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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

「過剰病床」で治療 命救う ドイツの死者、欧州他国の4分の1

2020-05-06 13:32:36 | 医療・福祉・介護問題について
「過剰病床」で治療 命救う ドイツの死者、欧州他国の4分の1
ICUはイタリア・フランスの2~3倍

【ベルリン=時事】ドイツが他の欧州諸国と比べ、新型コロナウイルス感染による死者数を大幅に抑えることができたのはなぜなのか。初期に検査規模を大幅に拡大したこと以外に、一役買ったのが、平時には批判の的となってきた「過剰病床」でした。
ドイツの死者数は、イタリア、英国、スペインやフランスに比べ、4分の1程度に収まっています。



新型コロナの各国の感染者数、死者数、回復者数、検査数の一覧。

新型ウイルスは、感染者が爆発的に増加すると、医療崩壊が起き、病床や人工呼吸器が不足し、死者数が急増する傾向が強くあります。イタリアでは緊縮財政で病院数が削減されてきたところに流行が重なり、死者数が膨れ上がりました。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は3月、「先進国の医療は需要をぎりぎり満たす水準で効率的に運営されている」と指摘。このため事態急変への対応が難しいとの見方を示しました。
一方、ドイツは、集中治療室(ICU)病床数が新型ウイルス拡大前に、約2万8000床もありました。人口当たりではイタリアやフランスの2~3倍に当たります。
ドイツでは過剰な医療供給は、長年問題視されていました。世論に影響力のあるベルテルスマン財団は昨年、「(質が確保されない)小規模病院が多過ぎる」と、全国で病院数を半分以上削減する提言を発表しました。



ドイツ西部アーヘンの大学病院の集中治療室(ICU)=4月15日(AFP時事)

しかし、新型ウイルスの拡大で状況が一転。シュパーン保健相は、常にICU病床の半数を新型ウイルス感染者のために空けておくよう病院に勧告しました。こうして重症患者を適時に治療できる態勢を整え、多くの命を救えました。
ドイツ医師会のモントゴメリー会長は「病床数の多さが、ドイツの新型ウイルス抑制の大きな要因だ」と評価しました。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年5月6日付掲載


ドイツの死者数は6,993人。スペインの25,613人、イタリアの29,315人、イギリスの29,427人、フランスの25,531人と比べると、4分の1。2020年5月6日集計。
感染者数に比べて死者数がぐっと少ない。ICUの確保など、重症者を適時に治療できる態勢。多くの命を救えたとの事です。
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介護 STOP破壊① 現場から(下) 増える自己負担 利用の抑制ますます

2019-11-30 09:26:56 | 医療・福祉・介護問題について
介護 STOP破壊① 現場から(下) 増える自己負担 利用の抑制ますます
ケアマネジャーの藤井裕子さん(46)は「利用者に対して、自分の価値観でなく相手本位の接し方をしないといけない。それがボランティアにできるかは疑問」と話します。盗難や器物損壊が起こった際、責任ある対応が取れるかも問われます。
「何よりボランティアを担う人がいない」と藤井さん。ボランティアに携わるには生活や収入に余裕が必要です。定年後も暮らしを支えるために働いている人は多く、「人が集まらないという地元の声も聞く」といいます。
安倍政権はケアプランの有料化や、利用料2割・3割負担対象者の拡大など国民の負担増を狙っています。



ケアマネジャーの藤井さんと話す附木すみゑさん(左)=千葉県船橋市

年金で足りず
糖尿病やリウマチなどの持病を持ち、要介護2の認定を受けている附木(つけぎ)すみゑさん(83)=千葉県=。足に痛みがあり、室内でも杖(つえ)を使い歩行しています。
1人暮らしの附木さん宅には、生活支援として隔週1回、ヘルパーが掃除をしています。「足が痛くて、立っていられない。転んだら危なくて」と話します。
「窓やカーテンも掃除できずに真っ黒」という附木さん。ヘルパーに依頼することもできますが、保険適用外のため依頼はしていません。「1回いくらってかかっちゃう。年金じゃ足りないものね」
90代の親を70代の子が介護する場合、自身も年金生活者のケースが多くあります。藤井さんは「親にお金を使ってあげたくても、貯金を使い切ってしまうのではという不安から、利用を制限する人はいます」と話します。
安倍政権は2015年に、一定収入以上の人に利用料2割負担を、18年に3割負担を導入。そして、来年の通常国会で2割、3割負担の対象者拡大を狙っています。
週1回のデイサービスだけでも利用料は、1割負担だと1回1500円ほど(食事代含む)ですが、3割負担では1回3300円(食事代含む)に上ります。月4回利用すれば、月額は1万3200円です。ケアプランが有料化されれば、さらに4回の作成につき1400円ほどの負担がのしかかります。
「2割、3割負担の人になると、どうしても利用を控える傾向は強くなります」(藤井さん)

