Kobby loves 埼玉&レッズ

埼玉と浦和レッズを愛する管理者のブログです。

史上最強の高校生(平山相太)

2014-12-20 14:58:29 | 高校サッカー
年末が近づく今頃は、高校サッカーを思い出します。今年は準決勝と決勝が地元の埼玉スタジアムなので、可能なら足を運んでみたいと思っています。高校サッカーの思い出では、2003年に当時国見高校の平山相太(現FC東京)を見に行ったことが印象的です。当時、平山はUAEで開催されたワールドユースで、高校生ながらU-20代表に選ばれて2ゴールの活躍でした。もともとは中原(仙台)を招集する予定が、負傷で離脱して平山にお鉢が回ってきたチャンスをものにしたのはさすがです。

当時のユース代表監督、大熊清氏が「まさかあそこまで通用するとは」と驚いたほど、エジプト戦で決勝ゴールを決めたりヘディングで勝ったりと、世界でも通用しそうな勢いでした。その後、平山は日本一有名な高校生選手として、国見高校のエースストライカーとして高校選手権に出てきました。

私は、駒場スタジアムに平山が来た3回戦の広島皆実戦と、国立競技場での決勝の筑陽学園戦を生で見ています。当時の印象は、意外にもヘディングだけではないものでした。スペースに出ることもできますし、足元の技術もしっかりしていました。あまり動かないのが課題でしたが、当時のマスコミには「A代表に入れては?」という意見が載ったこともあります。

その期待通り、平山はアテネ五輪を目指すU-23代表にも招集されました。当時の平山フィーバーは相当で、平山が進学した筑波大でも「平山がロッカールームに来た」などという情報が、学生の間で携帯メールでやりとりされたほどでした。(当時ラインやfacebookはありませんでした。)

アテネ五輪でも、初戦のパラグアイ戦で出番を得ましたが、A代表候補とまで言われたほどの活躍ではありませんでした。平山はその後、筑波大を中退してオランダリーグに挑戦する決断をしましたが、ここで思うように出番を得られなかったことが、彼のサッカー人生で大きなマイナスになってしまいました。

今、思い出しても残念なのは、もし筑波大に残っていればとの判断です。筑波大の体育学部は単位認定が厳しいことで知られますが、スポーツマネジメントやプロとしての自己管理など、いろんなことを学べます。プロとして完成する前に、オランダに渡った青田買いに乗ったことが、彼にとっては残念だったと思います。
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最後に綻んだ堅守(高校サッカー決勝)

2014-01-13 21:23:28 | 高校サッカー
今回の高校サッカー決勝は、富山第一対星稜(石川)というカードでした。どちらが勝っても北陸初の優勝ということで注目された一戦で、国立競技場は超満員で立ち見が出るほどでした。世界的に見ても、ユースレベルの大会でこれだけの観客を動員できるイベントはなく、選手たちは「俺は5万人を楽しませたんだ」と自信を持って欲しいと思います。

試合内容ですが、星稜は決勝までの4試合で無失点、0-0のPK戦を2度制している守備力のチームなのに対し、富山第一は3-2の勝利が2度あるなど攻撃力が売り物です。星稜は試合を見てもそのイメージどおりの堅守速攻のチームで、2トップにスピード型を並べて攻守の切り替えの速さで勝負するチームでした。

準決勝で大会No.1ストライカーの京都橘、小屋松選手を完封した星稜は、バイタルエリアに堅陣を築きなかなか富山第一にゴールを割らせませんでした。富山第一はセットプレーで6得点取っているのが得点源で、この日もFKで様々なバリエーションを見せましたが、星稜GKの好守でそれを抑え込みます。

その展開で、富山第一DFのデンジャラスプレーでPKが与えられ、星稜キャプテンの10番が決めて1-0になった時点で、これで十分なリードのように思えました。あとはしっかり時間を使えばいいと思っていましたが、逆に露骨な時間稼ぎをしないところが高校生らしくさわやかで、逆に攻めて森山がゴールを決めて2-0として、ほぼセーフティと思われました。

しかし、富山第一も思い切って4-2-3-1から4-3-3に布陣を変更して、両ウイングに途中出場の選手を入れてウイングサッカーに勝負を賭けます。結果的にこれが当たりました。途中出場の左ウイングの19番のクロスから、逆のウイングの20番にボールが渡り1点を返すと、ロスタイムに星稜DFが痛恨のPKを献上して大塚が決めて同点になり延長になります。

