秋が深まり朝夕の冷え込みが強くなると、虫たちの行動も変わってくる。
毎朝玄関灯の周りには、何匹もの蛾がとまっている。
ほとんどの我は飛び立つことも無く、地面に落ちて死んでしまう。
中には交尾をしている蛾もいるが、恐らくオスはこのまま命が尽きて、メスが子孫を残していくのだろう。
役割を終えた働き蜂も、止まったままの姿を見かけることが多くなった。
近所の人は10月になると、蜂の針が抜けてしまうので刺すことはないと言っていたが、真偽のほどは分からない。
ムカデに似た茶色の虫が大発生して、道路や石垣でうごめき、家の中へも入ってくるので気味が悪い。
水路の底には落ちた虫の死骸がたくさん沈んでいる。
死期を知って飛び込むのか、力尽きて落ちてしまったのかは分からないが、毎日おびただしい数の虫が現われては死んでいく。
これほどの大発生は始めて見るが、こんな年は雪が多いと近所のお年寄りが言っていた。
刈り取りが終わった田んぼから、カメ虫たちも家に戻ってきて、冬ごもりの場所を探し始めた。
野山を彩る秋模様の中で、虫たちの不思議な行動が繰り広げられている。