2022年01月01日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[2022年 米国スケトウダラTAC削減と世界のフィレ市場への供給体制の変化]
今年2022年のロシア極東海域全体のスケトウダラのTAC設定は、192万7,000トンで前年2021年比3.5%の微減となっている。
一方の米国のスケトウダラ操業の主漁場、東ベーリング海のTAC設定は約110万トン、前年2021年より19%減で設定された。
これは、世界のスケトウダラのフィレ市場への供給体制に確実に変化を与えると予想される。
世界のスケトウダラのフィレの市場規模は45万トン-50万トンと見積もれられている。
新型コロナウイルスが発生する以前、中国の陸上再加工はこの量の半分、26万トンを供給していた。
製品は主にロシア産洋上H&G(ドレス)を原料としたダブル・フローズンだが、これらは現在10万トン-12万トンの減産となっている。
このことから需要と供給は不均衡となり、空白となった市場を埋めるのは、米国産と、“投資クオータ”により高次加工製品の生産が可能となったロシアの一部グループとなる。
更に、米国のTAC削減から、当該ロシアの一部グループの供給体制は勢いづくものと予想される。