こうなると、追いついて押せ押せの富山第一は、準決勝で活躍したPKストッパー、サブGK田子に準備をさせます。田子の存在で星稜がPK戦を避けたいという心理状態になれば隙が生まれるという心理戦でしたが、勝負は意外にもロングスローから富山第一の途中出場の19番が決めて3-2となり決着します。

一つ星稜に悔いが残るとすれば、森山の途中交代だったかもしれません。2点リードで延長戦は想定しなかったとはいえ、もし最後に森山の決定力が残っていればと、惜しまれた交代だったと思います。
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粘りの鵬翔(高校サッカー決勝)

2013-01-19 16:50:34 | 高校サッカー
以前、鵬翔高校(宮崎)はダブルボランチを引かせて粘り強くこぼれ球を拾うチームと書きました。このサッカーは相手FWがターゲットマンタイプのチームには有効ですが、京都橘の2トップはドリブラーの仙頭選手、小屋松選手とスピード型のよく似たキャラクターで鵬翔にとっては守りにくいタイプです。

特に京都橘のFWのどちらかがドリブルでゴールラインまで切れ込んでマイナスのクロスを上げられると鵬翔は苦しいはずと思っていましたが、京都橘の先制点はまさにその形でした。粘っているうちに相手が根負けするのが狙いの鵬翔は、この展開では持ち味の粘りは出せないと予想しました。

しかし、鵬翔には前回書かなかった長所がありました。それは速いカウンターとセットプレーです。雪で日程が延びて、負傷していた鵬翔のエース中浜選手が回復する時間ができたのもプラスに働きました。準決勝では直接FKで点を取っている鵬翔は、2度のビハインドを追い付いて延長戦に持ち込みます。

この延長戦が両チームの心理状態を象徴していました。優勢だった京都橘は一気に攻め勝ちたいと人数をかけてきますが、鵬翔はペナルティエリアに人数を割いてしのぎ、素早いカウンターを繰り出して京都橘の焦りを誘います。

こういう展開が続けば、PK戦の鵬翔の勝利は必然だったと思います。特に、京都橘は一人目に仙頭選手、二人目に小屋松選手と最も信頼できる選手を置いて、最初でリードされないような順番で来たので、仙頭選手が失敗した時点でほぼ決着がついたと思います。
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手堅い戦い(京都橘高校)

2013-01-12 17:29:49 | 高校サッカー
正月休みに体が慣れていたため、大抵成人の日の3連休は平日のリズムに適応できない反動が出ます。そういう理由で、高校サッカーの準決勝はいつも2試合ともしっかり分析できるほどの集中力で見られたことはありません。今回もしっかり見たのは第2試合の京都橘対桐光学園だけです。

この試合は見所がはっきりしていました。桐光学園の司令塔松井選手対京都橘の守備陣です。桐光学園は中盤をダイヤモンドに組んで松井選手のゲームメークに賭ける布陣なので、京都橘がどういう対策を立ててくるかは注目でした。

結論を先に言えば、松井選手は京都橘にうまく消されてしまいました。松井選手のパスはスペースに出すことが多いので、京都橘は最終ラインを余り気味の位置に設定しました。また、松井選手自身にも一定の距離でアンカーの釈選手がつき、松井選手の縦方向をうまく切りました。

松井選手を中心に見ていた私は、「今日の松井選手、存在感がないな」と思っていましたが、それは京都橘がうまく対策を立てていたからでした。京都橘は攻撃でも工夫を見せました。

準々決勝までの4試合では桐光学園の2倍近いシュートを放つなど、本来は攻撃的なチームですが、この試合は2トップの仙頭選手と小屋松選手が持っている個人技を生かすために、意図的にカウンターを狙いました。

京都橘の2トップは似たようなキャラクターで、ドリブルでボールを持つこともラストパスで周りを生かすこともできる選手です。大迫(鹿島)が持つ高校選手権の最多得点10点について質問された小屋松選手は、「一人で10点は無理だが、仙頭選手と二人で10点なら可能」と答えています。

Jリーグに例えるなら、2003年にナビスコ杯を優勝した当時の浦和のエメルソンと田中達也の2トップを思い出します。似たキャラクターの2トップなら、役割をいつでも入れ替えられるのは大きな武器で、今日の試合も仙頭選手と小屋松選手で1点ずつと狙い通りの結果を出しました。

決勝戦の相手、鵬翔も手堅いタイプのチームです。どちらが積極的に仕掛けるかは決勝戦の見所だと思います。
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真ん中で「戦わない」(鵬翔高校)

