色弱が世界を変える④ 変わり始めた社会
10年ほど前、ある掲示板で「彼氏が色弱なので子どもをあきらめようと思います」という人がいた。私は「大丈夫、その子が大きくなるまでに社会を変えてあげるから!」といった趣旨の返事を書いて送信ボタンを押した。
2004年に科学者や色彩学者を中心としてNPO法人カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)が設立された。多様な人の色覚について配慮した社会を作るべく科学的に説明し、配色に関する分析や対策方法などを体系化した。
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CUDマーク(右下)のついた横浜市営地下鉄の運賃表(撮影・ソラノイロ)
学校用の色チョークや緑色のレーザーポインタなどのアドバイスから、コピー機やカーナビ、テレビのメーカー、大手の印刷会社、デザインソフトのアドビシステムズなどCUDOの動きに参画してきた。製品のメーカーは誰にでも安心して使ってほしい。情報の発信者は誰にでもよりわかってほしいと願うものである。男性の20人に1人いる色弱者に情報が伝わらなくても良いという話は聞かない。依頼されたデザイナーは腕の見せ所である。
自販機メーカーや信号機、鉄道会社からの相談など色を使う全ての業界はもちろんのこと、行政や公的機関からの相談や依頼は年々増加してきた。第三者検証機関としてのCUDOの検査に合格し色覚に配慮していることを示すCUDマークは年間数百以上も発行されるようになってきた。今年から配布された学校用の教科書にも付けられるようになった。みんなが気づかないところでも確実に社会は変わり始めている。
どうか力を貸してほしい。かつて掲示板で約束したことが夢ではなく現実になろうとしている。もうすぐ社会はカラーユニバーサルデザイン化されるだろう。私たちを「色覚異常者」などと呼ぶ人はいなくなり、子どもたちが「見にくいアヒルの子」扱いされることも無く、誰もが自分の色覚に誇りを持つことのできる当たり前の社会がくる日は近い。
(NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構理事)(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2011年11月25日付掲載
色弱だからって言ってもすべての色がわからないわけでないのです。
色弱者に配慮したカラーデザインは、色覚が正常な人にも実を言うと見やすいデザイン、ユニバーサルデザインなのだと思います。
ますます普及してほしいと思います。まさに、「依頼されたデザイナーの腕の見せ所」ということですね。
10年ほど前、ある掲示板で「彼氏が色弱なので子どもをあきらめようと思います」という人がいた。私は「大丈夫、その子が大きくなるまでに社会を変えてあげるから!」といった趣旨の返事を書いて送信ボタンを押した。
2004年に科学者や色彩学者を中心としてNPO法人カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)が設立された。多様な人の色覚について配慮した社会を作るべく科学的に説明し、配色に関する分析や対策方法などを体系化した。
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CUDマーク(右下)のついた横浜市営地下鉄の運賃表(撮影・ソラノイロ)
学校用の色チョークや緑色のレーザーポインタなどのアドバイスから、コピー機やカーナビ、テレビのメーカー、大手の印刷会社、デザインソフトのアドビシステムズなどCUDOの動きに参画してきた。製品のメーカーは誰にでも安心して使ってほしい。情報の発信者は誰にでもよりわかってほしいと願うものである。男性の20人に1人いる色弱者に情報が伝わらなくても良いという話は聞かない。依頼されたデザイナーは腕の見せ所である。
自販機メーカーや信号機、鉄道会社からの相談など色を使う全ての業界はもちろんのこと、行政や公的機関からの相談や依頼は年々増加してきた。第三者検証機関としてのCUDOの検査に合格し色覚に配慮していることを示すCUDマークは年間数百以上も発行されるようになってきた。今年から配布された学校用の教科書にも付けられるようになった。みんなが気づかないところでも確実に社会は変わり始めている。
どうか力を貸してほしい。かつて掲示板で約束したことが夢ではなく現実になろうとしている。もうすぐ社会はカラーユニバーサルデザイン化されるだろう。私たちを「色覚異常者」などと呼ぶ人はいなくなり、子どもたちが「見にくいアヒルの子」扱いされることも無く、誰もが自分の色覚に誇りを持つことのできる当たり前の社会がくる日は近い。
(NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構理事)(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2011年11月25日付掲載
色弱だからって言ってもすべての色がわからないわけでないのです。
色弱者に配慮したカラーデザインは、色覚が正常な人にも実を言うと見やすいデザイン、ユニバーサルデザインなのだと思います。
ますます普及してほしいと思います。まさに、「依頼されたデザイナーの腕の見せ所」ということですね。