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日本共産党兵庫県委員会で働いています。

グリーンウォッシュ 格好だけの「環境配慮」宣伝に注意

2022-04-14 07:26:05 | 環境問題・気候変動・地球温暖化について
グリーンウォッシュ 格好だけの「環境配慮」宣伝に注意
昨年4月、石油大手3社と米石油協会が、実態とは異なる環境への取り組みを宣伝する「グリーンウォッシュ」を行ったとしてニューヨーク市から提訴されました。当時の市長は「石油会社はウソの広告を流して州の消費者保護法に明らかに違反した」とコメントしています。
「グリーンウォッシュ」とは、表面を取り繕うことを意味する「ホワイトウォッシュ」と「グリーン」の造語。あたかも環境に良いように見せかけ、意図的に消費者に誤解を与えることです。

カナダの環境関連の市場調査会社(テラチョイス)が「グリーンウォッシュ」の特徴を七つに整理しています。
①良い点について主張するものの、他方でより大きな環境負荷が発生することに言及しない②「環境に良い」と言いながら十分な根拠を示さない③何がどれだけ良くなったのか具体的に示さない④環境負荷とは関係のない事実を引き合いに出し、あたかもすごいことであるように伝える⑤環境負荷を生み出す根源二つを比べ、まだマシと主張する⑥不正確な情報に基づいている⑦ありもしない第三者機関からお墨付きをもらったように見せかける。



気候危機打開を求める若者たち=3月25日、ハンガリー・ブタペスト市内(撮影・桑野白馬記者)

冒頭のニューヨーク市の訴状は、気候変動という側面から次のような広告を問題としています。
①売り上げ・収益・投資額の大部分が化石燃料関連で、それが実際には継続・拡大する傾向や計画があるのに沈黙し、ビジネス全体から見れば小さな部分でしかない再生可能エネルギー、革新的技術(水素、バイオ燃料など)、CCS(炭素回収・貯留)、電気自動車などへの投資・投資計画を過大に強調する。
②水素、天然ガス、バイオ燃料などの燃焼時の二酸化炭素(CO2)排出量が小さいことを主張し、生産時のCO2やメタンなどの発生は無視する。技術的困難や経済合理性にも言及しない。
③再エネのバックアップ(予備)電源として化石燃料が必要と主張する。(バックアップはすべての電源に必要。バックアップ対策としては電力の融通、蓄電、需要側管理、揚水発電などさまざまな方法や技術がある)
④「世界全体が2050年にネットゼロ(CO2排出実質ゼロ)を目指すことを支持する」と言いながら、自社の計画はそれに整合していない。

「グリーンウォッシュ」は日本でも氾濫しています。特に昨年、政府が50年のCO2排出実質ゼロを約束してから目立つようになりました。この約束の一方で、政府は石炭火力発電の全廃に背を向け、実用化のめども立っていない水素・アンモニアを利用した革新的技術でCO2の排出を減らすとしています。
日本でもニューヨーク市のように企業広告を具体的に批判し、広告会社も含めて「グリーンウォッシュ」が犯罪的であるという認識を広げることが重要です。何より、大もとの政府の「グリーンウォッシュ」を許さない世論が求められます。
明日香壽川(あすか・じゅせん 東北大学教授)

「しんぶん赤旗」日曜版 2022年4月10日付掲載


「グリーンウォッシュ」とは、表面を取り繕うことを意味する「ホワイトウォッシュ」と「グリーン」の造語。あたかも環境に良いように見せかけ、意図的に消費者に誤解を与えること。
ニューヨーク市などが、見せかけだけの「環境配慮」している企業を訴えています。
「グリーンウォッシュ」は日本でも氾濫。特に昨年、政府が50年のCO2排出実質ゼロを約束してから目立つように。この約束の一方で、政府は石炭火力発電の全廃に背を向け、実用化のめども立っていない水素・アンモニアを利用した革新的技術でCO2の排出を減らすと。
日本の場合は企業ではなくって政府が「まやかし」をやっていることが深刻です。

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