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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

デジタル化 菅「改革」の危険① 個人情報保護に触れず

2021-02-20 07:27:09 | 経済・産業・中小企業対策など
デジタル化 菅「改革」の危険① 個人情報保護に触れず
情報通信などデジタル技術の進歩は、本来人々の幸福や健康に資するものです。ところが、いま菅義偉政権が進めようとする「デジタル改革」は国民の命を脅かし、科学技術を権力や財界の利益本位にもてあそぶ内容です。
(日本共産党政策委員会 湯浅和己)

デジタル化の大前提は政治の透明性です。説明責任を果たせる政府が、個人情報を適切に管理し、安心・安全性を求める国民に信頼されることです。ところが国や企業の現状は安心・安全からかけ離れています。



菅義偉首相の施政方針演説が行われた衆院本会議場=1月18日(ロイター)

8割が「不安」
2020年版情報通信白書によると、企業などが提供するサービスを利用する際に、個人データを提供することについて8割が「不安を感じる」と答え、インターネットを利用する際に感じる不安については「個人情報や利用履歴の漏えい」の割合が88・4%にのぼっています。
デジタル先進国では、プライバシーを守り、安全性やデータ保護を確実にする規制やルールの制定、監視・監督機関の設置などが進んでいます。日本の遅れは深刻です。
欧州連合(EU)、台湾、韓国などでは、自分のデータの完全削除・消去と利用停止を求める権利(忘れられる権利)や、自分のどんな情報が集められているかを知り不当に使用されない権利など、個人情報の扱いを自分で決定する権利が確立されています。
法に違反した企業への罰則は、日本では最高1億円の罰金にとどまります。しかしEUの一般データ保護規則(GDPR)では、情報主体の権利の侵害などの場合、2000万ユーロ(約25億2000万円)または全世界の年間総売り上げの4%までの高い方とされています。実際にグーグルに約62億円、ホテル業界のマリオットに約135億円、ブリティシュ・エアーウェイズに約250億円の制裁金を科しています。
情報漏えい時の補償についても、日本では規定がありません。ベネッセやオリエンタルランドなどの漏えい事件ではひとり500円で済ませました。韓国では300万ウォン(約30万円)以下の範囲で賠償を請求できるとし、その後、損害額の3倍を上限とする懲罰的損害賠償制度も導入されています。
フランスやデンマークなどでは個人情報の取り扱いを監督する独立行政機関である「個人データ保護局」を設置し、民間・行政を問わずデータ利用を監視しています。ドイツでは、昨年7月に患者データ保護法を制定し、医療のデジタル化をすすめる上で、医療保険制度への加入者の信頼を確保しています。
日本でもデジタル化をすすめるならば、個人情報保護法を見直し、事業者の個人情報漏えい事実の消費者への通知義務、十分な被害救済の仕組みの整備、情報の自己決定権などを保障することが必要です。さらに、個人情報保護のガイドライン策定や監視・監督などを行う「個人情報保護委員会」の強化が求められています。
ところが菅首相は所信表明演説でデジタル改革の推進に熱弁をふるうだけで、プライバシーや個人情報保護には;日も触れませんでした。もし、個人情報を守る権利が十分に保障されないとどうなるでしょうか。

流出した情報
中国では、新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者について集めた個人情報が流出し、批判と不信が高まっています。流出した個人情報には、住所、氏名、電話番号、身分証番号のほか、身長・体重・BMI(肥満度を表す指数)などの身体的特徴、恋人の氏名やデートした場所・日時、銀行やカフェなどの立ち寄り先、地下鉄の利用状況などが含まれていました。詳細なプライバシーが集められ、ファイリング(整理・分類・保管)されていることが明らかになりました。
人ごとではありません。日本でも新型コロナウイルス対策の名のもとに、マイナンバーを利用した個人情報の収集が行われる可能性が強まっています。
(つづく)(3回連載です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年2月18日付掲載


国はもちろん、企業がインターネットサービスを提供する際に、「個人情報や利用履歴の漏えい」の不安が伴います。
自分のデータの完全削除・消去と利用停止を求める権利(忘れられる権利)や、自分のどんな情報が集められているかを知り不当に使用されない権利など、個人情報の扱いを自分で決定する権利が重要です。
マイナンバーなどに個人情報が集中することの危険性が危惧されます。


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