先日の中日新聞飛騨版に、「古民家貸し出し反響大・・・」の見出しで記事が載っていた。
飛騨地域の空き家や古民家の再活用をしようと、地元の建設会社と観光コンサルティング会社「美ら地球」が、共同で里山オフィス事業を立ち上げた。
古民家を視察に訪れた都内のソフト開発会社の社長は、「パソコンと電話があれば仕事はできる。落ち着いた環境でスタッフのストレス解消にもなる」と好感触を持ったとのことだ。
「美ら地球」が二〇〇九年から三年間、飛騨地域の民家を調査したところ、二割が空き家で三割以上が居住者二人以下だった。
高齢化で今後の家屋の維持が危ぶまれる中、居住にとどまらない幅広い活用が課題になっていると記事は締めくくっている。
私の住む集落も空き家が多く、老夫婦や独居老人の家も少なくないので、今後も人の住まない古民家や耕作放棄地は増えていくことだろう。
かつて「ふるさと創生事業」や「都市・農村交流事業」など国の音頭取りで進められてきたプロジェクトも、その場限りで継続的な効果は薄かった。
「美ら地球」は、都会育ちで海外経験の長い若いスタッフたちが飛騨に移住して、飛騨里山サイクリングや古民家再生、里山の暮らしを紹介する活動などを展開している。
昨年は飛騨里山サイクリングが、環境省からエコツーリズム大賞特別賞を受賞している。
体験型の旅行を好む外国人にも受けて、申し込みの半数を占めるまでになったとのことだ。
従来の発想では、自然以外に何もない過疎の里山が、観光やビジネス拠点の対象とはなり得なかった。
外から来た若い人たちが、飛騨に根付いて田舎と都会の橋渡しをすれば、きっと大きな力になるだろう。 (写真は掲載記事と関係はありません)