1年ぶりの京都で楽しみなことがひとつだけあった。
ふらいんぐふりーまん師が幼少の頃から通う焼肉屋「花山」に行くことである。
もう何年も前に、ボクは一度連れて行ってもらったことがあるが、仕入れが確かな本格焼き肉の店である。
そういう焼肉屋に行くのは、大人になってからだったボクにとって、「幼少の頃」からそういうものを食べていた師に驚きであるとともに、元来ケチケチである師が肉には糸目をつけないということもサプライズなのだった。
そういえば、師が茨城の石岡でパラグライダーのインストラクターをやっていたとき、彼から連れて行ってもらった焼肉「ビウォン」もおいしい店だった。
もっとも、「花山」は確かな肉を出すにも関わらず、値段はそれほど高くもないという印象がある。
ふらいんぐふりーまん師のお気に入りの店だからということで、ついつい安心してメニューの値段を確認しなかったが、水準的には安価だと思う。
数年前、この店を訪れた際、特においしかったのが「センマイ刺し」。その品質は抜群で、安心して食べることができた。
店はその後、改装をしたらしく、改装後初めて店を訪れた。
改装した店はとてもきれいだった。いささか、街の普通の焼肉屋さんになっちゃった感もあるが、それは個人的な見解である。
店はきれいになったが、お店のおばちゃんは変わっていなかった。
ふらいんぐふりーまん師によると、師の幼少の頃から、このおばちゃんは変わっていないという。
しかし、師が幼少というからには、少なくとももう40年の月日が経っていると思われる。40年も変わらないおばちゃんてサイボーグかとツッコミを入れたくなるが、例えば、女優の竹下景子さんは今も昔もおばちゃんである。
しかし、おばちゃんの愛想のなさというか無表情というべきか、淡々と仕事をこなすその姿勢も相変わらずである。
さて、そんな「花山」でボクらはおおいに食べ、おおいに飲んだ。
ビール4杯。肉もカルビ、ホルモン、ロースを惜しげもなく注文した。肉のうまさは絶品である。
店は住宅街。哲学の道から入ったところにあり、分かりにくい。でも、昔から地元に愛された店なのであろう。
今年もまた行きたいものである。
でも、実は愛想はないけど気が効く人で、愛想ばっかりでうるさいのにサービスできない人より、そっとしておいて欲しい系のうちの家族には全然良かったんだ。
そんなおばちゃんが一度だけ感情を露わにしたことがあった。
おかんが死んで、おかんといかなくなってしばらくしたある時、おばちゃんが聞きにくそうに「おかあさんは・・・?」って言った時に、死んじゃったんですって言ったら、涙を流しながら悲しんでくれたんだ。
あの時は、俺らも泣きそうになったなあ・・・。
って、愛想ないとか書いてるけど、実はあのおばちゃん、こっちから話しかけると、結構いろいろ話ししてくれるんだよ。
表情が変わらなくて怖い感じがするから、みんな話しかけなくて愛想ないみたいになるんだろうねえ・・・。
あ、俺もそんな風なんだろうなあ・・・。(苦笑)苦笑してる場合じゃないけど。
おかんも喜んでると思うよ。そして師も、次回はおばちゃんにニラダレのレシピとか聞けんじゃないかな。(笑)
ありがとう師よ。