2013-01-06 12:00:47 | 高校サッカー
今季浦和に移籍してくる興梠慎三選手の母校、宮崎県の鵬翔高校が高校選手権で4強入りして国立競技場の舞台に立ちます。2010年南アフリカW杯を制したスペイン代表のサッカーが「ペナルティエリアの幅だけでサッカーができる」のが売り物で、大きくサイドへ振らなくてもショートパスだけで崩すことができます。

鵬翔高校のサッカーを見ていると、このスペイン代表と逆の考え方に見えます。ペナルティエリアにCBとダブルボランチで四角形を作ってセカンドボールを粘り強く拾い、攻撃はSBとMFの2枚でサイドからという考え方です。

こういうサッカーはFWがボックスの中に張り付くチームと戦うときに有効です。このサッカーを以前見たのは2005年の天皇杯3回戦浦和対山形(駒場)で、浦和のキーマン、マリッチを消そうとした敵将鈴木淳監督が打った手です。

いいボールに反応するタイプのマリッチは、前後左右を挟まれる山形の格下戦術に次第に苛立ってきたのが駒場のスタンドから手に取るように見えてきました。ダブルボランチが変に攻撃に色気を出さないところがこの戦術を機能させるための重要なポイントで、マリッチにいくらクロスを入れても浦和ボールにならないというのが苦戦の理由でした。

当時の浦和はセットプレーで点を取ってこの四角形を解くことに成功します。鵬翔高校は逆にこの戦術を維持したままセットプレーで点を取ります。相手の立正大淞南はいくらクロスを入れてもマイボールにならず、大いに苛立ったことと思います。

字数が余ったので他の試合を書くと、桐光学園のトップ下、松井選手のゲームメーカーぶりは光りました。桐光学園は4人の中盤はダイヤモンドに組んでいて松井の守備にはさほど期待しないという布陣でしたが、前を向いたときの松井のセンスはさすがでした。

松井のパスを見て思い出したのは小野伸二で、正しい姿勢で前を向いて走ればパスは出てくるという面白さはそっくりです。松井にJリーグからオファーは来なかったらしいですが、大学やJFLなどでまだ復活の可能性はあると期待しています。
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ロスタイムのドラマ(1/9市立船橋対四日市中央工)

2012-01-09 18:55:26 | 高校サッカー
前半1分で早くも点が入ったところを見ると、この試合は点が入りそうな予感がありました。ただ、前半の内容を見ていると、四日市中央工(以下四中工)がうまく市立船橋のいいところを消した印象があります。

市立船橋のトップ下の和泉君(10番)は完全に消され、右SBの2番の突破などのサイド攻撃が頼りでしたが、出場停止のキャプテン国吉君の代わりにキャプテンマークを巻いた3番を中心に市立船橋の攻撃を跳ね返し、前半を1-0で折り返します。

四中工は2トップの決定力が売り物という評判でしたが、確かに先制点の場面では田村君(9番)がうまくフリーになってGKがセーブしきれず、浅野君(16番)がきっちり押し込む、四中工らしい点の取り方だったと思います。寺尾君(8番)のスペースに飛び出すサイド攻撃も効果的でした。

後半になってくると、プレッシングで頑張っていた四中工のボランチ25番の足がつって、四中工のプレスが効かなくなってきました。それでも、相手エース和泉君へのパスコースはしっかり消して、今日は和泉君は完全に消されたなと思っていました。

四中工の逃げ切りが濃厚になったロスタイムですが、市立船橋がCKを得意にしているところが最後の拠り所でした。そのCKが何本も続いたことで、市立船橋の応援団でなくてもひょっとしたらという気持ちになったと思いますが、見事同点弾を押し込んだのが不発に思えた和泉君だったことが延長戦の流れも変えました。

高校サッカーの場合、10日間で最大6試合という強行日程ですから、選手の疲労は両チームとも極限状態だったと思います。その両者の動きを分けたのはたぶん精神面で、一般的に延長戦は追い付いた方が有利と言われていますが、精神面に依存するプレッシングサッカーの四中工が、あと数10秒耐えれば優勝という絶好機を逃した以上、気落ちするのはやむを得ないと思います。

今日は彼の日ではないとテレビの前で言い切っていた和泉君が、延長戦に入ると完全に息を吹き返して、市立船橋が優位に延長戦を戦いました。その和泉君が決勝点まで決めたのはさすがエースで、89分不発でも残り1分で結果を出せばいいという海外ではよくある考え方で語られると思います。
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平山相太の国見

