校閲の目 わきまえる
東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が、女性蔑視発言で辞任しました。注目を浴びた言葉に「わきまえる」があり、逆手にとって「わきまえない女たち」という抗議もおこりました。
この「わきまえる」は漢字では「弁える」と書きます。弁護士、答弁などでよく使われる「弁」ですが、なぜ「わきまえる」という意味になるのでしょう。
実は「弁」は「かんむり」という意味でした。戦後、読みは同じですが全く別の「辨」「辯」「瓣」が「弁」にまとめられたのです。そのためいろいろな意味を持つことになりました。
「辨」は「わける」という意味で、そこから「区別する」「心得る」となり「わきまえる」ことになりました。ほかに「弁償」「弁当」などにも使われます。
「辯」は「いいあらそう」意味で、「弁解、弁護」となります。「話す」という意味もあり「答弁」「弁明」「関西弁」のように使われます。
「瓣」は「瓜(うり)の中の種、はなびら」で「花弁」となります。英語の「バルブ」が花びらに似ていたため「調整弁」の「弁」と訳されました。
森氏は辞任表明で、女性蔑視との批判に「解釈の仕方だ」と強弁し反省の色はありませんでした。何が間違いなのかも理解できていないことをこの弁明は物語っています。
(河邑哲也)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年2月17日付掲載
オリンピック組織委員会の元会長の森喜朗氏の女性蔑視発言。
「女は男の言うことを黙って聞け」「女はわきまえてものを言え」ってとでも言うのでしょうか。
それに抗議して、私は「わきまえない女」と主張しました。
「弁える」の「弁」の字も、元は「辨」「辯」「瓣」などの難しい字があったのですね。
東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が、女性蔑視発言で辞任しました。注目を浴びた言葉に「わきまえる」があり、逆手にとって「わきまえない女たち」という抗議もおこりました。
この「わきまえる」は漢字では「弁える」と書きます。弁護士、答弁などでよく使われる「弁」ですが、なぜ「わきまえる」という意味になるのでしょう。
実は「弁」は「かんむり」という意味でした。戦後、読みは同じですが全く別の「辨」「辯」「瓣」が「弁」にまとめられたのです。そのためいろいろな意味を持つことになりました。
「辨」は「わける」という意味で、そこから「区別する」「心得る」となり「わきまえる」ことになりました。ほかに「弁償」「弁当」などにも使われます。
「辯」は「いいあらそう」意味で、「弁解、弁護」となります。「話す」という意味もあり「答弁」「弁明」「関西弁」のように使われます。
「瓣」は「瓜(うり)の中の種、はなびら」で「花弁」となります。英語の「バルブ」が花びらに似ていたため「調整弁」の「弁」と訳されました。
森氏は辞任表明で、女性蔑視との批判に「解釈の仕方だ」と強弁し反省の色はありませんでした。何が間違いなのかも理解できていないことをこの弁明は物語っています。
(河邑哲也)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年2月17日付掲載
オリンピック組織委員会の元会長の森喜朗氏の女性蔑視発言。
「女は男の言うことを黙って聞け」「女はわきまえてものを言え」ってとでも言うのでしょうか。
それに抗議して、私は「わきまえない女」と主張しました。
「弁える」の「弁」の字も、元は「辨」「辯」「瓣」などの難しい字があったのですね。
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