飛騨・世界生活文化センターのコンベンションホールで開催中の「暮らしの家具展」を見てきた。
広い会場には、飛騨地区の家具メーカーや工房、関連団体が各ブースごとに新作を展示していた。
今年のテーマは「自然との共生」で、サブタイトルは「森に生かされ、森を活かす」とうたっている。
昔から、飛騨の家具メーカーは豊富な木材資源に恵まれ、ムク材を使った重厚な脚物家具を得意として全国に出荷していた。
ブナやナラ材も大量に伐り出され、海外へ輸出されるほど林業も栄えていた。
無計画な乱伐がたたって、現在では家具に利用できる大径木の広葉樹は枯渇して、大半が輸入材に頼っている。
伐採されたあとに、成長の早い杉や唐松などが植林されたが、利用されることも無く山は荒廃している。
遅ればせながら飛騨木工連は、「自然との共生」をテーマに掲げ、間伐材の利用や森の再生に取り組みはじめた。
この成果がすぐに今回の展示会に反映されることは無いが、根気よく各メーカーが取り組めば、飛騨家具の評価は高まり市場も広がっていくことだろう。
併設企画の「飛騨のクラフト展」も見てきたが、出展者22人の意欲的な作品が展示されていた。
飛騨の伝統的な匠の技の中に、目を見張るような新しい技と表現が加わり興味深かった。
木彫師元田五山氏の「BONNO」は、人間の持つ108の煩悩を表現したと解説書に記してあった。
仏像や童子像を得意とする高齢の木彫師からは、想像も出来ない斬新さが感じられた。
なじみの作家の作品からは、いつも刺激を受け啓発されている。
帰りは高山の町に寄って、折から開催中の「飛騨の味まつり」を見物してきた。
飛騨特産の食材や近郊の特産品を販売する露店が並び、観光客や地元の人たちで賑わっていた。
五平餅や岩魚の塩焼きから香ばしい匂いが漂ってきたが、暑さに負けてカキ氷にしてしまった。
国分寺の八日市にも顔を出して、週末の午後をのんびりと過ごしてきた。