今朝はまぶしいほどの陽光で、青い空と白い雲は梅雨明けを思わせるようだった。
関東地方は早くも梅雨明け宣言が出されたが、飛騨飛騨地方はまだ出てない。
こんな日が2~3日も続けば、この地方の梅雨明けも間もなくだろう。
私の住んでいる集落は、四方を山に囲まれているので、町から通じている道はすべて行き止まりであった。
最近、国道158号線から361号線を経由して、国道41号線をつなぐ広域農道が完成して、それ以降は通過車両が増えてきた。
通過車両は農林業の作業車より、奥飛騨温泉郷や信州、木曽、下呂などへ向かう観光客が圧倒的に多い。
山の尾根や山腹を縫うようにして走る山岳道路からは、槍・穂高や乗鞍岳、御岳、白山などが眺望できて人気ドライブコースになりつつある。
本来一般車両が入れなかったような奥地まで人が入れるようになって、沿線では様々な出来事が起こっている。
中でも問題になっているのは、ゴミの違法投棄や山野草、山菜、きのこなどの不法採取や入山者の不注意による山火事などである。
おおらかな山里の人達は、山菜採りなどに目くじらを立てることはなかったが、所構わず田畑に入って作物を踏んだり、畦を壊したりする行為に腹を立てている。
ツツジや笹ゆり、わさびなども根こそぎ掘られたり、農作物や資材などの盗難も発生して、自衛のための立て看板が目立つようになった。
やや刺激的な文言が気になるが、それは被害の大きさや多さを物語っている。
立てる人達も余分な費用を掛けてまで、目障りな看板を作りたくないだろうが、これが精一杯の自衛策になっている。
この集落を通る農道との十字路にも、手作りの交通案内と一緒に立て看板が最近設置された。
文言が穏やかでスマートな訴えは、素朴な集落の人達の人柄と切実な願いがにじみ出ている。
自然を大切にする山里の人達の心を踏みにじる行為が無くなり、無粋な看板が消えることを願いたい。