなり冗長。んでもって、かの大将軍が魚雷艇に乗り込んできて「ウイシャルリターン!」でやっと終わるのである。
3)ヴァンサン・ペレーズ監督の「ヒトラーへの285枚の葉書」
ナチ政権下のベルリンで息子が戦死した機械工が反ヒトラーのメッセージを書き込んだ葉書を市内各所に置いたレジスタンスとその死を描く。言論の自由がいかに大切なものであるか。
4)マーヴィン・ルロイ監督の「心の旅路」
記憶を喪失した軍人が一人の女性によって愛と記憶を取り戻までをサスペンスタッチで描く。
ジェームズ・ヒルトンの原作を1942年に映画化。グリア・ガースンは美人だなあ。
5)ユーリ・ノルシュテイン監督の「ユーリ・ノルシュテイン傑作選」
現代ロシアのアニメーションの巨匠。「あおさぎと鶴」は圧巻。ハリウッドや国産の阿呆莫迦アニメを喜んでいる連中に見せてやりたし。
6)クエイ兄弟「ブラザース・クエイ短編集Ⅰ、Ⅱ」
1947年生まれのクエイ兄弟による驚異のストップ・モーション・アニメーションの名作の数々。「ギルガメッシュ叙事詩を大幅に偽装して縮小した、フナー・ラウスの局長のちょっとした歌、またはこの名付け難い小さなほうき」などどこかチエコの人形劇の影響を感じるが、この双子はアメリカ生まれなのである。
7)アンリ・コルピ監督の「かくも長き不在」
ラストで名前を呼ばれた主人公がホールドアップするところでザワザワする。昔郷里の実家の前にブラジルから図南丸で帰国したナガイさんという家があったが、この映画をみるたびに脳を手術した御主人のことを思い出す。昔は脳のことなんか碌に分かりもしないくせに安直に手術して失敗していたようだ。
8)マウロ・ボロニーニ監督の「わが青春のフローレンス」
我が国ではとっくに崩壊したが、この時代はレンガ工による由緒正しい労働運動が行われて資本家に対抗していたんだね。
9)ペドラ・アルモドバル「抱擁のかけら」
盲目の元映画監督が主人公なのだが、映画というより、とても読み応えのある大河小説を読んだような気になる素晴らしい映画。かつてトリュフォーがこういう物語をもっと早口で語っていたことを思い出した。凡庸なペネロペ・クルスを見事に使いこなすとはさすがペドラ・アルモドバルだ。
10)ジョン・スタージェス監督の「ガンヒルの決斗」
最後はカーク・ダグラスとアンソニー・クインの決闘でキメルスタージェスだが、別にど.ってことはない。なおカーク・ダグラスは今年2020年の2月5日になんと103歳で没したそうだ。
両腕で指揮をしながら独唱しバス停へ急ぐいつもの少女 蝶人