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居酒屋さすらい 0855 - 藁で焼くカツオのたたき - 「立呑み 藁」(名古屋市中村区名駅)

2015-04-22 23:12:46 | 居酒屋さすらい ◆立ち飲み屋

店頭が燃えている。

ガラスの中に藁をくべると、炎はすぐに火が付き、店内は明るく照らされる。

名古屋の立ち飲み屋。その名も「藁」。

つい、半年ほど前まで頻繁に名古屋を訪れていたときは、この店は見かけなかった。この半年のうちにオープンしたのだろうか。

店頭ではぜる藁を見て、ボクは店内に入った。

 

1階はカウンターのみの立ち飲みスペース。2階もあるらしい。

その2階へ行く階段の直下にあるスペースに陣取らせてもらった。だが、このポジションが悪かった。背後に階段の足場があり、極めて狭い。ちょっと気を抜くと、その足場に頭をぶつけそうになる。後ろを人が通るときは、半歩前に出て、歩く人のスペースを作ってやらなければならない。そんな訳ありのポジションだった。

 

この店には生ビールがなかった。その代わりにあるのは「淡麗 生」の樽詰め。390円。まずは、様子見に「ポテトサラダ」(300円)をオーダーした。

メニューに「煮込み」はない。また、名古屋めしのメニューも見えなかった。

メニューの大半を飾るのは魚。この店名物の藁焼きをはじめ、炙り、そして刺身と調理法にこだわりを見せる。

その藁焼きはカツオと若鶏。前者が5切で590円。後者が1枚330円だという。

ここは、その藁焼きとやらを食べてみなければ、話しにならない。

そこで、藁焼きのカツオを注文した。

 

すると、店員が藁をひっつかんで店頭へ行き、ガラスに仕切られたスペースに藁を突っ込んだ。

やがて、ぱちぱちと藁が焼ける音がし始めて、カツオがあぶりだされる。

藁で焼くと焼きがふんわりとなるという。確か、漫画「美味しんぼ」にも藁で炊くかまどのご飯が出てきたと記憶している。藁には特別な力があるようだ。

それに案外、火力が強い。藁自体はすぐさま焼けてしまうのだが、ぼぉっと燃える音がして、置いてあるカツオの肉を焼いている。

恐るべし藁。

 

演出は十分に楽しめたが、果たしてそのお味といえば、これがまたうまかった。

スモークとは違う独特の匂い。枯れ草のような薫りが、食べてる際の鼻を通っていく。

なんてうまいんだ。

こうしてはいられない。「カツオのたたき」に最も合うお酒。

 

メニューを繰ると「酔鯨」という文字がみえる。純米吟醸が590円。

かーっ、たまんねぇな。

 

女の子の店員がボクの後ろを行ったり来たりしているが、時間が空くと、何故かボクに話しかける。

どこから来たのか。どこに泊まっているのか。どのくらいの頻度で名古屋に来るのか。

そのたびにボクは答えるのだが、答えた後、彼女は決まって「えー、ほんとですか」を繰り返した。

ボクの話などはたいして面白くもないのに。

 

藁の演出が通りゆく人の足を止める。その足止めを食った人が続々と店内に入ってきた。

店は意外に混んでいる。

名古屋人は立ち飲みなんて入らないと思っていたが、立ち飲みスペースはもういっぱいだった。

ボクは最後に「イカ下足」と「酔鯨」をそれぞれオーダーした。下足は炙り。焼き方はまさに変幻自在である。

 

藁焼きというある意味奇抜な調理は、名古屋特有のものなのだろうか。

それならそれで、いかにも名古屋らしい。

だが、満員御礼の立ち飲みだったが、店はすでに閉店したようである。

名古屋の立ち飲みは希少なので、極めて残念である。 

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (熊猫)
2015-04-23 15:42:14
あり得る。
でも、類似のサービスをやっている居酒屋は、たまに見かける。
返信する
お! (怪鳥)
2015-04-23 14:21:03
行ってみたい!と思ったのにもう無いのね・・・。
なんでかな。消防法にでも引っかかったかな??
返信する

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