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日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2021年総選挙 目で見る経済② 「2030戦略」で雇用創出

2021-10-11 07:05:44 | 解散総選挙(2020年~2021年)
2021年総選挙 目で見る経済② 「2030戦略」で雇用創出
気候危機打開へ、いまや一刻の猶予もない脱炭素社会の実現は、生活の「耐乏」を強いるものでも、経済の「停滞」をもたらすものでもありません。むしろ持続可能な成長に道をひらく未来ある取り組みです。

年間で254万人
日本共産党の「2030戦略」では2030年までに、エネルギー消費を約40%減らし、再生可能エネルギーで電力の50%をまかなうエネルギー転換を実施すれば、年間254万人の雇用が生まれることを明らかにしています。この試算は「未来のためのエネルギー転換研究グループ」が「グリーンリカバリー戦略」として示しているものです。試算はエネルギー転換のためには30年までに官民合わせて202兆円(民間151兆円、財政支出51兆円)の投資が必要だとしています。
たとえば電力・熱供給分野に51・3兆円の投資をすることで10年間で680万人の雇用創出が可能です。具体的には再生エネルギーによる発電所の普及や送電網・熱供給網のインフラ整備などにあたります。投資先は産業用電気機械や土木建設など。これを実現するには▽再エネ由来の電力を優先接続させるなど送電線接続ルールを変更する▽建築物に太陽光パネルなど再エネ設置を段階的に義務付ける―といった政策課題を解決する必要があります。
業務分野でエネルギー効率を高めるために、34・6兆円の投資をすることで403万人の雇用が生まれます。産業用ビルや公共施設の断熱効率を上げることや、工場などの省エネに取り組みます。そのためには業種ごとのエネルギー効率目標の策定や建築物断熱規制の導入などが必要となります。
家庭でも家電製品のエネルギー効率を高めることや、家屋の断熱建築をすすめることが可能です。家電や住宅建築分野へ30・2兆円を投資することで393万人の雇用が生まれます。省エネ法による効率規制や建築断熱規制などが必要となります。
地域で省エネ・再エネ導入を進めるためには専門家など人材育成と配置が必要です。また化石燃料産業などから、省エネ・再エネ産業などへの雇用の移動も必要となります。こうした雇用分野に18兆円の財政支出を行うことで、348万人の雇用創出につながります。


グリーンリカバリー戦略における2030年までの投資額と創出雇用数
分野投資額(兆円)支出者創出雇用数(万人・10年間)
電力・熱51.3民間・財政680
産業25.8民間241
業務34.6民間403
家庭30.2民間・財政393
運輸42.5民間・財政479
人材育成・派遣18財政348
合計202.4 2544
うち財政支出51  
「未来のためのエネルギー転換研究グループ」資料から作成。エネルギー転換などに必要な投資額を算出するとともに、産業連関表で創出雇用数を推計




格差是正一体
エネルギー転換をすすめる中で火発や原発、大量にCO2を排出する鉄鋼業、石油精製業などでは雇用を含めた影響があります。現状で影響を受けるのは20万人程度と見積もられています。同一企業内での配置転換のほか、別産業への雇用転換も必要です。行政を中心に、失業対策とともにスムーズな転換が可能になるようなきめ細かな対応が求められます。
気候危機の打開は貧困と格差をただすことと一体のものです。再生可能エネルギーをはじめとした新しい成長分野でも、エネルギー転換の影響を受ける産業でも、人間らしく働ける雇用のルールを確立し、雇用と暮らしを抜本的に向上させることが求められています。
気候危機打開が世界の潮流となるもと、サプライチェーン(供給網)に再エネ100%を要求する企業もあらわれています。日本の産業界が原発と石炭火発に固執しつづけるなら、いずれ海外企業から相手にされなくなる恐れもあります。エネルギー転換は産業政策からも求められているのです。
いま提起されているエネルギー転換は現在の技術で可能なものです。政治が明確な目標を持ち、政策課題を解決していくことで実現できます。(清水渡)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年10月8日付掲載


日本共産党の「2030戦略」では2030年までに、エネルギー消費を約40%減らし、再生可能エネルギーで電力の50%をまかなうエネルギー転換を実施すれば、年間254万人の雇用が生まれることを明らかにしています。この試算は「未来のためのエネルギー転換研究グループ」が「グリーンリカバリー戦略」として示しているものです。試算はエネルギー転換のためには30年までに官民合わせて202兆円(民間151兆円、財政支出51兆円)の投資が必要。
脱炭素社会の実現は、生活の「耐乏」を強いるものでも、経済の「停滞」をもたらすものでもありません。むしろ持続可能な成長に道をひらく未来ある取り組み。
気候危機打開が世界の潮流となるもと、サプライチェーン(供給網)に再エネ100%を要求する企業もあらわれています。日本の産業界が原発と石炭火発に固執しつづけるなら、いずれ海外企業から相手にされなくなる恐れも。


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