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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

三重に見る共闘の現場(上) 市民の奮闘 野党応えた

2017-12-16 11:13:41 | 総選挙(2017年)
三重に見る共闘の現場(上) 市民の奮闘 野党応えた
直談判・メール・電話…「諦めたら終わり」


10月の衆院選で三重県では、市民と野党の共闘を実現した2区で野党統一候補が激戦を制し、1区でも自民候補を猛追。自民党県連に衝撃を与えました。逆流を乗り越えたたかった共闘の現場を、改めて見つめました。
(伊藤幸)

衆院解散の9月28日。「市民連合みえ」呼びかけ人の岡歩美さん(26)は衝撃を受けました。民進党が両院議員総会を開き、希望の党への合流を全会一致で決定したのです。
直前まで、民進党、共産党、社民党の各県組織や候補者と政策協定を調整し、1・2・4区の野党統一候補の発表の日取りを相談していた段階でした。
希望への合流という話も伝わってきましたが、「そんなことはあり得ない。きっと両院議員総会で止めてくれる」。昨年の参院選で野党統一候補の芝博一参院議員を勝利させ、それ以来、信頼関係を積み重ねてきました。
それだけにショックは大きく、「市民の方を全然向いていない。選挙で勝つためなら何でもする、永田町の都合だけの政治になっている」と感じました。
同時に「関わり続けるしかない」とも思いました。「裏切られ、もうやりたくないと市民が手を離したら、もっとこっちを見ない政治になる。ここで諦めたら本当にもう終わりだ。やらなきゃ」と。



政策協定を結び握手する(左から)社民党・佐藤正明県連代表、民進党・三谷哲央県連代表代行、市民連合みえ・岡歩美さん、共産党・大嶽隆司県委員長=10月6日、津市

呼びかけに応え
すぐに市民連合みえのメンバーと連絡を取り合いました。同日夜に、憲法違反の安保法制廃止、立憲主義回復が共闘の「扇の要」であり、安保法制を容認する希望への合流は理解できないと表明。「市民と野党の共闘を終わらせることなく、引き続き努力しましょう」と呼びかけました。
同じ日、日本共産党の志位和夫委員長は希望との連携の余地はないと明言。逆流のもとでも勇気を持って共闘の道を進むという政党、議員、候補者と共闘を追求したいとメッセージを発していました。
ここから共闘再構築へ向けた巻き返しが始まります。市民連合みえや、各地域で結成された市民連合のメンバーが、4選挙区の全候補者に直接会いに行きました。「希望とは一緒にできない」「政治家として理念を曲げず信念を貫いてほしい」「政党や市民と築いてきた信頼関係を壊さないで」―。夜8時、9時からの説得が続きました。候補者だけでなく民進党県連にも足を運び、芝参院議員(県連代表)にも訴えました。メールや電話も使い何度も何度も呼びかけました。
希望が公認候補を発表する10月3日の朝、1区の松田直久氏が無所属での立候補を表明。希望の公認を受ける考えを示していた2区の中川正春氏も、一転して無所属での立候補を明らかにしました。
3区の岡田克也氏も無所属立候補を表明。一方、4区の藤田大助氏は希望からの立候補を決めました。

揺るがない矜持
日本共産党三重県委員会も「ギリギリの対応」でした。民進党の希望合流方針以降、それまでの全区共闘路線から一転、全区立候補への準備に追われました。一方で共闘を最後まで模索。1、2区で党候補取り下げを発表したのは6日でした。
同日、三重県庁で民進党、共産党、社民党県組織の代表と市民連合みえによる政策協定調印の会見が行われました。会見の場に松田、中川両候補の姿はありませんでしたが、市民や各野党代表は一様に明るい表情でした。
伊勢新聞は、このとき共産党の大嶽隆司県委員長が「誰よりも笑顔で報道陣のカメラに収まった」として、こう書きました。「独自候補を失うという重い決断。直接のメリットもない」「それでも大嶽は不満そうな様子を一切見せずに統一候補を支援する。なぜか。離合集散の野党に翻弄(ほんろう)された感想を尋ねると、こう話した。『うちの党はぶれない。私は共産党で本当に良かった』。激動の政界にあっても揺るがない党が大嶽の矜持(きょうじ)なのだ」
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年12月15日付掲載


最後まで野党共闘をあきらめない。市民運動の積み重ねが野党の背中を押しています。三重2区で野党統一候補の中川正春氏が当選。3区では岡田克也氏が当選しました。

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