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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

生成AI 光と影② 人類滅亡の脅威に

2024-03-22 07:07:14 | 経済・産業・中小企業対策など
生成AI 光と影② 人類滅亡の脅威に

生成AI(人工知能)は暮らしを便利にする一方、リスクから目をそらすことはできません。その一つが軍事利用です。
ドローン(小型無人機)や自立型致死兵器システム(LAWS=ローズ)などでの生成AIの利用が急速に進んでいます。実際に、ウクライナでは、軍事用ドローンが大量に使用され、ドローンが戦局を左右するとも言われています。
「世界一のドローン技術力と生産力」を持つ中国は、顔認証システムを使って標的を探索、追跡し、攻撃をするようなドローンを開発しています。米軍もAIで自立飛行できる「ドローン部隊」の創設を急いでいます。

先制攻撃おそれ
ローズは、美しく響く名前ですが、殺人ロボットというとんでもない兵器です。火薬、核兵器に続く「第3の軍事革命」とも言われ、危険性が指摘されています。
ガザではイスラエル軍の「ハブソラ」というAIを利用した標的設定システムで攻撃目標が自動的に決められています。巻き込まれる被害の許容件数を意図的に多く設定されているため、民間人の被害が極端に多くなっているという報道もあります。
AIの利用により、先制攻撃や予防攻撃の蓋然(がいぜん)性が高まり、紛争がエスカレーションするとの指摘もあります。AIを軍事に利用すれば当然、AIは対象となる国や軍隊の行動を予測します。過去の軍事行動のパターンから学習・類推して、当該国が特定の行動に出た際に、紛争の可能性が高いとAIが判断すれば、先制攻撃に踏み切る可能性が考えられます。



独ラインメタル社が開発した自立型戦車(同社ホームページの動画より)

外交追いつかず
昨年11月29日に亡くなったヘンリーキッシンジャー元米国務長官は生前、『AIと人類』を2人の共著者と執筆。その中で「AIのスピードからして、ひとたび軍事対立に使われたら外交努力が追いつかないペースでさまざまな事態を引き起こすのは間違いない」とし、核兵器などの既存兵器の強化やAIによる新たな兵器の開発につながると警告しています。
国連のAIに関する諮問委員会は1月、AI兵器が制御不能になった場合「人類存亡の脅威になる」との中間報告を発表しました。
生成AIは「核戦争並みの脅威になりうる」と警告する科学者もいます。AIの基礎研究をすすめ、「AIの父」とも言われるトロント大学のジェフリー・ヒントン名誉教授もその一人です。ヒントン氏は①短期的にはフェイク動画や画像などのまん延②長期的にはAIが人間より賢くなった場合に人間を支配しようとする―などの問題を提起。規制の必要性を訴えています。
また、生成AIの訓練と運用には大量の計算能力を必要とします。これらの計算はエネルギーを消費し、特に大規模なAーモデルの訓練は膨大な電力を必要とします。現状のまま、電力の供給を化石燃料に依存し続ければ、生成AIの拡大は地球温暖化の問題を悪化させ、持続可能なエネルギー供給への移行を阻害します。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年3月20日付掲載


生成AI(人工知能)は暮らしを便利にする一方、リスクから目をそらすことはできません。その一つが軍事利用。
ローズは、美しく響く名前ですが、殺人ロボットというとんでもない兵器。
「AIの父」とも言われるトロント大学のジェフリー・ヒントン名誉教授は、①短期的にはフェイク動画や画像などのまん延②長期的にはAIが人間より賢くなった場合に人間を支配しようとする―などの問題を提起。規制の必要性。

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