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居酒屋さすらい 0671 - Frozen Pain - 「一番搾り FROZEN GARDEN 東京」(千代田区大手町)

2013-08-23 23:28:40 | 居酒屋さすらい ◆立ち飲み屋
東京駅は改修が進み、覆われていたベールがほぼ取り去られ、その全貌を見せつつあった。
ふたりの東京駅。
いつでも優しかった東京駅を見るのはつらい。
丸の内駅舎を降り、信号を渡った。ビルの合間に見えるだけの狭い空を見る。将門の首塚を通って大手町へ。やはりここが結界なのか、大手町は深い闇に包まれていた。
もうどのくらいの時間が過ぎたのだろう。果てしない時間、長く重たい時間が澱のように心をふさぎ、ボクはこの1か月を過ごした。ようやく…、ようやく過ごしてきた。
とめどなく溢れてきた言葉は、ピタリと止み、頭の中は空虚に思考を止めた。
行き交うタクシーのテールランプの列を見ていると、死んでしまいたいような気持ちにすらなってくる。赤く点るLEDが滲んで見えるのは何故だろう。

ビールが飲みたい。
それもとびきり冷えたビール。
夏だけの限定店舗。
「一番搾り FROZEN GARDEN東京」
きらびやかな光に誘われて、店内は多くの人たちでごった返していた。ボクは「フローズン生」を1パイント(700円)と「フィッシュ&チップス」(700円)を購入し、飲めるポジションを探した。ほんのひとり入れるスペースは屋外の片隅のテーブル。ボクはそこに陣取り凍り付いた泡をぐいっと飲んで天を仰いだ。星がひとつも見えない東京の空を。
「一番搾り」のほのかに香るエステル臭が口の中に爽やかに広がってもボクの気持ちは晴れなかった。まるで上空の空みたい。ビルの間から心地よい風がやや汗ばんだ背中を優しくなでるように吹きつけてくる。でも、何も変わらなかった。
このまま凍りついて、地中の下に沈んでしまえばいい。そうすれば失う痛みも、もう何も感じなくなるかもしれない。
それとも、氷になってしまえば、あなたの掌の中で冷たい痛みを与えながら、溶けて、消えてしまうこともできるのに。

痛みを
与えながら。
溶けて
消えて
しまうことも
できるのに。
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