昨日の好天とは打って変わって、今日は冷たい雨が降った。
気温も低く朝は15度を切り、最高気温も20度を超えなかった。
稲架に掛けてある稲も刈り取った稲も、無情の雨に濡れている。
板張りの床下からはコオロギが切なげに鳴き、すき間風が妙に身にしみる。
上着を羽織っても部屋にじっとしていると肌寒いので、少し気が早いが炬燵を出した。
飛騨は秋がなくて冬が突然やってくると言われているが、そんな前触れを感じる日になった。
午後遅くに雨は上がったが、外の仕事に取り掛かる気力も萎えて、炬燵でうたた寝などをしてのんびりと過ごした。
雨上がりの夕方、近所を散歩をしていたら、イモリの一家が道路を横切っていた。
秋によく見かける光景で、落水して干上がった田んぼから、冬篭りをするために集団で森へ移動していく。
小さな子供は、森に着く前に野鳥やガマに襲われたり、道路が乾いて干物になったりして、寝ぐらに辿り着くのは多くはない。
トンボやカマキリもめっきり少なくなり、子孫を残した昆虫たちに、アリが群がり命が引き継がれていく。
ススキの穂が弾けて風に舞う姿がもの悲しく、秋は小さな命さえ愛しく思わせる。