2022年01月25日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[スケトウダラ高次加工製品を増産するロシア漁業]
昨年2021年、ロシアのスケトウダラ漁業のフィレ、ミンス等の高次加工製品の生産量は約15万トンとなった。
この内、洋上加工は12万3,000トンで前年2020年比52%の増加となり、すり身も2,400トン生産された。
また、極東地方の陸上加工場において2万6,000トンの高次加工製品が生産された。
この増産の背景には、“投資クオータ”第1弾を利用した高次加工漁船建造と陸上加工場の建設、そして、既存漁船への加工生産ラインの設置がある。
2020年、フィレ加工ラインを設備した漁船は30隻だったが、昨年2021年は34隻体制となった。
今年2022年、同タイプ漁船は38隻-40隻となり、洋上での高次加工製品の生産量は17万トン-19万トンになる見込みで、用意される“投資クオータ”第2弾により、これらは更に拡大することになる。
新型コロナウイルス拡散防止対策による中国の冷凍水産物輸入制限により、同国の再加工能力への依存を低減させることも必要となったロシア漁業は、自国の加工能力の強化への取り組みを加速させている。
この結果、H&G(ドレス)等の低次加工製品は減少しており、昨年2021年の生産量は53万5,000トンで、前年2020年比で24%下回った。