未納者に罰則
介護保険料未納者に対する厳しい罰則規定も問題です。
千葉県船橋市にある八木が谷在宅介護支援センターの泉水玲子センター長は81歳の女性のケースを話します。
女性は認知症を患い、息子と同居。「同じ話を何度も繰り返すなど、家族の介護負担が重く、家庭環境が険悪な雰囲気になり、支援に入りました」
泉水さんはデイサービスの利用を勧めたいと考えましたが、本人は無年金者。介護保険料や国民健康保険料を2年以上滞納していました。介護保険は2年以上滞納があれば、利用料が3割負担になってしまいます。
「世帯収入は息子さんの月20万円ほど」と泉水さん。「無年金で保険料を払えなかった人が、1回3000円前後の利用料を払えるはずがありません」
厚生労働省が9月に発表した17年の介護保険の滞納処分者は全国で1万5998人。過去最多に上ります。
日本共産党は罰則規定の見直しを国会で追及しています。
(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年11月28日付掲載


今でも介護度がアップして、利用回数が増えると負担が増えるのに、1割負担を2割3割にアップするって。
高齢者から必要な介護を取り上げる無慈悲な行為。
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介護 STOP破壊① 現場から(上) 要介護1の支援 生活維持支えるプロ

2019-11-29 11:43:35 | 医療・福祉・介護問題について
介護 STOP破壊① 現場から(上) 要介護1の支援 生活維持支えるプロ
来年の介護保険改定に向け、安倍政権は議論をすすめています。そのなかみは、負担増・給付減など利用者や家族の暮らしを“破壊”させるもののオンパレード。利用者・家族の生活はどうなるのか。現場を見ました。
(和田育美)

「ヘルパーさんは本当にいろいろやってくれた」。そう感謝を口にする女性(94)は、千葉県船橋市で1人暮らしをしています。要介護1の認定を受け、週3回、ヘルパーが来ています。
総菜などの簡単な買い物や入浴は自分で行います。女性が自分でできる範囲を尊重しつつ、体の負担の大きい日常の調理や、水の購入、トイレ・お風呂の掃除、布団を干す、冬物のカーペットを出すなどの家事は生活援助としてヘルパーが行います。1割負担で利用しており、月の負担額は6000円前後です。
今まで認知症の症状はなかったのですが、ここ2~3カ月で「お金が無くなった」「貸金庫のカギがない」と訴えることが多くなりました。




家族の責任に
女性は「毎日どう生活しようかと思っている自分を助けてもらえた。長生きができるし、家族にも迷惑をかけずに生活できるのは介護保険のおかげ。減らしたら日本が泣く」と話します。
「この年まで母が1人で生活してこれたのはヘルパーが支えてくれたから。介護保険ができたときは、すごく画期的だと思ったのに」。東京都内に住む、女性の長女(63)はこう話し、肩を落とします。
“介護の社会化”を掲げて始まった同制度を“家族の責任”に変質させようとする安倍政権に怒りをぶつけます。「消費税だって上がって、介護保険料だってずっと払ってきた。時代に逆行しているよう。いいかげんにしてほしい」
安倍政権は要介護1、2の生活援助の介護給付外しを狙っています。実施されるとヘルパー以外に、研修を受けた無資格者や、ボランティアでも生活援助を行えるようになります。
調理や掃除を行う生活援助といっても、家事をこなすだけではありません。専門職として認知症の人とのかかわりが多いヘルパーは、援助に入った家の様子や利用者の言動から認知症の症状に気づき、早期の対応につながるケースがあります。また、利用者との接し方にも専門的技能が必要です。

