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居酒屋さすらい 0700 - 190円均一,極めて素朴に - 「立ち飲みコーナー 大つか」(豊島区北大塚)

2013-12-02 22:23:15 | 居酒屋さすらい ◆立ち飲み屋

9000系の都電に乗ったおかげで、すっかりレトロな気分になった。

大塚駅前のホームに降りると薄暗く、恐らくこの風景は昭和40年代からあまり変わっていないのだろうと思った。JR大塚駅は新しくてきれいだったが、北口の前を通り過ぎるとき、ふとどこかで読んだ文章を思い出した。あれは誰が書いた文章だったか。
戦時中の様子を書いたそれは、東京大空襲だったか、とにかく大塚駅北口の前には焼けただれた死体が累々と積み重ねられていたとあった。こうして歩いているこの場所がかつてそうであっても、今は驚かない。わたしたちはそうした場所をいつも歩いているのだ。
大塚駅にもし人格があるとしたら、駅はその光景を今も刻み込んでいるだろうと思う。
 
その北口を過ぎ、交差点を渡って左手に行くと大きな赤提灯が見える。
都電のレトロ車両は復刻版だが、この「立ち飲みコーナー 大つか」はリアルな昭和の風情を今に残す。
カウンターだけの立ち飲みスペース。メニューは黒い樹脂の板に白字で書き上げる。手書きだ。

そのカウンターは常連達でごった返している。その中にわたしは割って入った。カウンターの一番手前。
「○○ちゃん。今夜は遅かったね」
「彼女と遊んでいたからね」
そんな会話がカウンターの端から端まで飛び交う。

わたしは、まず瓶ビール(480円)と「煮込み」(190円)を頼んだ。
安い。ニコビー指数670。
ビールはサッポロ。「煮込み」は白味噌のまさに王道をいく煮込み。
これでしょ。これ。

壁にかけられたメニューは「ロースハム」「なっとう」「しらすおろし」「チーズ」「目玉焼」と並ぶ。
それだけではない。
「さつま揚」「冷奴」「落花生」。
素朴だ。素朴すぎる。
しかも、これが全て190円だから恐れ入る。

今、280円だの、270円だの、そんなチェーンの居酒屋が並ぶ。
そんなところより断然安い。
メニューの質が違うって?
いやいや、素朴な味こそ、酒のあてよ。

隣のおじさんが「鯖」の塩焼きを頼んだ。
だが、冷蔵庫には最後のひと切れ。しかもかなり大きめのそれを同じ料金で出すというお店のおばちゃん。
出てきた「鯖塩」はスーパーの切り身の2倍はあった。

お店は入れ替わり立ち代りお客が代わる。
ボクは「緑茶ハイ」を2杯飲んで、店を辞した。

おっさんたちがここに集うのは安い酒をかっくらうために来るののではない。
ここに集う人たちと店のおっちゃんとおばちゃんに会いにくるのだ。
だって、誰もが誰かの心の中に自分の存在があってほしいと願っているよね。

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2 コメント

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凄いな (ふらいんぐふりーまん)
2013-12-07 13:45:05

 居酒屋訪問数700軒か。凄いなあ。

 人はともすれば、自分の居心地のいい店に定着して新規開発をしないのに、師のその新たな店にチャレンジしていく心意気には感服するよ。

 そこには全く、「保守の筆頭与力」的なものはないね。(笑)全く凄いよ。

 これからも素敵なお店を紹介し、そして時にあるダメなお店には、厳しく苦言を呈してあげてくれ。

 ただ、飲み過ぎんなよ師よ!

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Unknown (熊猫)
2013-12-07 21:09:41
師よ。
久々だな。

気がつけば、700軒だよ。
いったいいくらのお金を使っただろうか。

最近は、苦言を呈してないね。
これからも楽しくさすらうよ。

ありがとう。
師よ。
返信する

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