今日の名古屋の空は、透き通ったコバルトブルーで山里を思わせるようだった。
日差しが強くて暑かったが、おかあさんのお供で買い物に付き合った。
この暑い日中でも、栄の繁華街は人も車も多く賑やかだ。
登山靴を新調するつもりで好日山荘に寄ったが、絞り切れずに後日にすることにした。
おかあさんは、4足もあるのにまた買うのと冷ややかに言っていたが、目的の山や季節によって使い分けていることが判らないようだ。
靴底以外は傷みがなく捨てるのはもったいないと思うが、ブレーキがよく効きクッション性能の良い靴は安全で膝や腰にも良いので、早めに履き替えるようにしている。
熊除けの鈴やホイッスル、スプレーなどがたくさん並んでいたので、消音機能付き真鍮製の鈴を購入した。
秋山は、冬篭り前の熊が活動する時期なので、こうしたグッズが売られているが、とっさの場合に熊の鼻先にペッパーをスプレーする度胸も機敏さもないので、一番音の大きい鈴を選んだ。
先日は鈴の音に反応しない熊に出遭ったので、一抹の不安はあるが付けていれば多少は安心できる。
新聞の投書欄に、やたらに鈴を鳴らして歩いている登山者を見かけるが、静かに自然を楽しんでいる者にとって耳障りだという旨の意見が載っていた。
人様々で、隣の風鈴がうるさいと感じる人もいるので、念のため消音機能付を選ぶことにした。
見通しの悪い登山道で、突然目の前に人が現れてびっくりすることもあるが、遠くからちりんちりんと鈴の音が近づいて来てほっとすることもある。
御岳登山でよく見かけるが、白装束に菅笠、金剛杖で身を固め、六根清浄を唱えて鈴の音を響かせながら登拝する姿は味わい深いが、信者以外で耳障り目ざわりと見る人もいるだろう。
登山者が増えて窮屈な思いをすることがあるので、最近は無名の藪山に分け入ることが多くなった。
そこは野生動物の領域で人に会うことはないが、熊に襲われないよう侵さないように気を配りながら登るようにしている。