声かけが上手
ケアマネジャーの米山留美子さん(52)は、「プロのヘルパーさんは声かけが上手」と言います。要介護1、2で認知症を患う利用者が「お金がない」と訴えた際、「共感して安心できる声かけをしないといけない」と話します。
日常生活が以前のようにできなくなった高齢者の気持ちを理解しないまま接すると、興奮して強い口調になり会話にならなくなることがあります。当事者に嫌な印象が残ると、次に援助に入ろうとしたとき、介入が難しくなります。「知識がない人だと逆効果になってしまう」と米山さんは話します。
同市にある八木ケ谷在宅介護支援センターの泉水玲子センター長は「介護度の軽い人というのは介護状態になる予備軍」と指摘します。
手厚い援助があれば介護予防状態が長く維持できる一方、支援を受けられなくなれば、自立した生活維持が困.難になり、できないことが増え、様態悪化は目に見えるといいます。「給付外しを“制度を維持するため”と政府はいいますけど、このままでは国民一人ひとりの健康で文化的な生活がままならなくなる。現場からはすごくそう感じます」
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年11月27日付掲載


要介護1。買い物や掃除などの生活の支援。「単純作業だから、ヘルパーの資格がなくっても、無資格者やボランティアでもできるんじゃないか」。
違うんです。専門職のヘルパーは、家の様子や言動から認知症などの早期発見、治療につなげることができるんです。
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予防の虚像 健康は自己責任か④ 「ヘルパーはもう来ません」

2019-05-12 09:06:57 | 医療・福祉・介護問題について
予防の虚像 健康は自己責任か④ 「ヘルパーはもう来ません」
「『卒業』という言葉がヘルパーさんが打ち切られることだとは、私も母も全く理解していなかったんです。昨年末にヘルパーさんとケアマネジャーさん、地域包括支援センターの方が来られて、そこであと1カ月でおしまいだと言われて初めて分かったんです」
東京都大田区の菅谷郁恵区議(日本共産党)とともに山下令子さん(83、仮名)を訪ねると、出迎えた娘の昭子さん(61、同)がそう語りだしました。
令子さんが初めて介護認定を受けたのは2014年。判定は最も軽い要支援1でした。このときはまだ1人でバスに乗ることも、なんとか歩いて買い物に行くこともできました。
しかしいま、令子さんは一度寝転がらないと立ち上がることができず、どこかにつかまらないと移動もできません。夫が亡くなって以降、アパートに1人暮らしです。
「お台所にお水のペットポトル1本取りに行くのも大変で、どうしようか考えてしまう。階段よりも手すりのない平らな地面を歩く方が怖い。アパートの外には行けません」(令子さん)
昭子さんが週に数回、車で40分ほどかけて様子を見に来ますが、16年から週1度、介護ヘルパーを頼むようになりました。
「1回45分なので十分ではないけど、私も勤めがあるので、ヘルパーさんが来る日は安心感がありました」(昭子さん)



菅谷大田区議と話す令子さん(手前)

突然の打ち切り
ところが17年末、ケアマネらが令子さんを訪ねてきて、「卒業」後のことをしきりに話題にしていきます。
実はこの時期、介護保険制度は要支援1~2を介護保険サービスから市区町村が実施する総合事業に移行させる仕上げの時期に入っていました。14年の介護保険法改定によって15~17年度は経過措置期間とされ、18年度に完全移行とされていたのです。
総合事業は予防が目的で、介護を受けている高齢者にリハビリで自立することを求めます。大田区の場合、原則1年で介護保険を「卒業」し、体操教室などに自力で参加できるようになることが目標とされていました。
ケアマネらの令子さん訪問は、そのことを伝えにきたものでしたが、令子さんも昭子さんも、総合事業のことも、「卒業」が何を意味するのかも分かりませんでした。
そして1年後、令子さんは一度もリハビリを受けることなく、再度のケアマネらの訪問でヘルパーの打ち切りを告げられました。
「何度かリハビリに誘われたけど、週3回の通院だけでも本当に大変。ためらっていたら全く連絡がこなくなった。ヘルパーを打ち切られてからは、介護事業所もケアマネも一度も来ていない。外を歩けないので体操教室などにはとても行けない」(令子さん)

家族にしわ寄せ
ところが安倍政権は、要支援に加え要介護1~2も介護保険から総合事業に移行させようとしています。自民党の有志議員でつくる「明るい社会保障改革研究会」(顧問・加藤勝信元厚労相)は4月10日、要介護認定率の変化に応じて自治体の交付金に差をつけるよう求める提言を発表。介護が必要な人を介護保険から「卒業」させる動きを強めています。
令子さんはいま「娘がいなかったら生きていかれない」と嘆きます。家族介護から社会的介護への転換をうたった介護保険制度が始まって約20年。「予防」の名のもと、家族介護の悲劇が再び現実の姿として現れようとしています。
(おわり)(この連載は北野ひろみ、佐久間亮が担当しました)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年5月10日付掲載


