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「じおう」を出て、数m先の「市民酒蔵」に向かう。大きな暖簾と金看板。店を前にして、その圧倒的な存在感が伝わってくる。武者震いが止まらない。暖簾の向こう側は、もはや多くの酔客で席が埋まっているのが分かる。時刻は17時10分。僅か40分前は人の気配などなかったのに。
満を持して扉を開ける。左側に長い長いテーブル。カウンターと言い換えてもいい。両面座れるカウンター。右側は宅席。もう、ほぼ満員。
さて、扉を開けたのはいいが、どうすればいいのか。席を探して自力で座ればいいか、それとも店員さんの指示を待てばいいのか。戸惑っていると、店員さんが、「どうぞ~」と。クリアランスが空いているカウンターのスペースを見つけて、手刀を切って入れてもらった。しかし、この長いテーブルの年季の入っていることと言ったら。木の肌がぼそぼそになっており、もはや朽ちつつある。しかし、それもまるで一つのアートのようだ。
頭上にある短冊メニューを眺め、ファーストドリンクをあれこれ思案する。
なるほど、日本酒のラインナップが素晴らしい。いや、日本酒だけでなく飲み物の種類自体が多い。ここはキンミヤベースの「ハイ辛いサワー」で勝負するか。
さて、気になる「市民酒蔵」とは。ジャンさんこと、船山史家さんのブログ「船山史家の呟きⅢ」によると「第二次大戦中に問屋から酒場に卸される酒も配給制で闇売りや横流しが横行。それを防ぐ為に神奈川県が酒場を整理にかかる。市民酒場と銘打って、市内にあった700店を200店に統合させた」。
なるほど、神奈川県に公認された酒蔵ということか。その200店のうち、現存する「市民酒蔵」は「諸星」を含めて僅かに3店だという。その自治体公認の酒場は今も市民の絶大な支持を得ているというわけだ。
さて、まずは「冷ややっこ」から。160円で、このボリューム。刻みねぎとたっぷりのかつおぶしが嬉しい。
次に「レバカツ」をオーダー。これで一息ついた。
初めて行く酒場は、店のルールや不文律を吸収することに神経を使うため、あまりリラックスできない。この時の自分もそうだった。完全アウェイ。もう少し余裕があれば、店内の見え方も変わってきたのかも。
しかし、いい酒場であることだけは、ひしひしと感じる。ワクワクしてくる短冊メニュー。これこそが大衆酒場の醍醐味だ。
酒は旨く、雰囲気は抜群。こんな酒場がまだあったのかと感動した。重文級の酒場である。
何しろ細長いカウンターテーブル席なので、酔う程に前の人が自分のおツレさんのような錯覚に陥ります。
うっかり前の人の料理を摘まんだらタイヘン。
ここはまた行きたいです。
次はもう少しリラックスして。
「ソース焼きそば」と「レンコン」ですね。
ありがとうございます。
前や隣の人との距離が近いので、そこはお互い注意しながら、仲良くお酒を楽しみたいものです。