2011-12-10 16:22:56 | 高校サッカー
冬の高校サッカー選手権を見ていると、Jリーグレベルという選手はよく見つかりますが、チームとして強かったというイメージが今でもあるのは、平山相太のいた国見高校です。名将小峰監督が、20年近く長崎県予選で敗退したことがないという驚異的なチームを作っていましたが、平山相太がいたときのチームは最強だったと思います。

あの当時、平山はワールドユースのグループリーグのエジプト戦で決勝点を決める活躍で、スポーツ紙の一面に載るほどの有名人になりました。平山以外全員プロというメンバーに入って堂々と活躍しただけに、こんなレベルの選手が選手権で見られるのは嬉しく、3回戦の広島皆実戦と決勝の筑陽学園戦を見に行きました。

このとき、国立競技場のバックスタンドで当時のユース代表監督(現FC東京監督)の大熊監督を発見したことも印象にありますが、試合の印象はもっと強烈でした。国見高校の場合、平山のようなダントツのトップレベルなら必ず起用しますが、10人目、11人目の選手を選ぶときは体力レベルの高い選手を優先しているように外からは見えます。

以前、Numberに載っていた記事によると、当時のチェコ代表のブリュックナー監督がプレスの掛け具合を意図的に調節して、わざとあまりうまくない選手にボールを持たせるという高等戦術があることを話していました。

これが日本のチームでできるとは思っていませんでしたが、それを実現したのが当時の国見高校でした。いつもの国見なら最初から激しいプレスを掛けて相手を圧倒するサッカーをするのですが、この筑陽学園戦では、両SBならボールを持たせてもいいというサッカーをしました。

後で知った話では、筑陽学園の右SBは高校からサッカーを始めた選手でした。国見があまりにも彼をフリーにするので、ドリブルで上がってクロスを上げたりしていましたが、そのクロスを国見がカットしたところが国見の攻撃の合図でした。

ただでさえ体力レベルの高い国見にこんなサッカーをされたら、筑陽学園はどうしようもありませんでした。全てで上回った国見は6-0の大差で筑陽学園を下し、見事優勝を果たしました。今でも、平山以外にも兵藤(横浜FM)、渡辺千真(横浜FM)、城後(福岡)の現役Jリーガーを持つ、最強世代と思います。
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ブルドーザー2トップ(久御山対滝川第二)

2011-01-10 16:45:26 | 高校サッカー
今日の高校サッカー決勝はさすがに3連休の最終日で体力も回復したので、試合中に寝ることはありませんでした。しかし、昨日の夜は嵐を思わせる強風が吹く、寝付けない夜だったので、今日国立へ行かれた方は相当苦労なされたことと思います。

見所は何と言っても滝川第二の「ブルドーザー2トップ」と呼ばれる樋口君(10番)、浜口君(11番)のコンビを、組織の久御山が抑えられるかだと思っていましたが、結論から言えば思う存分活躍されてしまいました。二人とも2得点で、樋口君は8得点で単独の得点王に輝く結果になりました。

個人的には浜口君の1点目を一番評価したいです。本城君(9番)の頭での折り返しに体で相手DFをブロックして、後ろ向きでボールを受けながら素早く反転してゴールを決めたその運動神経には、マニアックな文章を書くだけのオタクの私には感服するばかりです。

それでも、久御山の方も持ち味は十分見せた試合でした。「京都のバルサ」と呼ばれる組織力でここまで勝ち上がってきた能力は、この試合でも十分見ることはできました。確かに点は5点取られてしまいましたが、1対1でボールを奪ってパスを回す、W杯のスペイン代表のようなサッカーを見られたことはすばらしかったですし、一時は3点差をつけられながらも、3-4と1点差まで追い上げて勝負をもつれさせた執念は評価すべきだと思います。

滝川第二は日本代表の岡崎慎司選手を輩出している学校で、アジアカップを戦っている岡崎自身からかつてのチームメイトに電話が掛かってきて、母校のリードに喜んだという話です。当時の監督だった黒田氏は、J1神戸から強化部長のオファーが来て、現在のかこい(漢字出ず)監督が後を継いだようです。

高校生らしい、常に前を向いて戦う姿は、本当にさわやかでした。高校生のサッカー選手で満員の国立競技場を体験できる機会はこの選手権決勝しかありませんから、自分は4万人の観衆を楽しませたと、これからの人生で誇りを持って生きて欲しいと思います。
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得点パターン(1/11山梨学院対青森山田)

