久し振りに、隣の集落に住む老夫婦を訪ねてきた。
私の家から大八賀川を4kmほど下った所にあるけど、渓谷沿いの道は崩落が多く、いつも通行止めになっている。
直接行くことが出来ないので、町の近くまで下って、国道361号線(木曽街道)を通って行くことになる。
猫の額ほどの小さな土地に、5軒の家が点在しているけど、子供も若者も一人も居ない。
今日訪ねたのは、80代の老夫婦だけの家で、去年までは自家用の米だけは作っていたけど、イノシシの被害が多く、畑作だけにしてしまったとの事だった。
隣の家は2年前に耕作を止め、町へ移住したけど、ここの水が旨いので毎週湧き水を取りに来て、ついでにその水で風呂を沸かして入るのが楽しみで通ってくるのだと話していた。
狭い道をさらに上っていくと、3軒の家があるけど、いずれも老夫婦だけで小さな田畑を守っている。
私の住んでいるところも、飲料水とたばこの自販機が2台ある以外は何も無いところだけど、ここにはそれすら無く、世間話も暮らし振りも浮世離れした別天地だ。