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居酒屋さすらい 1642 - どっち派か? - 「お山の大将」(品川区南大井)

2020-05-28 21:01:12 | 居酒屋さすらい ◆東京都内

緊急事態宣言が解除される5日前のこと。どうしても「鳥勝」に行きたくなって、出かけてみることにした。

昼飯を抜いたせいで空腹だ。16時に会社を出て、品川駅へ。京急に乗り換えようとすると、人身事故が発生したとのアナウンス。おいおい、「鳥勝」まで、あと少しじゃないか。空腹のせいで、少し苛立ってしまう。10分ほどホームに停車した電車の中で待っていたが、運行する兆候もないので、JRに戻り、振替乗車で大井町へ。ここから徒歩で「鳥勝」に向かう。極上のものを手に入れるには困難がつきものだ。なんのこれしき、手に入れたときの喜びは倍加するはずだ。

立会川に出て、川沿いを下流へ。あと少し。「鳥勝」まであと少しと思って行ってみると、店舗の扉が外され、マスターとママが働いている。店内に人はいない。どうやらテイクアウトのみの営業のようだ。

やっと辿り着いた「鳥勝」で飲むことが叶わない喪失感。一気に疲労が全身を襲う。テイクアウトして、どこかで飲むか。そんな思いも一瞬よぎった。いや、「鳥勝」の雰囲気と、ダイヤ焼酎、そしてうまいもつの3つが揃わなければ意味がない。テイクアウトをして、お店を応援したいが、この後に行く店で、それを持って入る訳にはいかない。残念だが、「鳥勝」を後にした。

さて、こうなったら、もうあそこしかない。

「お山の大将」。

以前からその噂を聞いていたが、せっかく立会川に来たなら、「鳥勝」しかない。行くなら、この機会しかない。

まさか、「お山の大将」もテイクアウトだけだったりしてと思いながら、行ってみると店は開いていた。客はカウンターに2人。もう少し、混んでるかなと思っていたが、ちょっと拍子抜けした。それでも初めての店は緊張する。どんな飲み物があるか、どんなルールがあるか、店主は気難しくないか、など。とりわけ、人気店ともなるといろいろとややこしい問題があったりする。

カウンターに座り、頭上の短冊メニューをちらとみる。「レモンサワー」(400円)、あるじゃないか。今夜は「鳥勝」モードなので、「レモンサワー」の一点買い。

さて、つまみ。

「コブクロ刺し」(200円)もあるじゃないか。素晴らしい。

もつ焼きは、「レバー」と「ハラミ」をタレで2本ずつ。とりあえず、「ハラミ」があれば、もう何もいらない。

まずは「レモンサワー」。

うまい。若干甘いがストライクゾーンに入っている。

「コブクロ刺し」。

辛味噌風のタレがかかり、これがまたうまい。ただ、「鳥勝」の方が好みだ。さて、もつ焼き。

「レバー」はややレア。その火加減が絶妙だ。焼き台で腕を奮うのが大将だろうか。見た目は気難しそうに見える。「ハラミ」は辛味噌で。柔らかくて素材の良さが分かる。うまい。

18時を過ぎて、少しずつお客さんは増えたが、自分を含めて5人。まだまだ、テーブルは空席だらけ。焼きのオーダーが途切れ、大将は常連と釣りの話しで盛り上がっている。大将は釣り好きなのか。もしや、お通しに出てきた魚は、自ら釣った魚だったりして。ただ、大将は無愛想だった。これが「鳥勝」との差なのか。

「レモンサワー」が進む進む。

〆は、「煮込み」。

透明スープのあっさり塩味。シロだけでなく、幾つかの部位が入っている。「鳥勝」のこってりした「煮込み」とは対極にある。これもまたうまし。好みの問題だが、「煮込み」は「お山の大将」の方が好きだ。

立会川のもつ焼き屋。素材もよく、焼きもいい。後はもう、好みの問題なのだが、もう一つ重要なファクターがマスターか。いや、「鳥勝」には、優しいママもいるし。名は体を表す。「お山の大将」は伊達じゃなかった。

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