2010-01-11 19:08:23 | 高校サッカー
今年はあまり高校サッカーをチェックしていなかったので、今回の決勝戦に出てきた両チームの特徴は事前には知りませんでした。唯一、青森山田の10番の柴崎選手がU-17代表で注目されていることだけは知っていました。

青森山田は青森県大会では無敵に近い存在で、選手権ではベスト4の経験があります。いわば、全国大会は定位置ですが、対する山梨学院大附は全国大会は初出場で優勝候補には挙げられていませんでした。それだけの情報だと、どうしても青森山田優位を予想してしまいます。

しかし、国立のスタンドに座って実際に試合を見る限りでは、山梨学院の方が明確な得点パターンを持っているように見えました。一つは10番の伊東選手の個人技で時間を作って19番を走らせる形で、もう一つはサイドハーフが深い位置でキープしてからの7番(碓井選手)のミドルです。

その後者の形で、山梨学院はうまく前半11分という早い時間で先制できました。しかし、まだまだ残り時間は長く、青森山田も柴崎選手やダブルボランチを組む椎名選手(7番)次第で、チャンスは十分ありました。

この試合は、結局山梨学院がこの1点を守り切って勝利することになりましたが、青森山田に悔いが残るとすれば椎名選手と柴崎選手の距離が離れていたことだろうと思います。アンカーの椎名選手のパスセンスも悪くはないですが、柴崎選手が無闇にトップ下気味に上がるので、この両者間のパスをカットされる場面もありました。

それでも、最後に中盤をダイヤモンドに組み換えて柴崎選手をトップ下に専念させると、いいボールを前線に送ることができるようになりましたが、青森山田のFWが決めることができませんでした。1-0の決着なので、どうしても0点に終わったチームの良さが見えにくいのが残念ですが、試合としては両チームとも技術の高さを見せて、面白い試合だったと思います。

以前、高校選手権の決勝で、市立船橋の小川(現名古屋)のミドルシュートで1-0で勝った試合を思い出しましたが、当時の解説者に「一生に一度のシュートかもしれませんね」と言われていました。名古屋入りし、主力選手になったことで、そうではないと証明しましたが。
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ユース年代の育成

2009-09-18 20:43:53 | 高校サッカー
ユース年代の育成という意味では、最先端を行くのはおそらく日本最強のユースチームであるサンフレッチェ広島ユースでしょう。浦和あたりだと、数年前まではユースをセレクションで選んでいましたが、広島は全国規模のスカウトで選んでいます。

そのため、広島ユース出身でも広島県出身でない選手は駒野(和歌山県出身)など結構います。全国から選手を集めるためにはトップチーム並みの選手寮が必要ですが、広島はいち早く、吉田町にユース専門の拠点を置きます。

また、全寮制にはメリットもあり、全員を同じ高校に入学させて、修学旅行のような学校行事を同じ日に揃えることができます。これは後に鹿島、京都も追随しますが、当時としては最先端の考えでした。

また、広島ユースの存在目的が「プロを目指す」と明確に定義されていることも、選手たちにとってはやりやすいでしょう。浦和はなかなかユース出身のプロを出せませんでしたが、広島は森崎兄弟、駒野(現磐田)、柏木、槙野らチームの中心に成長して全国レベルの知名度を得た選手たちがいます。

ただ、広島ユースも最近は全国大会で勝てないこともあります。それは、チームを率いる森山佳郎監督が育成を重視している理由もあります。逆に勝利を重視してきたチームも、高校まで枠を広げればあります。

それは、高校サッカーの名門、国見高校です。国見高校なら、普通にプレーしても勝てるだけの戦力は持っていますが、国見のサッカーは基本的に「安全運転」で、プロでいえばタイトルの掛かった決勝戦のような試合を最初からやります。

必然的にまずはボールを自軍のゴールから遠ざけるロングボールが多くなります。また、国見の選手選考は大久保(神戸)や平山(FC東京)ら別格の選手を除くと、基本的に体力重視です。10番目、11番目の選手となると、同じ実力なら体力のある方を選ぶという意図は試合を見れば感じます。

それがはまって勝てた試合は、平山が3年のときの選手権決勝などの成功例も見ていますし、勝つことで全国から注目を集めるという意味では、勝つことを重視するという戦略も間違ってはいません。

国見も広島ユースも、プロは両者とも輩出していますから、どちらが正しいかは難しいです。ただ、高校の場合、選手権はトーナメントで負ければ終わりですから、どうしても勝利重視になるのはやむを得ない点もあります。Jリーグのユースの方が、選手の育成という意味では自由度は高いのかなという気はします。
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