「卒業」って聞くと、良い意味に聞こえますね。
介護サービス、ヘルパーやデイケアのサービスが受けられなくなるって分かりませんよね。
介護認定にも問題があると思うし、行政によって上乗せサービスしているところもあるようで。
運動で充実を。
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予防の虚像 健康は自己責任か③ スーパー官僚の「処方箋」

2019-05-11 18:24:45 | 医療・福祉・介護問題について
予防の虚像 健康は自己責任か③ スーパー官僚の「処方箋」
「自業自得の透析患者なんて全額実費負担にせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!」
2016年9月19日、テレビの報道番組の司会を務めていた長谷川豊氏(現日本維新の会参院比例候補)は、自身のブログ(インターネット上の日記)を過激なタイトルで書きだしました。
ブログの内容は、人工透析患者の大半を「自業自得」と切り捨て、透析費用が社会保障制度をむしばんでいると主張するもの。強い批判を浴び、長谷川氏は出演していた全番組を降板しました。



江崎氏は著書『社会は変えられる』で、現在の社会保障制度を崖に転落する寸前の豪華客船と描きます

透析患者を攻撃
それから2年後、一人の経産官僚が1冊の本を出版します。『社会は変えられる』と題した著書でこの官僚は、不摂生が医療費を膨張させている、医療の目的を治療から予防へ移すべきだなどと持論を展開。「糖尿病―不摂生は得?」という見出しの後に、こう続けました。
「人工透析を受けている患者は申請すればそのほとんどが『身体障害者1級』に認定されるため、年間約600万円の人工透析費用だけでなく、他の医療費も無料になります。さらに、公共サービスなどで様々な優遇を受けることができるのです」
著者の名は江崎禎英氏。同氏は著書の発表後、批判を受けるどころか、経産官僚でありながら厚労省医政局統括調整官を拝命。内閣官房健康・医療戦略室次長も務めます。
『エコノミスト』2月19日号は、同氏を政府の予防医療・介護の旗振り役を務める「スーパー官僚」と紹介。著書の帯には「数々の不可能を可能にしてきた現役官僚が示す超高齢社会の『処方箋』」の言葉が躍ります。
江崎氏が攻撃の的にするのが、保険証1枚で医療を受けられる国民皆保険制度です。いつでも医療を受けられることが「人々の中で健康管理の優先順位を劣後させた」と批判。介護保険も「高齢者の『依存』体質を惹起(じゃっき)し、『自律』を大きく損ねた」といいます。
保険証があっても窓口負担が払えないため受診が遅れたり、介護保険から「卒業」させられた高齢者が症状を悪化させたりしている現実は、江崎氏の目には映りません。

後ろに業界の影
医療の目的を予防に転換した先に待つのは、民間保険です。
日経デジタルヘルス(18年9月26日付)の対談で江崎氏は「今後の民間保険では、保険に加入すれば、ただちに生活習慣病や認知症にかかりにくくするサービスが提供されるような商品が増えてくる」と強調します。著書では、民間保険とフィットネスクラブなどヘルスケア産業との連携も提唱。「こうした取り組みが進めば、公的保険はもっぱら事故や感染症など不可抗力のリスクに対応するという保険本来の役割に戻る」と踏み込みます。
公的保険の縮小と対をなす民間保険、ヘルスケア産業の拡大―。社会保障サービスの産業化を成長戦略と位置づける安倍政権が描く、予防政策の未来図です。
江崎氏を知る経産省OBは、同氏が「スーパー官僚」と持ち上げられていることに「特別目立つ人ではなかった」と首をかしげつつ、こう続けました。
「安倍政権の予防政策は金もうけの話。江崎氏の後ろにも保険業界や医療機器メーカー、ヘルスケア業界がいるのではないか」
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年5月8日付掲載


「社会は変えられる」って、いかにも良い方向に、国民の負担が減って健康になるかのようなマヤカシ。
費用の心配なく医療を受けられるのが本来の医療制度の在り方ですが、江崎氏は必要な医療を受けたければ、それだけの費用を負担せよとの事。
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