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けいざい四季報2024Ⅲ (上) 国際経済 巨大企業・富裕層包囲へ動き

2024-10-11 07:12:10 | 経済・産業・中小企業対策など
けいざい四季報2024Ⅲ (上) 国際経済 巨大企業・富裕層包囲へ動き

【ポイント】
①米国が0・5%の利下げ決定。「後手に回らない」と説明。マネーの流れに変化も
②G20で超富裕層課税への閣僚宣言。グローバルサウス台頭で「国際社会の勝利」
③EU、アップルの税逃れを断罪。「税制の正義」に向け市民社会、研究者らが共鳴

米連邦準備制度理事会(FRB)は9月18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0・5%引き下げることを決めました。新たな政策金利は年4・75~5・00%。利下げは2020年3月以来4年半ぶりです。



記者会見するパウエルFRB議長=9月18日(ロイター)

積極的利下げ
市場関係者の間では、今回の引き下げ幅について、0・25ポイントと0・5ポイントで見方が拮抗(きっこう)していました。雇用情勢の失速をにらんで、積極的な利下げに踏み切った形です。パウエル議長は記者会見で大幅利下げを「私たちが後手に回らないよう力を尽くしていることの表れ」と表明しました。さらにパウエル議長は、「他の国々の中央銀行は何度も利下げを行ってきたが、私たちは待った。その忍耐が功を奏した」とも語り、金融政策の運営に自信をのぞかせました。
米国の高金利による「強いドル」が転換点を迎えたとの見方も出ています。今後、世界のマネーの流れの変化に注目が必要です。


世界経済の主な出来事(7~9月)
7/25G20財務相・中央銀行総裁会議、国際課税に関する閣僚宣言採択
7/28マレーシア、BRICSへの加盟を正式に申請
7/30米メタ、個人情報保護違反のテキサス州訴訟で14億ドルの和解金合意
8/1英イングランド銀行、政策金利を0.25ポイント引き下げ発表
8/16国連、国際租税協力枠組みのための「付託事項の草案」採択
8/23米国のパウエルFRB議長、ジャクソン・ホール会議で講演
8/29米国のサリバン大統領補佐官、習近平国家主席と会談
9/9韓国のソウルで「軍事領域における責任あるAI」サミット開催
9/10EU司法裁、米アップルに130億ユーロの追徴課税を決定
9/12欧州中央銀行(ECB)、政策金利を0.25ポイント引き下げ決定
9/18米FRBが0.5%引き下げを決定。利下げは4年半ぶり
9/19国連の諮問機関が「人類のためのAI統治」の最終報告書発表


課税強化宣言
20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は7月25日、国際課税に関する閣僚宣言を採択し、超富裕層への課税強化などを盛り込みました。同宣言は、「超富裕層による攻撃的な租税回避や脱税は税制の公平性を損ない、累進、課税の有効性の低下を招く」と強調。超富裕層が効果的に課税されるよう協力して取り組むことを宣言しました。
G20に協力するパリ経済学院の研究機関「EUタックス・オブザーバトリー」の経済学者ズックマン氏は、世界のビリオネア(保有資産10億ドル以上)3000人にその財産の少なくとも2%に相当する課税を行えば、年間2000億~2500億ドル(約28兆~35兆円)を確保できると主張しています。同氏によれば、現在ビリオネアへの実際の課税は、財産のわずか0・3%にすぎません。
G20議長国は、グローバルサウスの代表格であるブラジルです。同国のアダジ財務相は、「われわれは、これをブラジルと国際社会の勝利と考えている」と述べました。
市民らが共鳴欧州連合(EU)の欧州司法裁判所(最高裁に相当)は9月10日、アイルランド政府による米アップルへの税制優遇は違法だとして、同社に最大130億ユーロ(約2兆円)の追徴課税を決めたEU欧州委員会の決定を支持し、大企業の税逃れを断罪しました。また、米グーグルが商品比較サイト上で支配的地位を乱用してEU競争法(独占禁止法)に違反したとして、同社に24億2000万ユーロ(約3800億円)の制裁金を科した欧州委の17年の決定についても支持する判断を下しました。
アップルは、税負担を軽くするためアイルランドに法人を設立し利益を集中。これにより同社が欧州で上げた利益に対する実質的な税負担率は、14年にはわずか0・005%でした。
「欧州市民と税制の正義にとって大きな勝利だ」。欧州委員会のベステアー上級副委員長は10日の記者会見で力強く語りました。内部文書を報じた調査報道ジャーナリストたちによる大企業の税逃れが注目を集めていたことを指摘。大企業が公平に税金を支払わなければ、必要な資金源が損なわれ、社会保障、教育、公共インフラなどに影響が出ると指摘しました。
調査報道ジャーナリズム、公正な課税を求める市民、研究者らの市民社会とグローバルサウスの力が共鳴し存在感を示しています。
(つづく)(3回連載です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年10月9日付掲載


パウエル議長は記者会見で大幅利下げを「私たちが後手に回らないよう力を尽くしていることの表れ」と表明。さらにパウエル議長は、「他の国々の中央銀行は何度も利下げを行ってきたが、私たちは待った。その忍耐が功を奏した」とも語り、金融政策の運営に自信を。
日本は今から利上げをしようとしている。周回遅れです。
G20に協力するパリ経済学院の研究機関「EUタックス・オブザーバトリー」の経済学者ズックマン氏は、世界のビリオネア(保有資産10億ドル以上)3000人にその財産の少なくとも2%に相当する課税を行えば、年間2000億~2500億ドル(約28兆~35兆円)を確保できると主張。同氏によれば、現在ビリオネアへの実際の課税は、財産のわずか0・3%にすぎません。
G20議長国は、グローバルサウスの代表格であるブラジルです。同国のアダジ財務相は、「われわれは、これをブラジルと国際社会の勝利と考えている」と。
日本も、大企業の内部留保に限定的に課税で10兆円の財源を。

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