三重に見る共闘の現場(下) 市民の力 大きさ実感
共産党ぬきではありえない
紆余(うよ)曲折の末に三重1区、2区でスタートした共闘の選挙戦。しかし順風満帆にはいきませんでした。共闘候補を前面に立てて応援したい市民連合と、共闘を押し出すことに否定的な連合との間で調整が難航しました。
そこで各地域に根差した市民連合が力を発揮。「市民連合伊賀名張」呼びかけ人の名嘉眞正さん(46)は、中川正春2区候補(無所属)の事務所に連日通い、交渉を続けました。
一緒に街頭にたてるようになったのは選挙中盤以降。14、15日に名張市と鈴鹿市で市民が主催した街頭宣伝が転機になりましだ。カラフルな風船やプラカードを掲げ、雨の中、地元の市民が中川氏の政策を応援。中川氏が掲げる「議員の女性比率向上」にとりくむ大学教授も応援しました。
「参院選のときと同じで、市民の応援を受けた候補者が大きく、力強くなっていくのを感じた」と名嘉眞さん。「誠意を行動で示し信頼関係を築く中で一緒にやれることが増えていった」と言います。
この街宣には共産党の三原淳子名張市議や地元の党員も参加していました。「市民の力の大きさを感じました。こうやって共闘していく、統一戦線をつくっていくんやってうれしかった」。党支部は連日のスタンディング宣伝や電話かけなどに奔走。訴え方も試行錯誤しながら「比例は共産党、選挙区は中川」と最後まで支持を広げました。
1区でも同じように共闘の選挙戦が発展。最終盤の津駅前の街宣は、「みんなのための政治を、取り戻す」のプラカードを掲げた人びとの熱気にあふれました。
1区・松田直久氏の勝利へ街頭からアピールする市民ら=10月15日、三重県松阪市
自民に迫る結果
結果、2区で中川氏が自民候補に10ポイント近くの差をつけて勝利。1区の松田直久氏(無所属)は大きくリードされていた自民候補にあと一歩と迫りました。
「市民連合みえが橋渡しした野党共闘の脅威が、前回参院選に続いて増してきた」。「産経」は自民党三重県連の中森博文幹事長の発言を紹介しました。
日本共産党には、民進党や市民から感謝や敬意が寄せられています。大嶽隆司県委員長は「共闘の選挙を通じ新しい友人を得ました。野党共闘は形式じゃない。地域ごとに実情も違う難しいたたかいでしたが、その中で私たちも変わった。比例が減ったのは残念ですが、未来をみすえ共闘の道を進みながら共産党自身も力をつけたい」と議論を進めています。
「共産党がいたから共闘が生き残れた場面が何度もありました」。名嘉眞さんは「安倍政権に対抗するベースをつくり、“屋台骨”として苦しい時こそ支えてくれる。共産党ぬきというのはもうありえません。比例で減らしたけど信頼は広がっていると思います。共産党の誤解をとく責任は市民にもあると思っています」と話します。
「共闘うちでも」
市民連合みえは今、安倍政権の憲法9条改憲阻止へ過去のいきがかりを超えた共同を広げ、日常から対話を進めようと行動しています。選挙後は当選した議員との懇談会も行い、市民と議員が同じ目線で意見を交わしています。逆流の選挙戦のなか地域に根差した市民連合も新たに複数誕生。
選挙後、「うちでもつくりたい」という声が共闘が実らなかった地域で上がっています。
市民連合みえ呼びかけ人の岡歩美さん(26)は話します。「これまでつながっていなかった人ともつながって、さらに運動を広げたい。社会を変えるって難しいと思っていたけど、市民一人ひとりが動けば変えていけるって感じています」
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年12月16日付掲載
総選挙での市民と野党の共闘。「うちでは関係なかった」という声をよく聞きますが、「今度はうちでも共闘を」との立場で頑張ろうではありませんか。
共産党ぬきではありえない
紆余(うよ)曲折の末に三重1区、2区でスタートした共闘の選挙戦。しかし順風満帆にはいきませんでした。共闘候補を前面に立てて応援したい市民連合と、共闘を押し出すことに否定的な連合との間で調整が難航しました。
そこで各地域に根差した市民連合が力を発揮。「市民連合伊賀名張」呼びかけ人の名嘉眞正さん(46)は、中川正春2区候補(無所属)の事務所に連日通い、交渉を続けました。
一緒に街頭にたてるようになったのは選挙中盤以降。14、15日に名張市と鈴鹿市で市民が主催した街頭宣伝が転機になりましだ。カラフルな風船やプラカードを掲げ、雨の中、地元の市民が中川氏の政策を応援。中川氏が掲げる「議員の女性比率向上」にとりくむ大学教授も応援しました。
「参院選のときと同じで、市民の応援を受けた候補者が大きく、力強くなっていくのを感じた」と名嘉眞さん。「誠意を行動で示し信頼関係を築く中で一緒にやれることが増えていった」と言います。
この街宣には共産党の三原淳子名張市議や地元の党員も参加していました。「市民の力の大きさを感じました。こうやって共闘していく、統一戦線をつくっていくんやってうれしかった」。党支部は連日のスタンディング宣伝や電話かけなどに奔走。訴え方も試行錯誤しながら「比例は共産党、選挙区は中川」と最後まで支持を広げました。
1区でも同じように共闘の選挙戦が発展。最終盤の津駅前の街宣は、「みんなのための政治を、取り戻す」のプラカードを掲げた人びとの熱気にあふれました。
1区・松田直久氏の勝利へ街頭からアピールする市民ら=10月15日、三重県松阪市
自民に迫る結果
結果、2区で中川氏が自民候補に10ポイント近くの差をつけて勝利。1区の松田直久氏(無所属)は大きくリードされていた自民候補にあと一歩と迫りました。
「市民連合みえが橋渡しした野党共闘の脅威が、前回参院選に続いて増してきた」。「産経」は自民党三重県連の中森博文幹事長の発言を紹介しました。
日本共産党には、民進党や市民から感謝や敬意が寄せられています。大嶽隆司県委員長は「共闘の選挙を通じ新しい友人を得ました。野党共闘は形式じゃない。地域ごとに実情も違う難しいたたかいでしたが、その中で私たちも変わった。比例が減ったのは残念ですが、未来をみすえ共闘の道を進みながら共産党自身も力をつけたい」と議論を進めています。
「共産党がいたから共闘が生き残れた場面が何度もありました」。名嘉眞さんは「安倍政権に対抗するベースをつくり、“屋台骨”として苦しい時こそ支えてくれる。共産党ぬきというのはもうありえません。比例で減らしたけど信頼は広がっていると思います。共産党の誤解をとく責任は市民にもあると思っています」と話します。
「共闘うちでも」
市民連合みえは今、安倍政権の憲法9条改憲阻止へ過去のいきがかりを超えた共同を広げ、日常から対話を進めようと行動しています。選挙後は当選した議員との懇談会も行い、市民と議員が同じ目線で意見を交わしています。逆流の選挙戦のなか地域に根差した市民連合も新たに複数誕生。
選挙後、「うちでもつくりたい」という声が共闘が実らなかった地域で上がっています。
市民連合みえ呼びかけ人の岡歩美さん(26)は話します。「これまでつながっていなかった人ともつながって、さらに運動を広げたい。社会を変えるって難しいと思っていたけど、市民一人ひとりが動けば変えていけるって感じています」
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年12月16日付掲載
総選挙での市民と野党の共闘。「うちでは関係なかった」という声をよく聞きますが、「今度はうちでも共闘を」との立場で頑張ろうではありませんか。
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