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日本共産党兵庫県委員会で働いています。

けいざい四季報 2022 Ⅳ ① 世界経済 米・欧が利上げ幅を縮小

2022-12-25 07:13:19 | 経済・産業・中小企業対策など
けいざい四季報 2022 Ⅳ ① 世界経済 米・欧が利上げ幅を縮小
【ポイント】
①インフレ抑制へ各国が利上げを継続するも、米欧は景気を考慮し上げ幅を縮小
②世界的なインフレやドル高により、新興国・途上国の債務問題が深刻化の懸念
③中国は「ゼロコロナ」政策見直し進めるが、経済の正常化には時間を要しそう

高止まりするインフレへの対策で各国は利上げを継続しているものの、米欧は景気への悪影響を懸念して上げ幅を縮小しました。世界的なインフレやドル高は新興国・途上国の債務問題を深刻化させています。中国は、新型コロナウイルスを徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策の見直しを進めています。

引き締めリスク
米連邦準備制度理事会(FRB)は12月14日、連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の0・5%引き上げを決めました。インフレを抑える急速な金融引き締めが景気を冷やし過ぎるリスクを警戒。利上げペースを過去4回連続の0・75%から減速させました。
FRBは3月以降7会合連続で政策金利を引き上げ、年4・25~4・50%としました。インフレ率は低下傾向にあるものの、11月の消費者物価指数は前年同月比7・1%上昇と、FRBが目標とする2%をなお大幅に上回っています。
欧州中央銀行(ECB)は12月15日、政策金利の0・5%引き上げを決めました。利上げは7月以降4会合連続。ただ、上げ幅を0・75%から0・5%へ縮小。英イングランド銀行(中央銀行)も12月15日、政策金利を3・0%から3・5%へ引き上げました。昨年12月以降9会合連続。上げ幅は0・75%から0・5%へ圧縮しました。



利上げ発表の後、記者会見するパウエル米FRB議長=12月14日、ワシントン(ロイター)

債務問題が深刻
世界的な物価高や急激なドル高で、新興国や途上国の債務問題が深刻化しています。国際通貨基金(IMF)は10月11日発表の金融安定報告書で「20カ国が債務不履行状態か、それに近い」と警告しました。
IMFはまた、12月8日発表の報告書で、低所得国69カ国の資金不足が26年までの5年間で計約5000億ドル(約68兆円)に上るとの試算を示しました。新型コロナウイルス感染拡大やロシアのウクライナ侵略に伴う食料とエネルギーの価格高騰が響き、過剰債務を抱える各国が苦境に陥っています。
国際金融協会(IIF)によると、主要新興国の債務残高は6月1日時点で過去最高の100兆ドル(約1京4800兆円)に迫り、各国の国内総生産(GDP)の合計に対する比率は252%に達しました。世界銀行(WB)が12月6日公表した22年の国際債務報告によると、貧困国の2国間債務のうち対中国分が21年時点で約半分。


【世界経済の主な出来事(10~12月)】
10/11IMF、金融安定報告書で新興国・途上国の債務問題に警鐘
10/247~9月期の中国GDP発表。前年同期比3.9%増
10/27欧州中銀、0.75%利上げ
11/2米FRB、0.75%利上げ
11/3英中銀、0.75%利上げ
11/3011月のユー口圏消費者物価指数発表。前年同月比10.0%上昇
12/8IMF報告書、低所得国で5年間に約68兆円の資金不足と試算
12/1311月の米消費者物価指数発表。前年同月比7.1%上昇
12/1411月の英消費者物価指数発表。前年同月比10.7%上昇
12/14米FRB、0.5%の利上げ。利上げは3月以降7会合連続
12/15欧州中銀、0.5%利上げ。利上げは7月以降4会合連続
12/15英中銀、0.5%利上げ。利上げは昨年12月以降9会合連続


ゼロコロナ緩和
中国は11月以降、新型コロナウイルス対策を見直し、「ゼロコロナ」政策を大幅に緩和しています。PCR検査が一部で撤廃され、入国制限も緩和。ただ、規制緩和を受け、一部では「感染爆発」が起きているもよう。
中国税関総署が12月7日発表した11月の貿易統計によると、輸出は前年同月比8・7%減の2961億ドル(約41兆円)。
減少幅は前月の0・3%から広がり、20年2月以来2年9カ月ぶりの大きさとなりました。輸入は10・6%減の2263億ドルと、前月(0・7%減)から大幅に悪化。
中国国家統計局が12月15日発表した11月の小売売上高は前年同月比5・9%減少しました。2カ月連続の前年割れで、下落幅は前月の0・5%減から拡大。中国の7~9月期の経済成長率は前年同期比3・9%増にとどまりました。
「ゼロコロナ」見直し後も、サプライチェーン(供給網)の修復など経済の正常化には時間がかかり、政府の通年目標である「5・5%前後」の経済成長は厳しそうです。(つづく)(4回連載です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年12月20日付掲載


米連邦準備制度理事会(FRB)は12月14日、連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の0・5%引き上げを決めました。インフレを抑える急速な金融引き締めが景気を冷やし過ぎるリスクを警戒。利上げペースを過去4回連続の0・75%から減速。
欧州中央銀行(ECB)は12月15日、政策金利の0・5%引き上げを決めました。利上げは7月以降4会合連続。ただ、上げ幅を0・75%から0・5%へ縮小。
世界的な物価高や急激なドル高で、新興国や途上国の債務問題が深刻化しています。国際通貨基金(IMF)は10月11日発表の金融安定報告書で「20カ国が債務不履行状態か、それに近い」と警告。
日本の円安・物価高も深刻ですが、新興国や途上国の経済も大変になっています。

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