集団的自衛権 Q&A⑨ 軍事同盟からの脱却こそ
Q 日米同盟強化のため、集団的自衛権の行使が必要という議論がありますが。
A 21世紀の世界では軍事同盟は圧倒的少数派で、非同盟・中立こそ圧倒的多数派です。憲法9条に基づく平和外交を進めるため日米軍事同盟から抜け出すことが必要です。
今の世界で軍事同盟として機能しているのは、日米軍事同盟、米韓軍事同盟、NATO(北大西洋条約機構)の三つだけです。それ以外の軍事同盟は解体または機能停止に陥っています。軍事同盟は20世紀の遺物です。
憲法改悪反対を訴えて銀座をパレードする5・3憲法集会参加者=5月3日、東京都中央区
逆行する日本
ところが、日本はこの20世紀の遺物に固執、時代逆行の強化を図ろうとしています。
日米安保条約は、日本領域への武力攻撃に日米が共同対処するのが建前です。しかし、日米軍事同盟は安保条約の枠組みさえ超えて、地球規模の「日米同盟」へと侵略的変質を遂げてきました。日本が集団的自衛権行使を認めれば自衛隊は海外での武力行使が可能になり、日米同盟は名実ともに侵略的な軍事同盟に変ぼうします。
尖閣諸島の防衛で、周辺の公海を航行する米艦が攻撃された場合、集団的自衛権の行使を認めないと、自衛隊は反撃できないという議論があります。しかし、そうした攻撃は尖閣諸島への武力侵攻と一体となった「日本有事」の事態で、個別的自衛権の問題です。
さらに、米本土に向かう北朝鮮の弾道ミサイルを日本が見過ごしていいのかという議論もあります。これは、政府自身も「(そうしたミサイルは)高々度を高速度で飛翔(ひしょう)するため…迎撃は技術的に極めて困難」(13日の答弁書)と、非現実的な想定であることを認めています。
9条生かして
尖閣諸島や北朝鮮の核・ミサイルなど周辺国との紛争は、軍事同盟の強化で対応すればいっそう事態を深刻化させるだけです。話し合いによる平和解決しか道はありません。
東南アジアでは、「紛争の平和解決」を理念にした地域共同体としてASEAN(東南アジア諸国連合)が大きな発展をみせ、成果をあげています。この理念を最も先駆的にうたっているのが日本国憲法9条です。日米軍事同盟から抜け出し、9条を生かした自主自立の外交で世界とアジアの平和に貢献する―。これこそ日本が進むべき道です。
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年8月26日付掲載
中国や韓国との間には、尖閣や竹島の領土問題がある。北朝鮮との間には、拉致問題、核開発問題などがある。紛争の部類に入ると思いますが、まさにASEAN方式で、外交と対話による解決が求めまれるのではないでしょうか。
Q 日米同盟強化のため、集団的自衛権の行使が必要という議論がありますが。
A 21世紀の世界では軍事同盟は圧倒的少数派で、非同盟・中立こそ圧倒的多数派です。憲法9条に基づく平和外交を進めるため日米軍事同盟から抜け出すことが必要です。
今の世界で軍事同盟として機能しているのは、日米軍事同盟、米韓軍事同盟、NATO(北大西洋条約機構)の三つだけです。それ以外の軍事同盟は解体または機能停止に陥っています。軍事同盟は20世紀の遺物です。
憲法改悪反対を訴えて銀座をパレードする5・3憲法集会参加者=5月3日、東京都中央区
逆行する日本
ところが、日本はこの20世紀の遺物に固執、時代逆行の強化を図ろうとしています。
日米安保条約は、日本領域への武力攻撃に日米が共同対処するのが建前です。しかし、日米軍事同盟は安保条約の枠組みさえ超えて、地球規模の「日米同盟」へと侵略的変質を遂げてきました。日本が集団的自衛権行使を認めれば自衛隊は海外での武力行使が可能になり、日米同盟は名実ともに侵略的な軍事同盟に変ぼうします。
尖閣諸島の防衛で、周辺の公海を航行する米艦が攻撃された場合、集団的自衛権の行使を認めないと、自衛隊は反撃できないという議論があります。しかし、そうした攻撃は尖閣諸島への武力侵攻と一体となった「日本有事」の事態で、個別的自衛権の問題です。
さらに、米本土に向かう北朝鮮の弾道ミサイルを日本が見過ごしていいのかという議論もあります。これは、政府自身も「(そうしたミサイルは)高々度を高速度で飛翔(ひしょう)するため…迎撃は技術的に極めて困難」(13日の答弁書)と、非現実的な想定であることを認めています。
9条生かして
尖閣諸島や北朝鮮の核・ミサイルなど周辺国との紛争は、軍事同盟の強化で対応すればいっそう事態を深刻化させるだけです。話し合いによる平和解決しか道はありません。
東南アジアでは、「紛争の平和解決」を理念にした地域共同体としてASEAN(東南アジア諸国連合)が大きな発展をみせ、成果をあげています。この理念を最も先駆的にうたっているのが日本国憲法9条です。日米軍事同盟から抜け出し、9条を生かした自主自立の外交で世界とアジアの平和に貢献する―。これこそ日本が進むべき道です。
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年8月26日付掲載
中国や韓国との間には、尖閣や竹島の領土問題がある。北朝鮮との間には、拉致問題、核開発問題などがある。紛争の部類に入ると思いますが、まさにASEAN方式で、外交と対話による解決が求めまれるのではないでしょうか。
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