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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

性的同意、ちゃんと考えてみた 女性の声を聞けば聞くほど突き付けられた自分の過去

2021-04-07 07:13:11 | 赤旗記事特集
性的同意、ちゃんと考えてみた 女性の声を聞けば聞くほど突き付けられた自分の過去

多数の恋愛相談に乗ってきたグループ「桃山商事」の代表、清田隆之さん。恋愛相談から見えてくる“男らしさ”やジエンダーの問題を発信しています。その思いや、性的同意、刑法改正などについてききました。湯浅葉子記者

多数の恋愛相談に乗るグループ「桃山商事」代表 清田隆之さん
きよた・たかゆき=文筆業。著書に『よかれと思ってやったのに 男たちの「失敗学」入門』『さよなら、俺たち』など



断られても引き下がれない 性暴力と地続きだった
相手の人権無視してない?
〈刑法改正の議論(注)がヤマ場です。清田さんは「同意のない性行為は罪に」などと発信してきました〉
2017年以降の#MeTooやフラワーデモの広がりの中で、「暴行脅迫がないと罪にならない」などの現在の法律の不備や、被害者ばかりが負担を強いられる不平等な現実を知りました。そのことと、「桃山商事」で女性たちから聞いた話が結びつき、性的同意について考えるようになりました。
強引に言いくるめられて関係を持ってしまった、セックスを断ると彼氏が不機嫌になるから仕方なく応じた…。相手の意思を無視するような行為は性暴力ですが、男性側にその意識は希薄かもしれません。
私自身、かつて女友達といい雰囲気になった時、「やっぱりやめとこう」と言われたのになかなか引き下がれなかった経験があります。性暴力と地続きという認識はなく、怖い思いをさせてしまいました。
恋愛の場面で自覚なき性暴力が起きるのは、性的同意への理解が足りないせいだと思います。性的同意はつまるところ人権の問題。安全に意思が伝えられて、納得して次のステップに進む。違和感を覚えたらすぐにやめられる。「全ての個人は不可侵」という人権の原則を当たり前にしよう、というのが今の刑法改正の議論だと思います。

(注)17年改正で積み残した点を改正するかどうかの議論が、今春にもまとめられる見通し。

【性的同意…】
性的な行為を積極的に望むお互いの意思を確認すること。

“男らしさ”って何だろう?
〈性的同意の意識の希薄さには、“男らしさ”や女性蔑視も影響しているのでは、と話します〉
男子校時代、ぶったり蹴ったり、笑って服を脱がされたり、暴力的なコミュニケーションが普通に行われました。それが“男らしさ”“やんちゃ”という文脈で捉えられている。自分や他者の体を大事にする、という文化がなかった。クラスで“エロ本”を回し読みするなど、女性をモノ扱いすることに疑問もありませんでした。
それら一つひとつが、男性たちのジェンダー意識を醸成しているのではないでしょうか。
強引な行為は性暴力になりかねない―。この事実を見つめ、加害の当事者になるかもしれない私たち男性こそ、刑法の問題をわが事として考えていくべきではないかと思います。

これも「男性特権」だった!
〈1200件以上の恋愛相談に耳を傾ける中で、自分をとことん掘り下げ、男性の特権や女性蔑視と向き合ってきました〉
妊娠年齢のリミットに理解がなかったり、感情を言葉にせずすぐ不機嫌になったり。1件2時間ほどの恋愛相談では、女性たちの経験したつらさや悔しさが痛いほど伝わり、苦しくなります。聞けば聞くほど、自分も同じ穴のムジナかもと思わされ、自身と向き合わざるをえませんでした。
自分を理解しようとした時に助けられたのが、フェミニズムの知識でした。女性たちが男性優位社会の特権や差別に一つ一つ異議申し立てをし、問題化してきた学問です。その知見に照らして自分の過去の言動を振り返ると、社会的に形成されたジェンダーの問題と深く結びついていたことが理解できました。
男性は出産とキャリアの両立を考えなくてすむ。男性の不機嫌はなんとなく許される。そんな男性特権を無自覚に享受していたと気づかされました。
当事者の話を聞く。その積み重ねが私にとっては大きかった。いま社会に求められるのは、当事者が声を発する機会を保障し、遮らずにその話を聞くことではないか。フラワーデモの広がりなどは重大な変化だと思います。

「なぜ」を言語化しなくちゃ
〈社会の支配層を占める「マジョリティー男性」が意識や行動を変えよう、と話します〉なぜ男性は性暴力を性暴力と認識しないのか、刑法や選択的夫婦別姓の問題を身近に感じないのか。男性たちは自分の感情や置かれた状況と向き合うことから逃げがちです。なのでそれを言語化することが急務ではないでしょうか。
社会はみんなでつくっていくものです。有形無形の男性特権を自覚し、この社会から取りこぼされる人がいない社会をつくるためにも、男性たちがアクションを起こすことが大切だと思っています。

「しんぶん赤旗」日曜版 2021年4月4日付掲載


多数の恋愛相談にのって来た清田隆之さん。そのなかで、男性の側は悪気はなくても「性的同意」なしに性的関係されてきた女性の複雑な思いがあります。
「強引さ」も本当に「男らしさ」なの??ってことです。
「性行為」は男性側にとってみれば性的欲求の発散ということになるのかもしれませんが、両性で考えれば子孫を残すってことの共同作業なのですから、本当に「性的同意」は必要です。

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