昨日、高山から名古屋へ戻ってきた。
高山祭りの見物をして、こちらへ来たら、氏神様の花車神明社の秋祭りが行われていた。
中村区名駅5丁目のこの神社は戦災を免れ、文政年間(1818~1830年)に建造された山車3台が各町内に残っている。
古い神社や山車が、昔の姿で名古屋駅前に残っているのも奇跡だが、からくりやお囃子で祭りを盛り上げる人たちが居るのも心強い。
それぞれの山車は、からくりが演じられ、旧内屋敷町の唐子車は逆立ちをした唐子が太鼓を打ち、旧花車町の紅葉狩車は更科姫が鬼女に変身する場面を、二福神車は恵比寿が鯛を釣るという故事にちなんだ演技が操られ、市の有形民俗文化財に指定されている。
祭りに参加しなかった当主に代わって、うちの婿も今秋から若手のからくりの綱方に、孫はお囃子方にデビューすることになった。祭りの締めは、提灯に火を灯した三両の山車が、神社の前で出会って幕が閉じられる。
以前、このあたりは納屋町、木挽町、禰宜町、水主町などの町名で下町の香りが残っていたが、「名駅」という味も素っ気も無い町名に統一されて以降、住宅も急激に少なくなり下町文化も消えていった。
この地区には、二つの小学校と、一つの中学校があるが、生徒の減少によって3校が統合されて、小中一貫校として2年後にスタートすることになった。
変貌の激しいこの町に、江戸時代からの祭りが受け継がれているのは奇跡に等しい。