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さすら碑 038 - 紙を巡る時間旅行 - 「洋紙発祥之地碑」(北区王子)

2024-11-02 19:26:02 | さすら碑

通勤しなくなってから、王子に来ることがほとんどなくなった。かつては途中下車をして、「平澤かまぼこ」などに立ち寄らせてもらっていたが、今はもう年に数回のみ。証券会社に行くくらい。ちなみに2023年に最も行き来した街は赤羽である。

さて、その証券会社への用事が済み、久しぶりに王子の街に出た。今夜はどこで飲もうかと、ちょっとワクワクする。その前に新しい店が出来ていないかパトロール。

最近、王子駅前サンスクエア近辺に行ってないなと思いたって。

以前、「笑和」という立ち飲みがあったが、今はどうなっているか気になった。また、不思議な円を描く柳小路も見ておきたかった。

その柳小路の斜め前に建つのが「洋紙発祥之地碑」の碑である。現在、サンスクエアと呼ばれる、ちょっとしたモールはかつての王子製紙の工場であり、日本の洋紙製造の地である。洋紙の製造が開始されたのが1873年のこと。2023年に150周年を迎えたのである。そして翌年となる今年、その製紙会社設立の中心を担った人物が一万円札の肖像となった。2021年のNHK大河ドラマ、「青天を衝け」から、渋沢栄一はちょっとしたブームである。

線路を挟んだ飛鳥山公園には、渋沢邸があり、そして紙の博物館がある。そしてもう少し歩くと滝野川造幣局もあり、紙と渋沢、そして日本の産業の歴史も垣間見ることができる。

歩き疲れたら、王子の酒場で一献。

かつて製紙工場で賑わった王子には名酒場が多いのは、工場城下町だからこそ。「山田屋」、駅前の「半兵衛」、柳小路の各店舗、「一福」に、ちょっと歩くが、「やまに」も加えておこう。

いずれも安くておいしい酒場だ。

博物館、造幣局、渋沢邸、そして記念碑を巡り、酒場でたらふくなんでも一万円で充分お釣りがくるはずだ。

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