作業場の横にある材木置き場から、板を取り出そうと選んでいたところ、突然キセキレイが飛び出してきた。
そのまま飛び去るかと思っていたら、数メートル先の枝先に止まって、不安げにこちらを窺がっている。
板の隙間から、枯れ草やわらくずで作った鳥の巣の一部が見えたので、セキレイが子育て中であったことが分った。
悪いことをしてしまったと、作業を中断して、その場を離れることにした。
しばらく後で、そっと巣を覗いてみると、落ち着きを取り戻したセキレイが、卵を温めていたのでほっとした。
仕事は少々遅れても、健気な彼女の姿を見ていると、巣立ちまでは板を動かすことが出来ない。これから山里では、命の営みがあちこちで繰り広げられる。
毎年この時期になると、野生動物や蛙、つばめ、ミツバチ、クモなどの小動物や昆虫の捕食や巣作り、子育ての感動シーンを目にする事が出来る。