田んぼへ通う農道の脇の野ばらが、満開になった。
鋭い棘を付けた枝が道をふさぐように伸びて、時々痛い思いをする。
栗の木も白い花をいっぱい付けて、梅雨空にむせる様な匂いを振りまいている。
あまり良い匂いとは思えないが、蝶や蜂の好みは違うようで、匂いに誘われて回りを飛び回っている。
クルミも一回り大きくなって、お辞儀をし始めた。
秋にはぶどうの房のように垂れ下がり、熟して地面に落下する。
それを狙って、小はリスから大は熊まで、先を競って食べに来る
またたびの白い花を見たのは、つい先日だと思っていたら、いつの間にやら小さな実に変わっていた。
猫にまたたびとと言われるように、猫が食べると興奮して陶酔状態になる。
猫科の動物だけの現象のようだが、またたび酒は疲労回復に効果があると言われている。
またたびの語源は、旅人が疲れた時に実を食べると、疲れが取れてまた旅が続けられることからきたとも伝えれれている。
季節は既に盛夏のようだが、野山の植物はいつもと変わりなく花を咲かせ、実をつけている。