お風呂さすらい83 「湯元舘」（大津市苗鹿）

おごと温泉の駅構内には、観光案内所があった。どこの日帰り温泉がおすすめか、尋ねてみた。いくつか候補を挙げてもらったうち、いくつもの浴場が楽しめるという「湯元舘」というホテルを薦められた。

駅からは、充分徒歩で行けるらしい。

 

「湯元舘」は大きなホテルだった。

日帰り入浴1,500円は、決して安くない。けれど、2つのご機嫌な浴場を楽しめたのだから、高いとは思わなかった。

はじめに入ったのが、「山望の湯」。文字通り、山側の湯である。しっとりとした露天風呂で、落ち着きのあるたたずまい。庭が美しく、お湯も柔らかい。それよりも何よりも景色が素晴らしい。山側は静かで、鳥のさえずりがきこえてくる。

風は爽やかで、優しく吹き抜けていく。

久しぶりにいい風呂に入った。

一方、「湖望の湯」に移動した。

いくつかあるそれぞれの風呂は、いちいち着替えて移動しなければならず、それが面倒なのだが、それは致し方ない。たが、「湖望の湯」は一転して、琵琶湖側の風呂。眼前に広大な琵琶湖を望む。ホテルの前、後ろで、全く違う表情を見せてくれる風呂。これはすごい。これで1,500円は安い。しかも、琵琶湖側の風呂には、乾式サウナがついていた。

琵琶湖を眺める温泉。そして静かな山側。

動と静の温泉が同居する宿、「湯元舘」。

 

何回でも言おう。

これで、1,500円は安い。