サウナを出て、柳ケ瀬の方まで歩いた。せっかくここまで来たのだから、かつての繁華街、柳ケ瀬で飲んで帰ろうと思った。往時の賑わいがどのくらいだったのかは知らないが、もはや見る影もなく、街は衰退していた。
〽︎柳ケ瀬の夜は泣いている
と歌った美川憲一さん。もしかして泣いているのは柳ケ瀬の町なのかもしれない。商店街に酒場があった。
「わらっとこ NEO柳ヶ瀬」という店。
大きな暖簾に誘われて、店頭のメニューを見たが、一品一品がものすごく高い。驚くほどの料金体系に思わず踵を返した。店内にお客は一人もいなかった。
仕方なく岐阜駅の方へ向かう。酒場はポツポツとあるが、どこも食指が伸びない。ゆがて、見覚えのある通りに出て、「水谷」という酒場の前に。以前入ったことがあり、なかなかいい酒場だった。入ってみようと思ったら、満席だった。「わらっとこ」と何が違うのだろうか。そして、さらに駅の方へ。
「岐阜横丁」というビルがあった。店頭の看板を見ると、様々な店が入居しているという。名前にスタンドと入った店が幾つかあるようで、立ち飲みかなと思って入ってみたが、2階は真っ暗で廃墟みたいだったし、3階もなんだか営っているんだか、なんだか分からない店ばかりだったのでやめた。
こりゃもう打つ手なし。早く店を決めないと帰京の時間も遅くなる。もう、インスピレーションで決めちゃおう。
また、駅を背にして歩くと、「焼き肉ホルモン酒場」という看板が目についた。おぉ、これはいい。ちょうどホルモンが食べたかったんだ。
店に入って席に案内されると、女性の店員が来て、一通り説明してくれた。
レモンサワー、60分飲み放題だって。しかも値段は550円て、ホントかよ。サーバーがテーブルに付いてるし。粗悪なものが出てくるんじゃないかと警戒したが、まぁ、ものは試し。その60分レサワをオーダーした。飲み方は3種類。ゴロゴロレモンサワー、生搾りレモンサワー、そしてハチミツレモンサワー。粗悪で発がん性のあるレモンだったら嫌だなと思って、生搾りをチョイスすると、女性の店員は、「ゴロゴロをお勧めしますよ」と言った。なんなら先に言ってくれよと思いながら、店員さんの言う通りにした。
オーダーは店名にもなっている「藤澤ホルモン」。そして、「レバー」と「とんちゃん」(各418円)を注文。
かくして、60分ノミホーの火蓋が切っておとされた。いいじゃないか。自分の手で注ぐレサワ。1時間で一体何杯飲めるのか。
「藤澤ホルモン」はどういう訳か、洗いダレでいただくらしい。京都発祥の独特のタレが何故この岐阜にあるのか分からないが、これがとにかく絶品だった。うまいから、後ほどもう一皿頼んでしまうほど。いや、「レバー」も「とんちゃん」もうまいが、断然レサワにあったのが、「藤澤ホルモン」だった。聞けば、ホルモンは牛だというが、恐らく色が白いから腸であろう。脂が適度にあって、出汁が効いた洗いダレと本当にマッチする。これは当たりの店を引いた。
6日ぶりの酒は旨くて、ついついピッチが早い。サウナで汗を流したから、レモンのビタミンを体が欲していた感じ。あれよあれよと飲み干し、ピッチは止まらない。
困ったな。これから新幹線に乗って帰らなくちゃいけない。MacBookを持ってきてないから、泊まる訳にもいかないが、とにかくレサワが旨すぎだ。
はじめは粗悪なものが出てくるかと戦々恐々していたが、なかなかどうして。そんなことを感じさせない品質だった。
結局、1時間で9杯飲んだ。税込550円だから、一杯あたり62円。焼酎はそれほど濃くはないが、一杯あたりの値段をみれば文句はない。
お会計2,662円はお値打ちだと思う。
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