朝食前の日課は、犬の散歩と田畑の見回りである。
田んぼでは、稲や水の状態、雑草の生え具合、病害虫の様子などを見て回る。
畑も同じように一巡しながら、今日やる仕事の段取りなどを決めている。
その間に、朝食のおかずにする食べごろの野菜を取って、献立なども考える。
キュウリは収穫期に入ったので、朝昼晩におやつの分まで取っても、追い付かなくなってきた。
酢の物や浅漬けなども作るが、朝はもっぱら切って塩を振ったり、マヨネーズをかける程度だ。
今朝の献立は、朝取りの野菜を使っ標準的な朝食であるが、間もなくトマトやナス、オクラなどが加わってくる。
朝のうちに田と畑の草取りをしたが、久しぶりの日差しで、背中がじりじりと焼かれるようだった。
梅雨明けを思わせるような青い空と白い雲も、そう長くは続かないようだ。
話は変わるが、今朝、玄関の網戸に小枝の切れ端が付いていたので、取り除こうと思ってよく見たら蛾だった。
玄関灯に誘われて、いろいろな昆虫がやってくるが、今は大小色とりどりの蛾が多い。
真夏になると、カブトムシやクワガタ、カミキリなども訪ねて来る。
蛾は小枝のほかに、枯葉や若葉、強い昆虫の蜂やカマキリなどにも変身するのもいる。
天敵から身を守ったり、安心して近づいてきた獲物を捕食するため、長い年月をかけて進化した技はすごい。
昆虫の世界は、食うか食われるかの瀬戸際を生き抜くため、時には騙し、時には脅しながら、懸命に生きている。
人間世界にも、羊の皮を被った擬態上手もいるが、こんな輩には、虫の5分の魂でも煎じて飲ませてやりたくなる。
何ごとも、外見だけで判断すると痛い目にあう。