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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

くらしから見たアベノミクス② 生産性は上昇、実質賃金は下落

2017-10-18 13:20:21 | 総選挙(2017年)
くらしから見たアベノミクス② 生産性は上昇、実質賃金は下落
経済学者 桜 地枝里さんに聞く



株価が上がっても、庶民の生活がよくなるわけではありません。
もともとアベノミクス自体が、株価を引き上げ、公共投資を増やして景気が上向いているように幻想を持たせれば、国民は消費するだろうという政策だったのですが、最近、幻想はやっぱり幻想だということに国民が気づいてしまいました。
一言でいうと、「ない袖は振れない」。給料が上がってもいないのに、消費が増えるはずがないのです。
個人消費を見ると、百貨店協会の発表によれば2017年8月は2カ月ぶりに売り上げがプラスになりましたが、伸びたのは海外からの観光客とアベノミクスの恩恵を被っている富裕層が購入する宝飾品や美術品、化粧品です。それも都市部のデパートに限られており、私たちが手を伸ばせそうな婦人服やデパ地下の食料品の売り上げは低位横ばい状態です。日常の買い物はスーパーでという私たち庶民の財布のひもは固くて、自社ブランドを安く提供したりと、かなり努力しています。しかし、スーパーからみて売上高が「減少した」と答えた経営者は、「増えた」との答えより相変わらず多く、消費者の購買意欲については前月より低下しているとの判断が増えました。






働きすぎる「改革」狙う
アベノミクスの成果が一向に上がらない中で、安倍政権は「働き方改革」を掲げています。“労働生産性(1時間当たりで生み出す価値)をもっと上げよう”というのです。
日本の労働生産性は、この20年弱の間に1・2倍に上がっています(グラフ1)。雇用状況が悪くなるはずです。労働生産性はもういっぱいいっぱいまで上がっているのに、さらに「働きすぎ改革」をしようとしています。
一方で、単位時間あたりの実質賃金は下がっています。本当に上げるべきは実質賃金だということがわかります。
それでは、実質賃金がアベノミクスでどうなったかというと、2010年を100とする指標で、13年以降どんどん下がっていて、16年には実質賃金指数は80・0にまで落ちているのです。(グラフ2)
とくに、非正規雇用は極めて低い賃金で抑えられていて、今年の最低賃金はやっと時給25円上がるにとどまっています。時給1000円になるまでに6年かかるといわれています。正規雇用もほとんど給料は上昇していません。

1人当たりGDPは…
アベノミクスの成否を判断するのに、GDP(国内総生産)がよく使われます。17年4~6月期は1次速報では実質前期比1・0%増、年率換算で4%増でした。ところが2次速報では前期比0・6%増、年率換算で2・5%増と大幅に下方修正されたのです。こんなに大きく下方修正されるというのはあまり見たことがありません。なんとかGDPが伸びているように見せたいことが見て取れます。
実際、1人当たりGDPは、日本は1996年には3位だったのに、2015年には20位まで落ちてしまいました。
これだけ疲弊した経済の中で、消費税増税が行われようとしています。教育予算に充てるという名目でね。ですが、実際に消費が盛んなのは子育て世代ですから、おむつ代やミルク代、衣服など消費税が重くなればなるほど、子育て世帯に重くのしかかります。子育てを支援するのに消費税増税は真逆の政策と言わざるを得ません。
アベノミクスが、いかに庶民の懐を痛めつけ、大企業や投資家などの金持ちをもうけさせてきたか。それによって、日本経済がいかに深刻な打撃を被っているかは明らかではないでしょうか。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年10月17日付掲載


「労働生産性」は上がっても、労働者の実質賃金は上がらない。安倍内閣になって年間10万円減っているのが実態。

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