おふくろの新盆が来た。
我が家の菩提寺は千葉県の八千代市にあり、墓所は隣接した霊園にある。
ここ最近、盆の墓参りはボクが一人で行っている。かみさんは仕事、子どもらは義母の家に遊びに行ってしまう。
ふるさとはどこかと聞かれると返答に窮してしまう。
はて、自分のふるさとはどこだろうかと。
幼、小中高と八千代市内の学校に通った。客観的に見ても、多分八千代市がボクのふるさとであり、出身地なんだろうと思う。
でも、そんな感じがせず、先述した質問を受けると、「八戸市出身です」と答えている。
何故、八千代をふるさとと感じないか、あまり考えたこともないが、高校2年のときに去った八千代市とはそれ以来、墓所以外は縁もゆかりもなくなり、帰れる場所ではなくなった。ただ、墓があるという点においては、最終的に帰る場所という意味を持つのかもしれない。
墓まで3kmの道のりを歩いて往復した。炎天下の中だったが、風に吹かれ、新川の水面を眺め、田んぼの青々とした稲を眺める散歩は心地よいものだった。
1時間以上をかけて歩き通し、元来た八千代中央駅に着いたときはかなりの疲労感を感じた。おまけに腹も減り、著しく喉も乾いた。だが、この新興住宅には適当な店はない。
唯一酒が飲めそうな店といえば、「庄や」だけである。まだランチの真っ最中で店は開いている。
飯を食いながらビールでも飲むか。
基本的にボクはこの大庄グループが嫌いである。
食材などは確かなのだろうが、オペレーションを動かす人材が悪い。小欄でも数年前の記事で「やる気茶屋」について記載したが、ある不祥事によって、我が家に謝罪にきたものの、その対応も気持ちのいいものではなかった。
ブラック企業大賞にノミネートされるのもうなづける。
それはともかく、この店に入っても、やはりそれなりの言うなればマニュアル通りといえる対応で席に案内された。
接客のおばちゃんはパートタイムだと思うのだが、何か付け入る隙を与えない被膜みたいなものを全身に覆い、その雰囲気がピリピリと伝わってくる。
「やっぱりな」とボクはまず思うのだった。
ランチメニューから「牛ステーキ定食」をチョイス。そしてもちろん生ビールも。
ビールはスーパードライ(550円)。
キンキンに冷えたビールはやはりうれしい。
店内も適度に空調が効いており、気持ちがいい。
昼間のビールはやっぱり最高だ。
「牛ステーキ定食」もおいしくて言うことなし。
その後ビールを2杯おかわりした。
店のオペレーションはさすがにうまく回っている。
でもね、やっぱり、くつろぐまでには至らない。
どこか事務的で、どこかピンと張った緊張感みたいなものが店内に充満している。その要因が何なのかは分からない。でも、多分厳しい規律みたいなものがあるのだろう。
でも、それってくつろぎや癒しを提供する源泉になりうるのだろうか。
以前、小欄でも書いたが、大庄グループのビールの値付けは高い。
「じゃ、飲むな」と言われても仕方ないが、この辺境の地において飲める場所がここしかなかったのだから仕方ない。
店を変えるか。電車に乗って。
「くつろぎの里」。
やっぱりボクにとって、八千代はふるさとではないのか。
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