確か、20年前から、この店はあったと思う。香港島からの帰りや、スターフェリー乗場から夜景を見た後、必ずこの店の前を通った。
「新源茶餐廳」は、どんなに朝が早くても、どんなに夜が遅くても、必ず店は開いていた。だから、通る度に、店が目についてしまう。だから、印象に残っているのだろう。
この店の先には、九竜公園があり、そこを抜けると、ボクが泊まっていたゲストハウスだった。ネイザンロードは刺激もあるが、いかんせん人が多く、宿まで最短距離であることから、漢口道ばかりを好んで歩いた。
ただ、ボクは結局、当時10日間の滞在のうち、一度も「新源茶餐廳」に入ることはなかった。行きつけの麺屋ができたこともあるし、そもそもこの麺屋が怪しかった。朝から晩まで、いつもやってるスタイルが、ちょっと許せなかったのだ。
20年の時を越えて、ボクは店に入ってみることにした。店頭で、店の中を覗いたら、ロ卑酒、つまりビールを飲んでいる人が見えたからである。日本以外の国では、酒が飲める店は少ない。町中華で酒が飲めるのは、日本くらいなものだろう。だから、ボクは、そのロ卑酒に素早く反応した。
店に入った。
メニューには、日本語もあった。やはり。
だが、もうひとつ「やはり」があった。メニューの書体が明朝体なのは仕方がない。けれど、中国の他の店にあるように「シ」や「ツ」、「ン」や「ソ」が混同されていた。
やっぱり。
「ラーメソ」や「チャーハソ」はまだいい。
「ワソタソメソ」などは、もう何がなんだか分からない。
ボクは、その「ワソタソメソ」とロ卑酒を頼んだ。
ロ卑酒は青島ではなく、銘柄がよく分からない地元の瓶ビール。嬉しいことに、しっかり冷えていた。香港に来てからというもの、朝は粥、昼はぶっかけ、夜は飲茶を食べ、麺はまだ食べてなかった。
さて、ようやく麺にありつけると思って、期待を膨らませたが、その大きな期待は脆くも崩れ去った。
テーブルに置かれた「ワソタソメソ」。はじめは、うまい、うまいとすすっていたが、しばらくして、スープがくどいことに気がついた。しかも段々舌がピリピリしてくる。もしや、これはアジアを幅広く席巻する、あのグルタミン酸ソーダではないだろうか。
ボクは比較的、グルタミン酸ソーダには、耐性がある方だと思う。前日に、香港島で食べた粥にも、グルタミン酸ソーダが入っていたらしく、家族は「たべられない」と残したが、ボクは平気だった。けれど、この「ワソタソメソ」の味は異常だった。ボクは、残りの麺を残し、ビールで口をゆすいだ。
そして、急いで店を出た。
今回の記事も画像はない。
何故なら、店内のメニューに、日本語でこのような書かれていたからだ。
「写真は写さないでください」。
そこだけは、まともな日本語だった。
この手のチャーチャンテーンは大好きで良く利用しますが、まず「ビールはあるか?」を聞いてから入ります。
「ある」と言ってオーダーのたびに買いに行ってくれる店もあったなあ~。
買いに行ってくれるよね。
バンコクだと買ってくるまで、20分とかかかったり。
この店は、元々置いてありました。
茶餐のつく店は24時間営業って聞いたけど、本当?
源記とか大きいチェーンはそうかもね。
ほんと日本語間違い減ってつまんないね。
自分の過去最大は「ポケツンゲ」です。
で、何だっけ?
ポケツンゲって。
原形とどめてないよ。
ンしか合ってないよ。
恐ろしい。香港。