きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

くらしから見たアベノミクス① 公的資金 株につぎこみ異常事態

2017-10-17 17:23:13 | 総選挙(2017年)
くらしから見たアベノミクス① 公的資金 株につぎこみ異常事態
経済学者 桜智地枝里さんに聞く

総選挙の最大の争点は安倍暴走政治の審判です。アベノミクスで、いま日本の経済はどういうことになってしまっているのか?経済学者の桜地枝里(ちえり)さんに聞きました。(上下2回予定)(手島陽子)


桜さん

集めた年金 軍需産業へ
2013年、アベノミクス・スタートのときは「3本の矢」の一つとして「異次元の金融緩和」を掲げていました。景気がよくなった結果として物価が上がるならわかりますが、「物価の上昇が景気上昇につながる」なんて、そもそもおかしい話です。
結局、「インフレ目標2%」は達成できませんでした。庶民にとっては、賃金が上昇せず物価が上がれば生活が圧迫されるだけですから、喜ぶ人はいませんけどね。
そもそも、“円安で輸入原料が上がっているけれど、価格に上乗せできない”と嘆く近所のケーキ屋さんのように、庶民の暮らしに近いお店ほど原料費の上昇に泣きながら価格を抑えているのです。その人たちからしても、“消費者物価上昇率2%を目指します”なんて「よくいうわ」という話です。
もう一つは、年金のお金や日銀が投入する資金によって株価をつり上げる…こちらは異常なことになっています。
「官製相場」と言って、年金を管理するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)と日銀などが株を購入し、株高を支えるのです。その結果、こうした公的資金がいまやトヨタの筆頭大株主です。
GPIFと日銀の公的資金を合計すると、保有株は現在50兆円(時価ベース)をはるかに超えています。東証一部上場企業の3割で、公的資金が筆頭株主になっているという異常事態。GPIFは14年には、株価が下がって大損をしています。
さらに問題なのは、クラスター爆弾を造っているアメリカの企業の株を買っている。国民から集めた年金を、軍需産業に投資しているのです。



日銀本店

日銀が直面 財政破綻?
なんのために巨費を投じて株価をつり上げているかというと、景気がよくなっているように見せかけて、安倍政権を支えるため。政権維持のために、なりふり構わない株価操作をやっているのです。そのツケが回ってきているのが年金と日銀です。
とくに日銀は、大量の国債購入も限界にきていて、財政破綻するとまでいわれています。
雑誌『ビッグイシュー』(9月1日号)で同志社大学大学院教授の浜矩子さんはこう語っています。「(日銀が)ここまで日本国債という名の不良債権を抱え込んでくると、日銀の財政破綻が心配になってくる」
「日銀が国債を買い続けるには、別の枠組みが必要になってきた。そこで、驚くべきことに、安倍首相本人が、『政府と日銀の関係は親会社と子会社のようなものだから、連結決算でいいわけだ』ということを言い出しています」
つまり、国の借金(国債)と日銀の不良債権(国債)を、連結決算でうやむやにしてしまうということです。「中央銀行が政府の子会社になるなどということが制度化されてしまえば、これはもはやファシズム体制以外の何物でもありません」と鋭く指摘しています。
日銀のホームページにも「各国の歴史をみると、中央銀行には緩和的な金融政策運営を求める圧力がかかりやすいことが示されています。物価の安定が確保されなければ、経済全体が機能不全に陥ることにも繋がりかねません」と明記されています。



浜矩子さんのインタビューが掲載された『ビックイシュー』9月1日号

政権維持に日銀を利用
本来、中央銀行は政府から独立していなければならないのです。「こうした事態を避けるためには、金融政策運営を、政府から独立した中央銀行の中立的・専門的な判断に任せるのが適当であるとの考え方が、グローバルにみても支配的になっています。日本銀行法において、金融政策の独立性確保が図られているのは、こうした考えによるものです」(同)
政権維持のために日銀の金を株につぎ込むというのは、本来やってはいけないことです。それがとうとう財政破綻の可能性を指摘される深刻な事態を招いているのです。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年10月16日付掲載


公的年金の基金を株につぎ込んだり、日銀が国債を買い戻したり…。
いかにも景気が良いように見せかけても、本当の景気は良くなっていません。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 総選挙と神戸市長選挙の期日... | トップ | くらしから見たアベノミクス②... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

総選挙(2017年)」カテゴリの最新記事