15年ぶりの小樽である。
駅を降りて、暗がりの駅に小さな行灯のような灯りが点る中を改札に向かい歩いていく感覚は、どこか昭和の戦後すぐの光景にも似た、それを実体験していないにもかかわらず、そんな気持ちを抱かせた。
吐く息は白く、改札を出て、駅舎の外に出ると、雪が舞い落ちて、北の大地に来たことを否応なく思い知らされるのだった。
みーさんは静かにそこに立っていた。
そう、いつか、みーさんのホームグラウンドで会おうと約束し、ようやくその日を迎えた今日。
まだ、今日を含めて3回しか会ったことがないのに、なんとなく気心が知れたような不思議な感覚。
雪に慣れない都会ぶった男は、みーさんの後をようやく追いかけ、小樽の街を歩いた。
みーさんのお奨めのお店。
「魚一心」。
気取らない大きな暖簾が大衆臭さを醸し出していて、わたしは少し安心した。
戸を開けて、中に入ると東京の居酒屋と違い、余裕のある作りに、何故かまたホッとするのだった。
左手は小上がり。右手が厨房とその周囲がカウンターになっている。
わたしたちはカウンターに陣取り、生ビールを頼むのだった。
みーさんは訳あって、烏龍茶である。
生ビールはサッポロ。言わずもがな。
500円は高いとも感じるが、それはわたしの都会病というやつかもしれない。
みーさんがカウンター越しに注文をする。
すると、大きなお皿に、これまで見たこともないボリュームの貝がドカンと盛られて出てくるのである。
その瑞々しさといったら。
そのつぶ貝を贅沢につまんで、バクバクと口に運ぶ。
うまいっす。みーさん。
そして、次々に出てくる海の幸のオンパレード。
さすがは小樽。
そういや、15年前、小樽の市場に行って、その盛況ぶりに驚いたっけ。
刺し盛りのボリュームに驚き、これが一体いくらなのかとおののきながら、北海の魚に舌鼓を打つ。
ビールからお酒に。
何を飲んでいるのか、みーさんの頼んでくれるものに、ひたすら郷に入れば郷に従えと、黙って飲んで食べていると、その豊かな小樽の酒肴が心と体を和ませてくれる。
いつしか、みーさんに声を出してこう言うのだった。
「あずましい」。
「うん。あずましいッス」。
だが、小樽の夜はまだまだ終わらない。
駅を降りて、暗がりの駅に小さな行灯のような灯りが点る中を改札に向かい歩いていく感覚は、どこか昭和の戦後すぐの光景にも似た、それを実体験していないにもかかわらず、そんな気持ちを抱かせた。
吐く息は白く、改札を出て、駅舎の外に出ると、雪が舞い落ちて、北の大地に来たことを否応なく思い知らされるのだった。
みーさんは静かにそこに立っていた。
そう、いつか、みーさんのホームグラウンドで会おうと約束し、ようやくその日を迎えた今日。
まだ、今日を含めて3回しか会ったことがないのに、なんとなく気心が知れたような不思議な感覚。
雪に慣れない都会ぶった男は、みーさんの後をようやく追いかけ、小樽の街を歩いた。
みーさんのお奨めのお店。
「魚一心」。
気取らない大きな暖簾が大衆臭さを醸し出していて、わたしは少し安心した。
戸を開けて、中に入ると東京の居酒屋と違い、余裕のある作りに、何故かまたホッとするのだった。
左手は小上がり。右手が厨房とその周囲がカウンターになっている。
わたしたちはカウンターに陣取り、生ビールを頼むのだった。
みーさんは訳あって、烏龍茶である。
生ビールはサッポロ。言わずもがな。
500円は高いとも感じるが、それはわたしの都会病というやつかもしれない。
みーさんがカウンター越しに注文をする。
すると、大きなお皿に、これまで見たこともないボリュームの貝がドカンと盛られて出てくるのである。
その瑞々しさといったら。
そのつぶ貝を贅沢につまんで、バクバクと口に運ぶ。
うまいっす。みーさん。
そして、次々に出てくる海の幸のオンパレード。
さすがは小樽。
そういや、15年前、小樽の市場に行って、その盛況ぶりに驚いたっけ。
刺し盛りのボリュームに驚き、これが一体いくらなのかとおののきながら、北海の魚に舌鼓を打つ。
ビールからお酒に。
何を飲んでいるのか、みーさんの頼んでくれるものに、ひたすら郷に入れば郷に従えと、黙って飲んで食べていると、その豊かな小樽の酒肴が心と体を和ませてくれる。
いつしか、みーさんに声を出してこう言うのだった。
「あずましい」。
「うん。あずましいッス」。
だが、小樽の夜はまだまだ終わらない。
懐かしい記事だね。
あの日はごちそうさまでした。
「訳あって」ウーロン茶が辛かったなあ。
あれから二週間の禁酒も。
おかげ様で、今では全快しました。
月2~3回は魚一心に通っています。
相変わらずのボリュームに、一人ならばお通しのほか刺身二品が限界。
それでも大将は、「思いっ切り食べて欲しいのさ」とサービスしてくれますよ。
でも、まさか二年連続の札幌出張は…無いよね…
今年もクリスマスには赤羽を奇襲!
時間あったら付き合ってくださいな。
「魚一新」のボリューム感溢れる肴は、ホントに素晴らしいです。
雰囲気もよく、言うことなし。
わたしも週1で通いたいです。
2年続けての北海道はないと思います。
毎年恒例のクリスマスin赤羽、楽しみにしてます。