韓国憲法裁判所は12月23日、1965年の日韓国交正常化の際に締結され、韓国人の請求権問題は「完全かつ最終的に解決された」とした日韓請求権協定が、韓国人の財産権を保障した韓国憲法に違反するとの訴えについて「(訴えの)要件を満たしていない」と判断を避け、「門前払い」に当たる却下の決定を出した。
違憲判断が出れば、植民地支配の清算に関する両国間合意を韓国司法が一方的に否定することになり、日韓関係は一層悪化する恐れがあったが回避された。日本政府は「韓国が日韓関係を前進させようとしているメッセージ」と受け止めて歓迎している。
韓国では12月17日、朴大統領の名誉を記事で傷つけたとして在宅起訴された産経新聞の前ソウル支局長に無罪判決が出たばかり。
訴訟の原告側弁護士は「政府に配慮し違憲性の判断を回避した可能性がある」と指摘した。
請求権協定は日本が韓国に政府間で3億ドルを無償で、2億ドルを有償で提供することで両国と国民間の全ての請求権問題が解決したと明記した。
しかし韓国では2012年以降、植民地支配に伴う不法行為で生じた損害賠償請求権は協定では消滅していないとの司法判断が続いている。
憲法裁での訴訟は、旧日本軍に動員された男性(故人)の娘、李命哉さんが2009年に起こした。
日本側の未払い給与などが残る被害者や遺族に対し、韓国政府が「国外強制動員犠牲者等支援法」に基づき支払う支援金が安過ぎるとの内容。
協定のために、未払い給与などの支払いを日本側に直接請求できなくなり、個人の財産権が侵害されたとも主張した。
憲法裁は、協定は支援法の根拠となる法規ではなく、違憲性を審理する必要はないと判断した。
支援金額についても「人道的支援で不当に低いとはいえない」として請求を退けた。
憲法裁では上訴できない。
今回は憲法判断をせずに逃げ、いつでも手のひらを返すことができるようにしたというところだろう。
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