その年の外食が1月10日になったのは拙ブログ最遅。いや、社会人になって、最も遅い記録となった。サラリーマンを27年やったが、仕事始めは1月4日だから、少なくともその日には昼飯を食べる。だが今は、昼飯はかみさんがこしらえたおかずとご飯をいただいている。
2023年初の外出は奇しくも昨年と同じJ社だった。昨年は白金でカレーを食べた。雪が降る寒い日だった。今年は駅入口近くのビルに出店するキッチンカーを家まで持ち帰ろうと思ったが、駅まで歩く道中で、電話がかかってきて、結局キッチンカーをスルー。王子神谷まで帰ってきてしまった。
電車の中で、何を食べようかとあれこれ思案し、中華でも食べるかと決めた。「あづま軒」は高いから、最初から却下。「半チャンラーメン」、1,040円はきつい。ならばもう、「とんぼ亭」しかないなと思った。
ミニカレーかミニチャーハンがついたラーメンセットが750円なのだ。
駅を出て南へ歩いた。
実は「とんぼ亭」の隣に、「やきめし屋」という店があり、いつか行こうと決めていたが、今回すっかり失念していて、「とんぼ亭」に着いた時に気がついた。あぁ、なかなかない大切な機会を失った気がした。
いや、でも750円の「ラーメンミニチャーハンセット」を堪能するぞと気持ちを切り替えた。今時、都内でこの類のラーメンセットってあるかな。この物価高の中、貴重な存在よ。
断っておくが、「半チャン」ではない。あくまで、「ミニチャーハン」。通常のチャーハンの半分を出す訳ではないのだろう。あくまでミニなのだ。
お昼時、お店はそれなりに繁盛していた。カウンターの席に座り、予定通り、ミニチャーハンセットをオーダーした。
トレーに乗ったセット。なんだか幸せな気分になってくる。おや? 麻婆豆腐も付いているじゃないか。これはちょっとしたお祭りじゃないか。中華のパレードのような。750円だけど豪華絢爛。
チャーハンは4口か、5口でいただける本当のミニ。でも、これが結構うまいんよ。ラーメンは正直、可もなく不可もなく。けれど、昭和40年代生まれのジャンク世代は、こういうラーメンが大好きなんだ。ちょっとしょっからく、ちょっと化調チックなラーメンが。
けれど、おまけで付いている、麻婆豆腐は一転して甘い。その不思議なコントラストが、このセットにはある。ただし、麻婆豆腐はちょっとするとじんわり辛いのがやってくる。まるで町中華の時間差攻撃。
でね、何が言いたいかというと、750円のチャーハン付きのラーメンセットの希少性はもちろん、この彩りの楽しさってなかなかないと思う。これは750円だから、その価値が燦然と輝く訳だ。2人が厨房にいて、オーダーを聞く女性の3人の布陣。利益がどのくらいかは分からないけれど、お客さんのお腹を満足させるには充分すぎるセット。東十条銀座の中華が、大手印刷屋さんの客を相手にする殿様商売とは違うよなと思ったりする。
そんな「とんぼ亭」が好きになりつつある。
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