田畑の朝露は、日が差し始めると蒸発して空に昇っていく。
あたりの熱も一緒に連れて行くので、朝の一時はとても涼しい。
散歩をかねて毎朝田畑の見回りをしているが、連日の好天で、作物の成長はびっくりするほど早い。
キュウリやエンドウはその日に食べる分だけを取っているが、既にその量をはるかに超えて、食べ切れなくなってしまった。
トマトも色づいてきたので、来週あたりから収穫が出来そうだ。
雨を嫌うトマトは、ビニールシートで雨除けをしたり、ハウスで栽培するところが多いが、今年は育つ時期に長雨が少なく、露地でも順調に育っている。
スイカやメロンも蔓やわき芽が勢いよく伸びて、蔓同士がもつれてしまうので目を離せない。
田んぼの草取りも、毎日少しずつやっているが、新顔が次々に出てくる。
むかしから、米作りは草との戦いと言われているが、過酷な戦いは夏の終わりまで続く。
稲は50~60センチほどに伸びているので、中腰で草を取っていると鋭い葉の先端が頬を突いたり、うっかりすると目に入ったりする。
むき出しの腕はギザギザの葉に擦られて、酷いときはカブレてみみず腫れが出来ることもある。
炎天下の草取りは、暑さと汗対策を工夫をしているが、それを防ぐ極め手は見つからない。
例の、い草の蓑と菅笠の山里クールビズでも、噴き出す大量の汗は防ぎようがなく、目に入ったりしても両手が泥だらけで拭くことが出来ない。
今日も雲ひとつない快晴で、暑さと汗とギザギザ葉っぱに耐えながら、親の敵をとるように、むきになって草を取った。