そしてまたもや、家の近所の「サイゼリヤ」。我が家のもはや定番の外食である。このお店、昨秋オープンしたばかりだが、来る度に混んでいく。大体が家族での利用で、一人客は見たことがない。
我が家は、一人一枚のピザと、パスタやドリアを一人一品注文する。ところが、息子が、友人と、この店を利用した時、その友人らがオーダーしたのは、ハンバーグや若鶏のなんとかというメニューらしく、自分が知らない頼み方があることにショックを受けたという。要するに、「サイゼリヤ」に来て、ハンバーグを食べるなよと言いたいらしい。若鳥のなんとかというメニューは調べてみると、「若鶏のディアボラ」というものだった。これははいわゆるチキンソテーで、その名の通り、れっきとしたイタリアンである。
ただ、隣のテーブルが何を食べているかは気になるところだ。昔、遭遇した場面で、「辛味チキン」を一人2皿頼んでいる家族があった。5人家族だったから、合計10をオーダーしていた。
しかし、「若鶏のディアボラ」とは気になる料理である。昔、ランボルギーニにディアブロという名称のクルマがあった。ディアボラもディアブロも活用が違うだけで、その言葉の意味は悪魔である。したがって、「若鶏のディアボラ」とは若鶏の悪魔風という料理だ。それだけでは、どんな料理かさっぱり分からない。何が悪魔風なのだろうか。
息子の疑問は膨らむばかりである。
さて、翻って、我が家は至っていつも通り。家族はほぼ全員、マルゲリータピザをオーダーし、娘はミラノ風ドリア、息子はペペロンチーノ、かみさんはアラビアータ、そして自分はアーリアオーリオである。それにつけても、イタリアンとは見事なまでにバラエティに富む、料理名である。それだけ、料理の文化が深いのだろう。
映画、「グレートブルー」で、ジャン・レノが演じるエンツォ家の夕食は凄まじかった。食事に2時間を費やすのだが、エンツォは、それをさもイタリアでは普通だと言った。けれど、「母を訪ねて三千里」のマルコの食事は塩茹でしたパスタだけだ。どっちが、イタリアンの食卓の日常なのだろう。
娘の同級生のお父さんはトリノ出身のイタリア人で、神経質すぎるほどの人だった。小学生が一様にランドセルをするのはおかしいと、学校にクレームをつけたり、学校公開日(授業参観)で、担任の先生が、横文字ばかりを連発する授業に、「おかしい」と学校側に文句をつけた。食にも厳しく、日本人の奥さんは「結構大変なんです」と言っていたが、そのPロさんが、「サイゼリヤ」を大絶賛したらしい。その情報は、瞬く間に、ママ友関係に伝わった。あのPロさんが? むしろクレームをつけたのではないか? と懐疑的だった。
「こんなのはイタリアンじゃない!」と。
今、Pロさん一家は、目黒区に引っ越してしまった。もし、まだ北区にいたら、この新しい店舗に足繁く通っていると思う。
気難しいPロさんが大絶賛した「サイゼリヤ」、やっぱ最高だよ。
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