街の遺構を探すのが好きだ。
遺構や残骸街の至る所に見つけることができる。
このスクラップビルドが激しい東京でも。
万世橋駅跡地のmAAch ecuteのオープンとともに、今は使われていないこの万世橋駅のホームにあがることができた。
かつて、ここは交通博物館だった。
小学校5年のとき訪れた交通博物館からは、その文明開化の駅がどうなっているのか全く分からなかった。
だが、mAAch ecuteとして生まれ変わった姿をみると、なるほど駅の姿をしている。
そして、そのホームにのぼろうと駅の階段(写真)をあがった。
暗くてひっそりとした駅の階段。
まるで軍靴の音が聞こえてきそうな、そんな遺構。
ホームにあがる途中でカフェがあった。ちょっと気取ったカフェ。
「東京人」2006年3月号「さよなら交通博物館」に寄稿した佐藤喜一さんの文章によると、かつての万世橋駅には「ミカド」というレストランがあったという。そのレストランで行われた会に、芥川龍之介は度々顔を出し、そこで秀しげ子という女流歌人と出会う。その出会いがどのような影響を2人に与えたのかは分からない。だが、佐藤は、芥川の自殺の遠因になったのはその出会いではなかったかと推測する。
ボクはそんな残骸にこそ、魅力を感じる。
何故だろう。
朽ち果てていく哀しみか。それとも、そこにいくつものドラマを感じてしまうからか。
或いは、人の念の残像を知らず知らずに感じてしまうからだろうか。
すれ違い、交差する数え切れないドラマがそこにはある。
撮影地:千代田区神田須田町/万世橋駅
カメラ:Sony Ericsson IS12S(ケータイ)
その万世橋から東に500mくらい。
昭和通りの手前50mのところに「さくま橋」と書かれた橋の欄干がある。
実は、この界隈に最近昼ご飯を食べに来てるのだが、一か月前にこれを発見した。
「なるほどここは暗渠なのか」。
いや、違う。橋の欄干の隣にある秋葉原公園は道路より若干低い。これは川をそのまま埋め立てたんだ。
そういえば、公園の両側は石垣になっている。もしかすると、これは川の護岸だろう。
ラジ館PRESS「秋葉原公園と佐久間橋親柱、地形から歴史を探る」によれば、ここは以前、神田川にそそぐ運河があったという。
現在のヨドバシKIBAの辺りは船のたまり場になっていた場所のようだ。
ヨドバシカメラの由来は新宿の淀橋排水場跡地にあるから。よほど、ヨドバシは埋め立てに縁があるのだろう。
その秋葉原公園が今、工事中となっている。もしかすると、橋の欄干も取り壊されてしまうかもしれない。
撮影地:千代田区神田佐久間町
カメラ:Sony Ericsson IS12S(ケータイ)
朝6時の空気。
しんと静まり返る山村に。
朝もやが立ち込める。
ホテルを出て坂を下ると、川に出た。
浴衣に丹前を着て、手ぬぐいをぶらさげて。
共同浴場へ。
道すがら、5人の人に出会った。
すれ違いざま、自然に口に出る。
「おはようございます」
こんな気持ちのいい朝は大金出しても買えやしないだろう。
撮影地:長門市深川湯元
カメラ:Sony Ericsson IS12S(ケータイ)
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